【中小企業診断士のキャリア】診断士からCFO、VC、スタートアップ起業家へ

中小企業診断士は約半分が独立系診断士として活躍しており、私もそのうちの1人です。個人事務所ではなく、公的支援の申請支援クラウドサービスを開発・運営するScalar株式会社という法人を経営しています。

これまで、スタートアップで事業開発を行ったり、上場推進をやったりベンチャーキャピタルをやったりと、多くのことを経験してきました。

中小企業診断士はファイナンスも勉強すれば、セールス、マーケティング、組織運営、法務など幅広い分野を学ぶため、個人的には経営者・経営層になるにあたって必要な知識を一通り兼ね備えてると認識してます。

私だけのN=1の意見にはなりますが、中小企業診断士という資格をベースに可能性を拡げたい方の参考になればと思います。


①中小企業診断士*CFO

2019年に東証マザーズ(現:グロース)に上場推進責任者として上場することができました。肩書としては管理部執行役員でしたが、職務内容としてはいわゆるCFOでした。

必要なスキルとしては、単に管理部の責任者ではなく、経営戦略を財務戦略や事業戦略に落とし込んでいくこと。
財務系の知識だけではなく、マーケティングや組織論を理解し、現場に落とし込んで推進するための導線を引くことが重要です。
中小企業だろうが、スタートアップ・ベンチャーであろうが、このあたりの進め方の本質は同じだと思います。
*上場を目指す/目指さないで時間軸とかステークホルダーは変わってきますが

中小企業診断士では「上場推進」をテーマとした領域はかなり少なく、取締役会や監査役の設置についてといった運用面の部分が多いですが、このあたりは証券会社と毎週のようにミーティングを行い、毎日のように電話をしていれば嫌でも知識は身につきます(笑)

社長と共に会社と東証が目指すべき方向性を合致させ、事業部のメンバーと共に事業の蓋然性を示し、管理部を中心に内部管理体制を整える。

試験対策で網羅的にインプットした中小企業診断士だからこそ、マッチするキャリアだと考えています!

②中小企業診断士*ベンチャーキャピタル

上場後、更にファイナンスのことを勉強したくベンチャーキャピタル(VC)に所属しました。正確にはCVCですが。
VC業界には結構中小企業診断士の方がいます。私の前職だけでも私以外に2名いました。

「総合格闘技」と称されるVCですが、前述したように中小企業診断士の試験科目こそ総合格闘技的に網羅性のあるものであり、診断士はVCの素地があると間違いなく思ってます。

ただし、唯一圧倒的に不足している観点としては「未来のこと」です。診断士試験では過去・現在のことについて学びますが、VCで求められるのはLP(≒ファンドに出資する方)に対してリターンを提供することであり、つまりは事業成長が見込めるか、EXITできるかどうかを見極める能力。
*様々なファンドや形態があるので一概には言えないですが

多くの海外事例や最新の動向をキャッチアップして未来を見通し、投資すべき会社をソーシング(発掘)し、まだまだ先の見えない企業の事業性をステークホルダーに論理的に説明し、出資検討を認めていただくこと。

ココにワクワクする方がいれば、間違いなくマッチすると思うので、是非チャレンジしてみてください!

③中小企業診断士*スタートアップ起業

2020年5月に、兼業という形で起業しました。ちなみに共同創業者も中小企業診断士です!
▼創業経緯はコチラ
https://note.com/mitsushi_sclr/n/nae99093cfcec

起業に関しては、中小企業診断士ではほとんど学ばなかったです。(それか私が忘れてる)

・会社設立ってどこからやればいいんだっけ?
・そもそも初期の運転資金の融資ってどうすればいいの?
・税理士さんってどこに頼めばいいの?freeeとかってやった方がいいの?
・サービスのプラポリや利用規則ってどうつくるの?
・そもそも仲間集めとか社保ってどうするの?

もう全てが分からない状態。
ヒト・モノ・カネが大事ってのは分かるけど、それを1から創っていくってマジで大変すね…。

これまで関わってきた多くの方々の力を借りて、なんとかシードラウンド調達まで歩んできました。

正直、中小企業診断士と事業成功の相関性は分からないですが、あの数百時間の勉強に耐え続けた忍耐力があれば、一定の事業成長を見込むことができると信じています。(最後はメンタル押し)

最後に

色々記載していて思ったことは、
中小企業診断士は今後のキャリアを固定するものではなくあらゆるキャリアの基盤になりえる、ということです。

私は誰にも相談することができずに色んなキャリアに突っ走ってきましたが(単に私が中小企業診断士の知り合いが少ないからなんですが)、もし興味をもっていただいた方がいましたら、中小企業診断士のキャリアについてアレコレお話ししてみたいです。