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誰でもピアノソナタが書けちゃいます《その4》【和音(コード)をつなげてみよう編-2】

ちょっちだけ日記Vol.72

はじめは3回ぐらいで記事を書こうと思いましたがちょっと体力と気分の状態が低迷期に入ってきたので長い記事が書けず話を少しずつに分けます。
ぼちぼち行きましょうね。
(記事の枝番も変えてマガジンにしました)

表題に「ピアノ・ソナタ」とは書いていますが要は初心者向けの作曲へのアプローチです。とくに少し音楽をやっていても「本格的に理論は勉強してない」と言う方にはご参考になるかも知れません。
逆にみっちりピアノを基礎からやってらっしゃるような方には既に実践で体得しておられることなのであらためて説明されても「もう判ってるよ」と言う話です。
今回のシリーズではリズムやスケールなど頭のこんがらがる話はあまりしません。単純に「音の組み立て」として和音の構造や進行について私の知っていることを解説していきます。
その結果みなさんが手元にある楽器や私がやっているような「MIDI」(PCで譜面を書いて音楽を鳴らす)で作曲まで一歩踏み込んでいただけたらありがたいと思っています。
MIDIソフトについては最後に「MuseScore」を紹介しています。



今までの復習

《その1》では和音の種類を7つ紹介しました。それと音階の音名も。
これが判っていればひとまず白鍵の範囲であればどんなメロディにも和音(コード)を付けることが出来ます。(これほんま)

さらにその補足編《その2》

音名の追加の説明
メジャーコードとマイナーコードの構造
「7」で知っておくこと

を解説しています。ソングブックのコードを読み解くのにも使って頂けると思います。「なにこれ!」と思っていたものから少し構造を知って頂くことで音楽への興味が深くなっていただければと思っています。
とくにギターを弾く方にはコードを「押さえ方のカタチ」で見ていたものから「ほんでこの押さえ方なんや!」と思って頂けるだけでも十分です。

そして《その3》では
「音符の気持ちになって考えよう」ということで

共通和音のお話(できるだけ同じ音は続けよう)
動くとしても全音かできれば半音が望ましい
ドミナントに辿りつければ曲は出来上がる

ということをお話ししました。


今回はまずは

《その3》の補足

からです。

ルート(ベース)の動き

ピアノの左手やベース、コーラスのバスなどルート(和音の一番低い音)の動きは今までに説明してきた和音の構成音の動きとは少し異なります。
(あくまでも単純化した話しです。)
これらは1の音(ルート)と5番目の音(ドから見たらソ)の間の動き
(4度上がるあるいは5度下がる)
は容易です。ピアノの左手を「ドーソード」と分散したりベースやバスが「ドーソードーソ」
音を刻むのはよく多用されます。

🎵 ▶こちらから聴けます▶ 🎵

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カントリーやフォークなどでは「いちごベース」と言ってこれだけ弾ければもう立派なベーシストなのです。
ここからの話にちょっと関係して来るので先に説明しておきました。
(ふううう、これでも今回も長くなりそうwww)

(さらに補足)
ルートは4度や5度で動いたりメロディも大きく動いたりしますが「中間の構成音はあまり動かさない」というのは結構ポイントです。
理論上も4度、5度、それに8度(オクターブ)の併行移動は禁則として扱われます。実際に音を積んでみると薄っぺらいハーモニーになり易いです。(例外的に効果的な場合はもちろんありますが)
大きく動く音としっかり響きをキープする音を組み合わせることが作曲や編曲ではかなり大事なことなのです。


「2つ目のコード」についての補足

前回「C-F-G7-C」「C-Am7-G7-C」「C-Dm7-G7-C」という3つの進行を例にあげて本文中では「二番目はどれも使えますね。」と説明しました。

それは間違ってないのですが「どう違うか?」と言う補足をしておきます。
これは3通りそれぞれ短くまとめてますが実は3番目以降の和音の展開が変わってくるのです。そのあたりは今日の本編で書きたいと思います。


では今日の本編

和音(コード)をつなげてみよう-2

(2)型にはめてみよう

1.前回の型の復習「Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」「Ⅰ-VI-Ⅴ-Ⅰ」「Ⅰ-Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ」

