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ファッションに興味のない男、『女にモテる技術』の影響で 革ジャンを買う。

⚠︎これはフィクションである。


『女にモテる技術』って本を立ち読み。


その本では『外見を整えることは前提であり、女性は

一瞬でアリナシの判断をつける』とあった。


『なんだよ。まだファッションの話かよ』


本を投げ返そうとした時、自分の姿が鏡に映った。

もう二年は着まわしている服だ。


最後に服を買ったのはいつか覚えてない。


『たまには本の言う通りに動いてみるか』


本は丁寧に戻した。


そのまま帰りに普段は行かないオシャレな服屋へ。


店内にはパリッとした服を着ている客しか

いない。


ヨレヨレの服を着ている俺は浮いていた。


『場違いだ。帰ろう』

『お客様、何かお探しですか』


振り返るとモデルみたいな店員が立っていた。


外見を変えれば俺もこういう娘と街を

歩けるのだろうか。


『い、いや。別に何も』

『そうですかー。お客さんカッコイイから

 これとか似合いそうですよ』


女が持っていたのは革ジャンだった。

自分ではとても選ばなさそうな。


その店員がタイプだったからか、気付いたら

俺は試着室にいた。


『やっぱりお似合いですよ!』

『こういう服着てたらキミみたいな子と

 いても不自然じゃないな』


普段は出ないような言葉が自然と出た。


『あれ?もしかして私誘われてます?』

『なんてね』


笑われてその場は終わった。

結局革ジャンを買ってしまったし。



帰り道で

『外見を整えることは前提であり、女性は

一瞬でアリナシの判断をつける』というあの本の

言葉がなんども反芻された。


外見か。



帰ったらこの上着捨てよ。


福田光宏


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