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「大人の学び」は引き算だ!~「脱学習(unlearn)」のススメ

こんにちは、ミテモ飯田です。
今回は「大人の学び」のキーワードになる「脱学習(unlearn)」についてお伝えします。何かを学ぶと聞くと、新しく知識やスキルを覚えることをイメージされるかと思いますが、実は今まで学んだことを捨てることも重要だというお話です。

大人の学びは「足し算」ではなく「引き算」?

私たちミテモの仕事は、「大人の学び」の場やツールを提供することです。
一般的に「学び」について想起するのは、新たな知識を覚え、スキルや行動様式を身につけるといった「足し算」の思考です。子どもが、新しい漢字や数式を覚えるといった場面が典型的な例です。

しかし「大人の学び」では、「足し算」ではなく「引き算」こそが重要なのです。それはなぜでしょうか?

経験を積んだ大人が、新たな知識やスキルに出会うと、既存の認識のなかに新たな知識を選択的に組み入れていくことになり、新たに学べることが相対的に乏しくなってしまいがちです。さらには、自分の経験による思い込みが邪魔をして、必要な学びを得られないという事態も起こるのです。

「引き算」のキーワード:「脱学習(Unlearn)」とは

さて、そんな「大人の学び」を後押しするキーワードとして、「脱学習(unlearn)」という言葉がよく使われています。これは、学んだことをいったん捨てるという「引き算」の考え方です。

「脱学習(unlearn)」とは、learn(学ぶ)にun(否定)をついたその単語自身からもわかるとおり、自分が身につけてきた価値観や行動様式・思い込みのうち、これからの新たな学びの阻害になる「古くなったもの」をいったん捨て去り、そのうえで新たな学び(再学習)に取り組む、という意味です。つまり、「大人の学び」の前段階には、いったん「unlearn」のプロセスが必要なのです。

「Unlearn」はなぜ難しいのか

とはいえ、この「unlearn」は、それほど容易にできることではありません。
そもそも、自分の価値観や思い込みは「暗黙の前提」として、明確に意識されずに自分の頭のなかに棲みついています。これを「捨て去る」ためには、まず自分自身にしっかり向き合い、自身の「暗黙の前提」にフォーカスを当てて意識化し、最終的にはこれを自分の言葉で説明できるようになる必要があります。

このプロセスがとても難しく、多くの場合、「unlearn」は掛け声倒れに終わりやすいのです。

そんな「unlearn」がややこしくなってしまう状況がある一方、生涯にわたって学び続ける必要がある私たち大人は、どうしたらよいのでしょうか。

「Unlearn」するための解決策

「unlearn」を容易にするために、私がいま着目している解決策があります。
それは、そもそも「unlearn」が必要になるような状況をなるべくつくらない、あるいは、そのような状況に対して意識的になる、ということです。

何かにチャレンジをする経験を例に挙げてみましょう。
チャレンジへの成功・失敗は、(もちろん本人の努力や能力差にもよりますが)同時に運や偶然にも大きく左右されます。たとえば、偶然に助けられてうまくいった経験を「自分の力のおかげ」と過信してしまったり、逆に「失敗は自分に力がないせいだ」と過度に思い込んでしまったりします。

このように、私たちは意識せず、日々の経験にさまざまな「意味づけ」をして、その「意味の積み重ね」から、価値観や行動様式を無意識につくっています。もし、その意味の汲み取り方が適切でなければ、それを脱するためには、多大な労力が必要になってしまうのです。

無意識のうちに、偏った形で学習・刷り込みが行われてしまうことの弊害は、上述したとおりです。「私たちは、偏った形で学んでしまうことがある」と意識すること、私たち大人が「日頃の学び方」を見直すことに、「unlearn」を容易にするヒントが隠れているのかもしれません。

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