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「ミテモの歩き方」完成インタビュー【前編】

こんにちは、インタビュアーのシムラケイコです。2019年9月某日、mitemo乾さんから「ミテモの歩き方」というバリューみたいなものが完成したので、そのプロセスに関わったmitemoメンバーにインタビューをしてほしい」とお呼びがかかりました。バリュー?これはアレか、お昼のお得なセットメニューみたいなことか?んなわけない。

そういえば、乾さん言い出しっぺで、ミテモの存在意義を探求するプロジェクトが始まっていたのはず。今まで「敢えて定義しない」としてきたミテモのミッション(使命や存在意義)、ビジョン(目指す世界)、バリュー(組織の価値基準)を策定するために大いに紆余曲折しながら、道筋を探していた模様。

およそ8ヶ月の歳月を注いで作り上げたバリュー「ミテモの歩き方」について、その完成までのプロセスをコアメンバーである乾さん、飯田さん、小林さん、宇田川さん、望月さんにインタビューしました。みなさん、ものすごい喋るので、ものすごくロングなインタビューです。予めご了承くださいませ。前編と後編でご紹介してまいります。

「ミテモの歩き方」の紹介と解説はこちらから。
ミテモにおける「ミテモの歩き方」

参考記事:これまでの取り組みについて
1.ミテモのあらたなパーパス探求~序章~
2.ミテモのあらたなパーパス探求~代表澤田の今の気持ち・大きな「空っぽ」~
3.  ミテモのあらたなパーパス探求〜会社の理念について徹底的に対話した顛末~

存在意義の探求からバリューづくりへ転換した約8ヶ月間

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プロセスを時系列でご紹介していきます。2019年1月から8月末の間、当初描いたゴールとは違う場所へ辿り着くことになりました。

ビジョンを言語化する難しさに直面
 ep1. 敢えて定義しなかったミテモの存在意義を言語化しようと言い出した人々
 ep2.ミテモメンバーと丸一日かけて超重量級のワークショップ開催、思いもよらぬ結末へ
ビジョンからバリューへの転換、キーワード抽出プロセス
 ep3. アンケート実施・分析、キーワードを抽出&さらにアンケート
 ep4. 他社のバリューと比較して、ミテモらしさの解像度を上げる
表現力を高めて、バリュー完成へ
 ep5. 対で言葉を並べる構造が決定、言葉ひとつずつのチューニングへ
   ep6. ついに「ミテモの歩き方」完成へ

今回は前編ep.1〜2までご紹介します!

ep1. 敢えて定義しなかったミテモの存在意義を言語化しようと言い出した人々

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乾:今回は最終的に行動指針・バリューのようなものが完成しましたが、当初は広報活動の軸づくりのために、ビジョン・ミッションを定めたいと、社長の澤田さんに話をしました。澤田さんは、敢えて定義しないというスタンスを貫いていて。だからこそ澤田さんの気持ち汲んだカタチでのビジョンを作りたかったんです。策定したビジョンは、広報だけでなく、当然ながら人事や社内に向かうメッセージになる。じゃあ人事担当の飯田さんとも一緒にやりましょうと進展しました。

飯田:澤田さんがビジョンを定めたくない理由は二つあって、ひとつはビジョンを定めてしまうと、それに囚われ過ぎてしまい、メンバーの可能性を制約しかねないという気持ち。もうひとつは、単純に他社と同じことをしたくない、真似したくないという考え。 ミテモの事業のひとつとして理念策定、浸透をサポートしますが、ミテモとしてはそれを策定すること自体の是非をゼロベースで考えたいという思いが澤田さん自身にあったんじゃないかな。

僕は、前者の理由はまだしも、後者の思い込みはどうでもいいと思っています。 ミテモという会社を貫くものってなんだろう・・・と考えた時、軸になるものがないと、会社が存在している意義=「売上や利益の追求」のみになりやすい。我々は営利企業であるし、儲けなきゃという考えも当然あるし、親会社からのプレッシャーも受けている。しかしビジョンがないと社員やスタッフは、自分たちは売上やお金のために仕事をしていると誤解してしまう。 それは避けたいから、軸や指針が必要だし欲しい。言葉に縛られる・可能性が狭まるという考え方もあるけれど、僕自身は社員が答えを探求することが大事だと思っています。スパッと簡単に答えは出ないけど、「それって何だろう?どういうことだろう?」と自ら問いを持ち続けることは、すごく大事なことです。それをちゃんと探求していきたい。実は、2年前から話をしていたんですが、これまでは挫折の繰り返しなんですよ(笑)

