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無駄な抵抗はやめた

「noteってさあ、何も響かないんだよね」
 と彼女は言った。
「響かない?」
 と僕は彼女に訊ねた。

「何をやっても無駄だって言うこと。
 イベントに参加しても、お題に参加しても、ハッシュタグをつけても、その場限りでぜんぜん伸びないのよ。ただただ麻薬に取り憑かれたように、毎日スキしてスキ返しをもらって、それを続けるしかないの。スキをしないとスキがもらえないの。内容云々って関係ないのよね。イベントとかに参加しなくたって、いいものを書いていれば読んでもらえるし、長く続けていれば見つけてもらえるのよ。だから私は無駄な抵抗はやめたのよ。毎日更新はしない、イベントに参加しない、お題はやらない、リレー小説とかもやらない。私が書きたいものを書く。ただひたすらに書く。それだけなのよ」
 と彼女は力説した。

「なるほどね。そう言えば僕の気持ちも君に響かないよね。毎日メッセージを送っても、デートに誘っても、話題に乗っても、君が好きなものを身に着けても、その場限りでぜんぜん僕に興味を持ってくれない。君からメッセージをもらったことなんか一度もないよ。だから僕は無駄な抵抗はやめるよ。もう、僕から君には連絡しない」
 と僕は答えた。


「やめないで」
 と彼女は言った。


おわり。

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