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人生の必須科目


同窓会に参加した。
私は女子高だったので同窓生は全て同い年の女性(当たり前)。

私は前回の同窓会の幹事だった。毎回参加者一人一人がマイクの前で近況報告をするのが苦手で、しかもそれで時間を取られておしゃべりする時間が限られてしまうということもあって、私が企画した同窓会では近況報告はカットした。その代わりに皆の近況は冊子にして当日配り、おしゃべりする時間を沢山つくり、後半は各テーブル対抗のクイズ大会で盛り上げた。私自身は卒業以来訪れたことのなかった母校の現在の様子を撮影しに行きそれを動画にして流した(撮影と編集をしてくれたのはうちの次女です)のは好評で、いまだにお礼を言われる。

それらは自分が幹事だから出来たこと。皆に楽しんでもらいたい一心だった。だけど誰もが出来ることじゃないとも知っている。冊子を作るのは手間がかかるし、動画編集なんて私たちの世代には難しい。
だから今回の同窓会が元の形式に戻ったからと文句を言うつもりはない。いやむしろ、皆の近況報告を聞きながらいろいろ考えさせられた。


とにかく皆前向きだ。
教員を早期退職して心理士の資格を取ってスクールカウンセラーになった人、大学に入り直して福祉の勉強をした人、自分のダンススタジオの生徒が有名アーティストのバックダンサーになった人、ママさんバレーで全国大会にいった人、音楽といけ花のコラボのライブをやってる人、NHKのサラメシに旦那さんと出た人、家業のお醤油屋さんを継いで伝統を守ってる人、‥

皆の華々しい活躍を聞いていると私には何も無いなぁと思いつつ、同窓会は5年ごとなので前回からこの5年の間に起きたことを考えたらちゃまの入院とお孫ちゃんが生まれたこと。「孫が7人います」なんて人がいて驚いた。人それぞれ、いろんな人生がある。


皆の話の中に一番出てきたワードは“介護”だ。まず、介護の仕事に就いている人がとても多い。世間では介護の仕事は人手不足と聞く。仕事の大変さに加えて人間関係でつまづいて辞める人も多いのよ、と他県にお嫁にいき内科医の旦那様が始めた介護施設を任されているという同級生が言ってた。彼女のところも年中人手不足で困っているとのこと。
「ここ(同窓会)に来たら有能な介護従事者さんがわんさかいる」
と驚いていた。皆頑張っている。


それから、親の“介護”をしてます、あるいはしてましたという人が多かった。そう、私たちは今がそういうお年頃なのだ。要介護1と4の両親を家で面倒をみてる同級生がいた。「一人で抱えないでっ!」と熱心に訴えてくれた経験者がいた。施設に預けることに抵抗がある人はいまだに多い。(親のお世話で)私のほうが潰れちゃう、と旦那さんを説得して義母を施設に預けたという同級生がいた。介護は複雑だ。義務と愛情のせめぎ合いだ。人からどう見られるかなんて心配している余裕は無い。それがリアルだ。


私の実両親は亡くなっているので介護の心配はしなくて済む。ありがたいと言ってしまって良いもの分からないけど。もし生きていたならもしかしたら今頃は私も親の世話に奔走していたかも知れない。私の幼なじみは私の母のことをこう言った。

「みとんちゃんのお母さんは、子どもに迷惑をかけないように、子どものお世話にならないようにってちゃんと時期を考えて逝かれたと思うよ。おばちゃんらしいわ」と。

私もそう思う。その代わり、というのも変だけど、私にはちゃまのお世話という心配事がやって来た。


人の人生って、必須科目みたいなものがあるのかも知れない。一生のうちにこれとこれは絶対経験しなくちゃいけないように設定されてて、例えばそれが“家族のお世話”だったとしたら、私の場合は両親の介護が出来なかったけどそのままでは終われずにちゃまのお世話をしなくちゃいけないことになったのかも知れない。そう思えたら、「なんで私だけ大変なのか?」なんて思わずに頑張れそうじゃない?ま、ちゃまのお世話は親の介護ほどには大変ではないけど。


皆の話は私に気付きとパワーを与えてくれた。
だから同窓会って楽しい。パワーチャージ出来る。それに皆若い。私は自分がすごく若いつもりだったけど同級生たちは皆若い。皆輝いてる。“推し活”してる人も結構いた。私にも推しはいる。推しのためならいろいろ頑張れるよね。

私も、次の同窓会では皆から「おおっ」って感嘆されるような変化みたいなものを持っていきたいなって思った。別にすごいことじゃなくても、新しいことにチャレンジ(趣味とかでもいい)したとか、めちゃくちゃダイエットしましたとか。
あ、そっか、noteのフォロワーさんが500人いますーなんて報告も良かったかも。「noteって何?」から始まるのかな。
いやいや、noteのことはもう少し皆にはナイショだな‥。


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