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宇田川:2018年12月に全スタッフを対象とした「ミテモで大切にしている価値観を探るワークショップ」を開催しました。このとき最終的にまとまらず、挫折した苦い記憶があります。当時もワークショップ開催にこぎつけるまでも、澤田さんと何度も重ねて話して色々大変でした。

飯田:そんな背景があった中で、澤田さんは、乾さんをはじめメンバーに押し切られる格好で承認したんだと思いますよ。澤田さん自身、すごくやる気があったわけでは無い。「まあ、みんながそんなに言うならいいけど〜」程度だったと思います。その煮え切らない感じが表に出たエピソードがあって。ちょうどメンバーを集めてワークショップ(ep2.で紹介)を開催をする前日に、社内の共有SNSに澤田さんがゴニョゴニョと心のうちを投稿していて。それを見て「いいから黙ってろ」と僕が返信しました(笑)。

宇田川:澤田さんは「ビジョンは作らなくていいと思ってるけど・・」と投稿していて、 それに対する飯田さんの言葉が印象的でした。「 その意見自体はいいけれど、ワークショップが始まる前日に発言することがダメだ」と。澤田さんの意見がNG!と言ってるんじゃなくて、今このタイミングで、参加するメンバーに影響がある形で発言することに対する違和感を伝えていて、その飯田さんの考え方はいいなと思いました。そう言える関係性もいいですね。

ep2.ミテモメンバーと丸一日かけて超重量級のワークショップ開催、思いもよらぬ結末へ

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飯田:今回、ちょっと気合いの入った場を設えました。レゴ®シリアスプレイ®(以下、LSP)*1では、ミテモのパートナーでもあるこども国連環境会議推進協会の井澤さん、ワークショップの模様をグラフィックレコーディング*2するために、グラフィックカタリストの成田さんをお呼びしました。開催日までに綿密な打ち合わせもしたぐらいです。

さらに、以前に全メンバー対象にワークショップして頓挫したという反省のもと、今回はメンバーを絞ってみようと。 それでうまくいったら全員対象で展開しようと考えていたぐらい、慎重に設計しました。

*1: レゴ®ブロックを用いたワークショップ手法。多様性の高いチーム・組織での深い相互理解や、全員で目指したいと思える大いなる挑戦、ビジョンの創造などに効果がある。
▼レゴ®シリアスプレイ®のやり方、効果、 体験者の声まで徹底紹介!
https://www.mitemo.co.jp/column/legoseriousplay01/

*2: ミーティングやワークショップの中での議論を、図式や絵などを使ってリアルタイムで模造紙に記録し、可視化する手法。

乾:人数は10人ぐらい。メンバー構成は、 事業別・年齢層・立場などをバランスよく、偏らないように選出しました。参加するメンバーを選定する会議を経て、選出しました。

宇田川:そして迎えたワークショップ当日。なぜか私は大遅刻!寝坊はするわ、雪の影響で電車は止まるし、道を間違えて、どんどん行く手を阻まれて・・。

飯田:そういう天候的なこともありましたが、ワークショップ自体もとにかく思い通りにはいきませんでした。一人一言チェックインを始めたのですが、それぞれのチェックインがまた長いこと。本当によくみんな喋るんですよ(笑) 

宇田川:喋り終わったあと、みんなが拍手をしていたら、澤田さんが途中で遮って「拍手は評価だ、拍手はいらない」って。その気持ちも分かるけど、だったら最初に言えばいいじゃん、今言ったらみんながシュンとなるよって(笑)

飯田:という感じで全然本題に行けないわけです。11時から始まって、一人当たり4分ぐらい喋って、そしたらお昼でお腹が減ってきて、お菓子をぽりぽり食べ出して。 ともかくですね、終始予定通りにいかないんですよ。ファシリテーターの井澤さんも「こんなによく喋る組織はない」とおっしゃっていました。 百戦錬磨のファシリテーターが青ざめる瞬間を見ましたね。

飯田:僕もLSPファシリテーターなので様々な組織の現場を知っているつもりだったんですが、ちょっと衝撃的でした。LSPでは一人一人が作品を作って発表します。それぞれが作品を説明するのも長いし、それに対してみんなからの質問も絶えない。 一つ一つの問いも興味深いし、どんどんと話が展開してしまう。 だからファシリテーターも止めるに止められない感じなんですよね。

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飯田:群馬から来てくれた内定者の方や、以前のワークショップを企画した方も参加されました。グラフィックレコーディングで模造紙に描かれた対話の過程をじっと見つめて「うーん、ポイントが違う」と言い出したのが小林くんです。

小林:僕が言いたかったのはダメ出しとかそういうのじゃなくて(笑)例えば、○○さんが伝えたかったのはこういうことですと、描かれている言葉と本人の気持ちとのニュアンスが若干違っていることをファシリテーターさんにフィードバックをしてたんですよ!

