面白くないと言われてしまったラニーノーズと芸人の顔ファン

ラニーノーズの顔ファンのnote(以下このブログの筆者をしゅんきさんと呼ぶ)がバズっている。
例のnoteである。
https://note.com/syunki0910/n/n0bbc0a2e4b96
私も芸人の顔ファンだったので、思うことを書きたい。

このnoteを読んで、自分の推しを目の前にしても面白くないと感じられる理性や正常性、顔ファンでありながらもしっかりとラニーノーズにお笑いを求める姿勢に感心した。
念のために書くがこの正常性とはラニーノーズは面白くないと思える正常性ではなく、ラニーノーズが面白くないと判断できるほど理性を保てている状態にあることを指す。
なぜ、正常性に感心したかというと、推しを前にすると何が面白くて何が面白くないのか判断ができなくなるのだ。

誰かのことを「かっこいい」から好きになると、かっこよさ、芸人の場合は面白さも求めてしまう。でも洲崎さんは可愛い。 かわいいだとスベっても可愛い、何をしても可愛い。存在しているだけで可愛い。表情、所作、すべてが可愛くて愛おしい。
例えるなら、おっさんずラブの春たんと武蔵の関係である。武蔵は春たんの所作・表情、全てに愛おしさを感じている。武蔵はわざわざSNSで春たんのダメ出しをしない。顔ファンも同じだと思う。
女性顔ファンの中には、かわいい洲崎さんが見られたら満足する人もいるだろう。私も顔ファン時代、ライブ中に推しが爆笑しているだけで嬉しかったし同期と仲睦しい姿を見るだけで満たされた。

若手芸人のライブなら1000円台でチケットが買えるし、本人がチケットを手売りしていることもある。その一方で芸人の場合は解散、大阪の場合は東京進出の可能性もある。推しが面白くなると東京に移籍し会えなくなってしまうので、現状維持でもいいと心の中で思うファンもいると思う。ライブに出てくれるだけでありがとう、でも売れすぎなくてもいいよ、と私は思っていた.

私が言いたいことは、顔ファンは芸人としてではなく人として推しを見ているのでしゅんきさんほど推しに面白さは求めていない。
芸人側も顔ファンに面白さを審査されてたまるかと思っている、はず。

さて、次にラニーノーズは面白くない問題である。

こういった形でラニーノーズがバズるのは少し悲しいが、
もっと悲しいのはラニーノーズが面白くないと拡散されていることである。

私はラニーノーズのファンではないし、全てのネタを見ていないので異論や批判はあるだろうし、私の書いていることは正しいと言い切れない。

ただ、一人のお笑い好きとして「面白くない」という烙印を押される芸人がいることが不憫で仕方ないのだ。

ラニーノーズ山田さんのnoteを見て、面白くないと思った人に言いたいことは、ラニーノーズは、しゅんきさんのnoteに「誰がおもんないねん!」と返すような分かりやすい笑いをとるコンビではないということだ。
山田さんのnoteが面白くないと思った人は、山田さんがしゅんきさんにめちゃくちゃに反論するか謝るかとかボケるか、そういった記事を期待していたから面白くないと感じたのではないか。
ここで考えてみてほしい。例えば山田さんの顔ファンになったとして、山田さんのnoteが面白くなかったときの絶望・葛藤が想像できるのではないか。
面白くないからと言って面白くないとつぶやくのは良くないと学んだというnoteを見ておきながら、面白くないとつぶやいていることに気が付いていないのか。

最後に私から見たラニーノーズの芸風について書きたい。
芸風で言うと、個性派と正統派の中間だと思う。
個性派か正統派のどちらかのお笑いばかり見ていると、ラニーノーズが面白くないと感じるだろう。

これは私の推測だが、ラニーノーズと他の芸人と違うと思う部分は、根底に「かっこよさ」があることだと思う。

ラニーノーズ、日本語で鼻水だ。
芸人ならコンビ名はそのまま鼻水でよくない?と思うのだが
そこを「ラニーノーズ」にするのが「ラニーノーズ」なのである。

人にどう思われるかを大切にしているコンビで「見下されるお笑い」「媚びるお笑い」はしたくないのだと思う。

それが詰まっているのが山田さんのあのnoteである。
それを見て、ああこれがラニーノーズだと思った。

ラニーノーズの顔を知らない人はラニーノーズの写真を見てほしいが、2人ともシュッとしていてカッコよく、良くも悪くも芸人らしさがないのだ。

ジャケットを着てギターを持って2人で立っていると、ミュージシャンっぽく見える。歌ネタでは、顔芸や動きをつけることなく、歌の上手さと歌詞で笑わせようとする。

見た目ミュージシャン、歌声ミュージシャン、歌詞お笑いだとどうしてもお笑いが負けてしまう。

ギター芸人と言えば、
テツandトモ、波田陽区、犬井ヒロシ、AMEMIYA、SAKURAI、ヤンシー&マリコンヌ、トニーフランク…
どの芸人も衣装や顔芸など、視覚でも笑わせている。
どの芸人もアーティストまでとはいかないちょうどいい歌の上手さとかっこ悪さなのである。
ラニーノーズはギターや歌が上手すぎてアーティストになってしまい、かっこいいので音楽として成立してしまい、お笑いとしての成立が難しくなってしまうのだ。

既存のギター芸人を念頭に置きながら、ラニーノーズの音楽ネタを見ると、面白いと感じにくくなる。

まとまりがなくなってしまったが、歌ネタをメインでするようになり、ラニーノーズは迷走しているように思った。

ラニーノーズの初単独ライブの絵を見せてすぐ暗転の衝撃を私は忘れないし、ラニーノーズを面白くないという人たちを笑わせてほしい。

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