見出し画像

取り急ぎ社長が契約書を確認するってなったときに見るべきところ


契約書ってめっちゃ大事。
特にスタートアップのときほど、それが命取りにも命綱になることもあります。

でも、スタートアップで資金が潤沢ではないときにいちいち外部にリーガルチェックをお願いするって現実的ではない…、と考えている方も多いのではないでしょうか。

クライアントが例えば大企業で、契約書の雛型がメールで送られてきて、
『大企業なら理不尽なことは書いてないだろう』とか、
逆に『大企業のテンプレ変更って難しいだろうから言っても無駄かな』
と、大して中身を見ずにそのままOKの返事をしているスタートアップ社長も多いのではないでしょうか。

私は法務専門ではないですが、管理部を管掌していた立場として弁護士事務所と連携してリーガルチェックをしていた経験があります。

そのため、社長がリーガルチェックの矢面に立つ場合に、最低限ココはチェックしようということを共有できればと思います。
※ココだけしか見なくていい、という話ではないです

チェックする重要度が高い条項

報酬

報酬の金額が間違っていないか、税込or税抜どちらか、入金手数料はどうするのか、交通費などの経費範囲はどうなっているのか等は確認しましょう。

排他性・協業避止

ウチと取引するなら同業他社とは契約しないでね、という条項が入る場合があります。それでもいいよって場合は問題ありませんが、基本的にはビジネスを限定してしまう内容のため確認しましょう。
盛り込む場合も、同業他社の範囲については別紙などで具体的会社名を明記してもらうのが良いかと思います。

秘密保持

別途NDA(秘密保持契約書)を締結している場合を除き、この条項があるか確認しましょう。
最近はオンライン会議も多く、資料を直接渡すことも少なくなってます。昔からの雛型を使用している場合、「口頭での内容を秘密事項にするなら後ほど書面で渡してね」って記載も多いです。でもそんなこと非現実的なので、ちゃんと口頭の内容も秘密事項に含んでもらえるように交渉しましょう。

知的財産権

ここも後々議論になることが多くあるポイントです。共同開発したものなのに、権利を先方だけが得られるものになってないでしょうか。
またデザイン関連だと、著作者人格権を行使しないという文言が入っていることがあります。
細かくは説明しませんが、簡単に言うと納品物に手を加えたりしても文句言わないでね、ってことなので、そのあたりも確認ください。

損害賠償

損害賠償が青天井に設定されていることがあります。もちろんそれで請求することもありますが、基本的に契約書ではリスクヘッジをしたいところなので、私は以下のような文言をいれていただくことを必ず依頼します。

損害賠償の範囲は直接かつ通常の損害に限り、逸失利益その他間接損害及び特別損害は含まないものとする。

反社会的勢力の排除

この条項が盛り込まれているかは絶対に確認しましょう。入っていない場合は、必ず盛り込むことを依頼してください。

さいごに(その他手段)

最低限チェックすべきところをお伝えしました。
もちろんその他確認するところもありますが、これだけでもいくつかの地雷は避けられると思います。

リーガルチェックツール

法務関連でも様々なツールが登場しています。リーガルチェックツールも非常に有効だと思います。ただ締結数が少ないうちから月額5万円前後を支払うのはなかなかに勇気がいることだと思います。

商工会・商工会議所やスタートアップ支援施設

また、商工会・商工会議所や、スタートアップを支援してくれる施設(東京だとTOKYO創業ステーションとか)では無料で相談にのってくれたりします。
予約・訪問の手間はかかりますが、不安なときはぜひ活用しましょう!

補助金・助成金と関係ない話になりましたが、同じスタートアップとしてお役に立てれば嬉しいです!