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飯田:だんだんわかってきたのは、みんな結構バラバラだなということです。

望月:だんだんこのあたりからモヤっと感が出てきたんです。みんな自分の話はできるけど、ミテモの話はしないんですよね。お客さん・クライアントという言葉が出てこなかったし、登場しない。お客様にこんな価値を!っていう話は誰もしなかったし、みんな自分のことばかり話ししていた。

宇田川:だいたい他の企業では、会社の理念や目指すことが出てくるけど、ミテモでは全然出てこない。自分が主語、私を主語として喋っていました。

飯田:(記録した模造紙を見ながら解説しようとすると)あれ・・・このあとの記録紙がなくなっている!この後結構ドラマがあったんだけど!!!

望月:このあと、どこをゴールに進むのか白紙にしちゃったから、グラフィックカタリストの成田さんももう描けなくなったんですよ。だから無いですね。

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飯田:ここまででかなりの時間が経っていて。既にその時点で予定通りに終わらないだろうと見通しはついていました。予定していた次のステップは、これまでに出したみんなの価値観から一部を取り出す「共有モデル」の作業です。参加した10人のこだわりを合体させて、一つの未来を一緒に作り上げようというワークをしました。みんなで、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら考えて。しばらくすると、乾さんがひとこと場に放ったんです。

「 もうこの先は決めなくていいんじゃない?この話、無駄じゃない? 」

望月:場がシーンとなりましたよね(笑)

乾:このワークショップの目的は、コアメンバーでトライアルしてみようってことで、最終的には全メンバーでできるかどうかが分かれば良い。この時点で、こんなにバラバラなんだから無理してまとめたところで「なんか、それって次に繋がるんですかね?」と僕が言い出しました(笑)。

宇田川:去年の年末のワークショップを経験していた方が、 デジャヴになってしまい「あぁ・・またこれか・・(涙)」と。あのときと同じ悲劇が訪れるのかと。「いやいや、ちょっと待って!もうちょっとだけ、繋げてさせてください!」と、あとひと踏ん張りなんとか頑張ろうとしたんです。

飯田:途中からワークショップではなくなり、この話をそのまま続けるか?の討議を1時間くらいかけて行いました。そこでみんな思いの丈を発言して、カオスな感じになりました。で、空中分解した。そのまま終わらせて、よかったのか?よくなかったのか?どう解釈したらいいのかわからない場になりました。

宇田川:一つずつ作っては、置いてみて、あれこれ繋げたりはしたけど、そこに対するメンバーの参加度の差はあった。できたものも納得したというより、個々のモノが際立って全体で繋がった感じには見えないし。当初はビジョン的なアウトプットを目指すとしていたけれど、ビジョンを作るのは難しいね、そもそもビジョンってものは自分たちに作れるんだろうか、と壁に当たって終わった感じでした。終わった後の疲労感はすごかった。

望月:途中から、車座で体育座りだったしね。最後の感想は、めっちゃモヤモヤしてます!を、みんないろんな言葉で述べていました。否定的でもなく、肯定的でもなく、ただそのまま言った感じですね。

飯田:すごい覚えているのは、大学生インターンの方が「すごい楽しかった!」と喜んでくれたこと。さらには、ミテモに入りたいー!なんて言ってくれて、少なくともリクルーティング活動には寄与できた。すっごい経費かかってるけど(笑)
乾さんは、あの発言をしてから、すごいさっぱりした顔してましたよね。「まだ頑張るのー?」って具合でみんなを眺めていて。「共通点はナイってことがわかった、それが価値だ」ぐらいの勢いでしたからね。

乾:僕は「この後どうなっていくのかなー?」と観察していましたよ(笑)。

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後半へ続きます!

「ミテモの歩き方」の紹介と解説はこちらから。
ミテモにおける「ミテモの歩き方」
この記事を書いたひと : シムラケイコ
徳島県出身。上京後クリエイティブディレクターとして都会に生き、現在は逗子に住み、原っぱ大学を運営する、小学生男児をひとり持つ母。変わり種がたくさんなミテモに興味を持ち、「ミテモなひと」コーナーのインタビューと執筆を担当。おとな・子ども関係なく、それぞれがワクワク心躍らせる瞬間に立ち会うのが好き。そんな瞬間をたくさん生み出すためにも、すべてのひとにとって心地よい場をつくりだせないか?と頭と心をめいっぱい使って日々試行錯誤。


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