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屋久島ビジネスリトリート③

2日目午後からは、3日目に予定していたヤクスギランドヘ
3日目がとんでもない雨になるのではないかということで、急遽予定変更。
山をぐんぐんと登っていく途中、ガイドのおお氏の助手席に座らせていただいた私はありがたくも「なぜ幽霊に足がないのか」とか「ジェットフォイルが鯨に突っ込むとどうなるか」というお話を聞いたり、台湾に旅した時の話を聞かせてもらったり、と、面白い展開になっておりましたとさ。
ヤクスギランドは標高1000メートルにあって、初夏であっても肌寒い。
ちょうどパラパラと雨が降ってきたので、早く出発しようとランドに入る。入園料は(入ランド料?)500円也。
最初はデッキのようなものを降りていく。
シンとした気配の中、すべらないように足元を気をつけながら進む。

苔の宝庫ですよー
ふさふさ

標高700メートルぐらいまではシダ類がいっぱいだったり低い背丈の葉っぱたちもたくさんありますが、標高1000メートルになると圧倒的に苔。しかもちょうどいい雨で、苔パラダイス!
あんまりにもいい苔がいっぱいで興奮して全然前に進めない。
聞くと、苔も好き嫌いがあって、石や岩が好きな苔や、樹の中でも酸性の樹が好きとか、いろんなタイプがあるらしい。
その中でも杉は杉油が強烈らしく大体の苔は杉のことは好きじゃないそう。数種類の決まった苔がついているんですよ、と言われる。
へー、っと思ってそれから樹を見ると、苔との関係性をいろいろ考えて面白い。

ねばり強いとはよく言ったもの
くぐり杉をくぐりぬける 
これで7年目ぐらいの杉 杉は大きくなるのに時間がかかるんだなー

杉は、鳥が生まれるより前から存在しているそうで、タネを他の動物に運んでくれるということが考えられなかったんだって。
なので、ものすごい数の種をばらまく。
そして、それはほとんど発芽せずに流されていってしまう。
木が倒れて(または切って)その上に苔がふかふかにあって、そこにたまたまあったタネから発芽して、運よく伸びていくことが出来ると大きく育てるかもしれない。というなんという奇跡を待つようなそんな自然の環境に身を委ねて大きくなっていくということ。

もともとは切り株だったところの上から他の樹などが生えて大きくなっていく

そして、驚いたことに杉は腐らない。
普通の木は微生物によって分解されて腐っていくけど、杉は腐らないんだって。だから、何百年も前に倒れた大木がそのままに苔むしている。

製材して運び出そうとした斧の後が残る 運び忘れたのか?

そう思って見回すと、たくさんの倒木がそのままになっている。何百年もそのままになっているんだなぁ。

千年杉 すっくと美しい

何千年も生きてきてどんなことを考えているんですかねー、と質問すると「もし口が聞けるなら、最近の三十年ぐらいしか分かりませんよと言うと思いますよ」とのこと。
常に外側が生まれ変わっていくから、真ん中の時の記憶はないそうで(だから真ん中空洞でも生きている大きな樹たちがあるんだと思いました)どんな古いと思っている樹でも生きている部分は若いんだ、と言うことを知ってびっくりしたのでした。

そして、樹のレジリエンスはすんごいと言うことを教わる。
よく倒れかかっているのによく倒れずに頑張っているなーと思う樹があるけど、そう言うのは、倒れそうになった時ぐんと力を出す部分があるんだって。
力こぶみたいになっているのは、まさに上腕二頭筋のよう。
樹の種類にもよるけど、当て材のように下から引き揚げたり、上の表面を引っ張る力だったりするそう。

力こぶみたい!グイーと力強いねー

育っていった先端が腐ったり、枯れたりすると、二番手に出てきた幹の部分が環境に合わせて変わっていく

仏陀杉は左側は死んでいるそう 

深い森の方にまでは、雨足が強くなってしまうから踏み込めませんでしたが、ちょうどいい雨加減で葉っぱたちも気持ち良さそうでした。

ここだけで何十種類も苔がいっぱい!
見過ごしちゃいそうに小さなすみれを発見
拡大してみた!屋久島すみれとのこと

何千年も前から生きている杉
ものすごく成長に時間がかかること
小さなミクロの苔の世界
いろんな時間軸と空間軸
静かな森の1日でした

夜は、宮之浦まで戻ってランディさんの定宿の晴耕雨読へ
昔のおばあちゃん家に帰ってきたような懐かしい感覚

ガラガラとドアを開けて入るとすぐ横が台所
みんながそこに集う場所
夜は地元の飲み会&大名竹の子やジンガサと言う貝をBBQ 盛り上がってきたらバンジョーやギターピアノの演奏もあって、久しぶりに生の音の振動が気持ちいいー
食べてみたかったカメの手、屋久島のはものすごい大きい 出汁が出てすごく美味しかった

2日目も濃密でしたねー。
そして、話が尽きることなくて、私の血液のどれぐらいが「三岳」焼酎になっているのだろう、と思う夜でした。

つづく


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