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うそのはなし|ショートショート

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私が書いたショートショートをまとめています。
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記事一覧

サイバーネイル|ショートショート

「あ!キンジョウさん。それって昔のネイルってやつですよね!」 狭い宇宙船の中、突然後ろか…

稲橋 閃
1日前
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僕の星は、兄様のより美しい。#記憶冷凍 |毎週ショートショートnote

またこうしてすこし、微調整する。 兄さま達は、つまらないものを全部壊してまえ、というけれ…

稲橋 閃
2日前
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母の日の記憶が2800コロルじゃ安すぎる。| #記憶冷凍 毎週ショートショートnote

「ハイハイ!母の日の記憶ね!お兄さんのは、感動の涙ものだから2800コロルで買っちゃうよ。」…

稲橋 閃
5日前
10

ハイチュウの粘着力はそれほどでもない。 #放課後ランプ|毎週ショートショート

マミはカナで、カナがマミだった。 あの時の2人は、もうどっちがどっちなのかわからないくら…

稲橋 閃
7日前
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道伍のブチ切れ日記|140文字小説

誰も居ない教室で蹴飛ばした机は、思ったよりも大きな音を立てて、遠くまで飛んでいった。 俺…

稲橋 閃
11日前
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絡のゆるやかな日常|140文字小説

あぁ前からこうだったわけじゃない。 ゆるゆるのスエットで、ふわふわのソファーに座って、丸…

稲橋 閃
12日前
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ミッキリとモッキリの船の旅|ショートショート #140文字

まだだ。ここは旅の途中。ミッキリ波とケンカして、両手両足突っ張った。揺れる船尾に沈み込む。大きな魚はみつからない。ぐぐぐと力を入れ直し。オールはまだまだ大丈夫。船にも穴は開いてない。そのころへさきのモッキリは、美味しい小魚炙ってた。ここらは珍味もとれるらしい。船の旅はゆかいだな。 【あとがき】140文字でお話を書く……。 noteでちょこちょこ見かけていたけれど、140じゃなにも書けないなあ……とかいうのはひとまず置いておいて、まずは挑戦してみました。 今コンテストをやっ

美容系のえみちゃん #トラネキサム酸笑顔|毎週ショートショートnote

「私?私はねえ、えがおがかわいいっていわれるかな♡」 サンはいつも調子にのってる。わたし…

稲橋 閃
2週間前
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タコの中からいるかがでてくる|ショートショート

何のためにあるのか。 いつも意味ばかりを考えてしまう。 自分のやりたいように。だとか、心…

稲橋 閃
3週間前
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朔月 #炭酸刺繡 |詩

いくつもの手ではらった なんどもはらう 声、 うたかたを胸に深く深く なにもない場所で、た…

稲橋 閃
3週間前
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僕が贈る最後の唄 #春ギター|毎週ショートショートnote

僕はもう、涙なんてでないと思っていた。 吉祥寺の駅を降りたら、サーティワンを背中にして横…

稲橋 閃
3週間前
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私の的確な友達のはなし|ショートショート

「ねえ、どう思う?やっぱ上手くいかないや。」 「みき、まぁた同じこと言ってる。みんなさ、…

稲橋 閃
1か月前
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ケナシコルウナルペには鼻しかない #オバケレインコート|毎週ショートショートnote

二風谷の丘にはケナシコルウナルペがでるという。 今までは丘にも一人で遊びに行くことはあっ…

稲橋 閃
1か月前
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春の女神のはじまり|ショートショート #クロサキナオの2024SpringFesta

きゅるん、くくう。ぐるるるるるる。 遠くで鳴き声が聞こえる。 もうそろそろかもしれない。 半年間小さく丸めていた体の細部を観察する。 ああ、手はある。 足も問題がない。 耳は……、耳も動く。 藁の上とはいえ、雪に埋もれた冷たい洞穴で過ごしていたので、手足が少しかじかんでいる。 早くなにかを口にしなければならない。 いつものこの季節なら、あれがみつかるはず。 満月はもうすぐだから。 まだ溶けきらない雪をかきわけながら、すこしづつ這い上がる。 小さな女神エオストレは