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超えるべき壁なのか?それとも目標?ライバル?憧れ? Vol.69

代表取締役をしている兄。分かりやすく言い換えると社長だ。(大きな会社ではないけど)そのうえ社会貢献活動も行っていて、海外への寄付活動やコロナ禍で感染防止対策の物資の寄付もしていた。
さらには保護司までやっている…

それに引きかえ私は…わたしは…ワタシハ……

「北斗の拳」というマンガがある。かつて週刊少年ジャンプで連載されていた。ジャンプ 黄金期を支えた作品の一つ。
舞台は199X年(20世紀末)世界的な核戦争後暴力が全てを支配する世界。
主人公は「ケンシロウ」。一子相伝の暗殺拳・北斗神拳の正統伝承者。

ケンシロウには兄がいる。ジャギ、トキ、ラオウの3人。悪逆の限りを尽くすジャギ。不治の病に冒されているトキ。長兄のラオウは世紀末覇王として乱世に天を掴むという野望を抱く。

数多くのドラマを紡ぎケンシロウとラオウは激突する。壮絶な戦いを繰り広げる。物語前半のクライマックスであり本作品のピーク。

ケンシロウにとって、兄ラオウは乗り越えなければならない存在だった。

「タッチ」という野球マンガある。週刊少年サンデーで連載されていた。
高校野球を軸にしたラブコメディ。双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染の浅倉南の3人。そう、三角関係。読んでいてものすごくもどかしい。ヤキモキしつつ物語はゆっくりとすすんでいく…のだが…

和也は早々にリタイアする。しかし、物語を通してずっと達也を苦しめる。直接対決できないライバルの重圧はずっとずっと達也にのしかかる。時間とともに記憶は書き換えられる。きれいな記憶はより美化され、力のあるものはより強いものへと書き換えられる。見えない敵(ライバル)との戦いは辛い。勝負の決まらない戦いはやるせない。

達也にとって、弟の和也は乗り越えなければならない壁だった。

「グラップラー刃牙」というマンガがある。週刊少年チャンピオンに連載されていた。
主人公である高校生「範馬刃牙」彼は地下闘技場のチャンピオンとして君臨する。彼には兄がいた。その名も「ジャック・ハンマー」
彼は「1日に30時間の鍛錬」と語るほどの常識はずれのトレーニングを重ねる。
この2人が最大トーナメント決勝で激突する。
壮絶な戦いが…
… … …
…すみません。もうやめます。

人生の悩みの大半は「お金」「健康」「人間関係」。特に人間関係は遠い昔から物語や現実の世界でも、無数のお話があるように話題に事欠かない。

愛する人、恋人、家族、より身近になればなるほど深刻化する。友達と縁を切るのは簡単かもしれないが、家族となると法律なんかも絡んできてずっとつきまとう。
相続問題なんてまさにそう。『争続』なんて言われるぐらい。相続問題だけでもどれだけのドラマが繰りひろげられたことか?

「北斗の拳」「タッチ」「グラップラー刃牙」いずれも兄弟は乗り越えるべき壁として描かれている。

物語の世界で兄弟はライバルとしてのみの存在か?

「こち亀」の主人公である「両津勘吉(両さん)」には弟「金次郎」がいる。兄弟の性格は正反対。自由と堅物。ライバルではない。
両さんのキャラを立たせるための弟。

「ちびまる子ちゃん」のさくら姉妹。「サザエさん」のサザエ、カツオ、ワカメ。「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんとひまわり。
時に敵対し、時に協力する。

私は兄弟ゲンカというものをした記憶がない。 一方的にやられた記憶だけだ。
高校生になり私がボクシングを始めたことで、もう力では勝てないと兄は言った。

その十数年後に兄が極真空手を始めた。
兄は何を目指すのか…?

私にとって兄は超えないといけない壁ではないのだが、さらに、さらに、壁は高くなった。

情にもろい兄。愛犬が死んだ時にはショックで仕事を休み1日中酒をのんでいた。
親分肌。コミュ力の塊。短気。
私とは正反対。対極。表裏。陰と陽。

嫌いにはなれない。
そりゃそうだ、たったひとりの兄だから。


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