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中世ヨーロッパ 雑語り、10世紀の北欧

 10世紀の北欧は中世ヨーロッパではないよ

       終
     制作・著作
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 閑話休題、10世紀にアラブ人によるルーシ(スラブ圏に移住したスウェーデン系ヴァイキング)に関する記録が残っている。なぜ残っていると言えばアラブ人に毛皮や奴隷を売っていたからだけど。

 イブン・ファドラーン(Aḥmad ibn Faḍlān ibn al-ʿAbbās ibn Rāshid ibn Ḥammād)のヴォルガ・ブルガール旅行記(ロシアでブルガリアじゃない)によれば、

アッラーの想像させられたもの中で、最も不潔な人たちであり、

ヴォルガ・ブルガール旅行記 (東洋文庫 789)

 世界一不潔で糞尿まみれと書いている。食事の時には手を洗わない。風呂にも入らない。

 紀行記の読み方から言うと旅行者からみて珍しい習慣のみ記録される。アラブ人は食事の前に手を洗い、風呂にも入っていたからこう記録される。

 朝には汚い水で顔と髪を洗う習慣があったらしい。

 商人達に売却のための容姿端麗の女奴隷がいる。その一人は、同僚が見ていても、自分の女奴隷と交わり、時には、こうした状態で彼らの一団が互いに向き合って乱交を重ねていることも、また時には一人の商人が彼らの一人から女奴隷を飼うため彼らのもとに入ってくることもがるが、その時、偶然に女奴隷と交わっていたとしても、その当人は自分の思いを遂げるまで、女から離れようとしない。

 国王(ルーシ・カガン)は、玉座の上で家臣の面前で性奴隷とやっていたり、糞尿垂れ流したりしていたとか(この記述は伝聞)。

 旅行記の読み方から言うと、単なる異常性欲者。

 なお、キリスト教が入ってくるまで北欧では火葬も行われていたらしい。貧乏人ですら火葬したらしい。船に遺体を入れて焼くのだそうな。なお人身御供の風習は普通に存在したので、火をくべる前に使用した女奴隷を主人と一緒に燃やしたとか。

 イスラム教は土葬で火葬は珍しいから詳細に記録されている。特にヴァイキングの船葬について記述している文献は珍しいのでココだけ読まれることも(一応ヴォルガ・ブルガリア旅行記なのだけど)逆に船葬しているからルーシがヴァイキングだと特定出来ると。

 彼ら[誰?]の思う中世ヨーロッパはスウェーデンにあった。

 まぁ、さすがに悪意有りすぎじゃ無いかと言うことでイブン・ルスタなどの文献と併用するのが普通らしい。でもスラブ人襲ってビザンツやバグダッドに売り飛ばしていたとか書いてあるけど……。

https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/11659/ronso0760600910.pdf


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