音名の説明はもうしましたね。ローマ数字の表記にもついてきてください。
(「Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」とは「C-F-G7-C」(1-4-5-1)の進行のことです。
和音の進行にはある程度定番のパターンがあります。
まずは前回(例)にあげたこの3つがそうです。

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ひとつ目が「Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」、二つ目は「Ⅰ-VI-Ⅴ-Ⅰ」、3つ目が「Ⅰ-Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ」です。
前回も書きましたがこういったパターンを繰り返したり少し和音を変えたものを組み込みながら作曲は進めていくと簡単に出来ます。
構成音の話では「音はあまり動きたくない」とお話しましたが和音の進行としてはさきほどルートの話で書いたように「4つ上がる」「5つ下がる」と言う進行は進みやすいのです。
ドミソードファラ(C-F)、シレソードミソ(G7-C)がそうですよね。
一方で構成音の進行と同じように一つとなりのコードへも動きやすいのです。ドファラーシレソ(F-G7)がこれです。
そう考えた時(例)の2番目のラドミ(Am7)からは次に容易にDm7に進むことが出来ます。
FやDm7からはEm7やG7などさらにいろいろな発展が考えられます。
あとは構成音が似ているコードもつなぎやすいと覚えてください。
これらをふまえて長く繋げるとしたら
一例として「C-Fmaj9-Em7-G7-Am7-Dm7-G7-C」が考えられそうですね。
Em7とG7もミソシレとソシレファ(動きがミからファの半音だけ)なので繋ぎやすいです。
ちょっとやってみました。
構成音の進行も今まで説明した点を注意して書いています。

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2.ドミソ(C)以外から入ってみる


一方でドミソ以外から入るパターンもあります。
サビや導入部的な入り方はこの方が型としては多いかも知れません。
ここでは手っ取り早くドミナントやトニックに繋がる例を紹介します。
コード進行のパターンは実際には無数に存在するので、もしもいろいろ知りたければ「コード進行」でググればいろんなサイトが紹介してくれています。

ここは皆さんご存知の曲で紹介しましょうね。
(ぼちぼち私も自分で例を考えるのが尽きてきましたw)


・「Ⅱ-Ⅴ」(Dm-G7)

(例)「🎵 枯葉」

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2小節までの最初のコード4つで「枯葉進行」と呼ばれるパターンです。
メロディは一音ずつスライドして下がっていきます。こういうのも 美しいメロディの作り方 として参考にしてください。
コードも Ⅱ-Ⅴ、Ⅰ-Ⅳと「5度進行」が2つセット で一音ずつ下がっていきます。
とうとう3小節目からBm7(♭5)が出てきましたね、それに#がつくE7というコードも出てきました。
今は3小節目以降は考えないで結構です。
覚えるとしたら「Am7の前には、あるいはセットでE7が使われることがある」というぐらいです。短調の曲では使われることが多いのです。

今回は判りやすくするために和音の構成音は全て入れていますが音の重なりの状況によっては省く音も必要になってきます。
(前にも書いたように難しい話になるので今は割愛します。)


・「Ⅳ-Ⅴ」

(例)「🎵 Ride On Time」

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「Fmaj7-G7」の繰り返しで始まります。こういった同じ進行の繰り返しから始めるのも次へのイメージが湧きやすいかも知れませんね。


・「Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ」

「Ride On Time」のパターンからそのままⅠに繋がればこの曲になります。

(例)「🎵 Departures」
(Ⅳ-Ⅴ-ⅠまたはⅥ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰは「小室進行」と呼ばれます。)

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今回はルート音も入れてみました。
これが使えれば誰もが「小室哲哉っぽい曲が書ける」ということです。
伴奏をこのようにするといかにもです。

🎵 ▶こちらから聴けます▶ 🎵


とりあえず3つの例を紹介しましたがはっきりいいます。
好きな曲のコード進行はどんどん真似てみましょう。
アマチュアバンドがプロのアレンジをコピーして上達していくように
編曲や作曲もプロの真似をして「引き出し」が増えるのです。

これは後から考えれば「似てしまっていた」のですが
私が白熊ぽんで書いた「Joy To The Polaris Night」のAメロ部分の冒頭の進行は アマゾンズ さんの「嘘泣きでCHEEK!」の進行でした。
(曲調は全く違うと思っています???)
もちろんパクったのではありません。
進行の「流れ」として頭に残っていたのだと思いますがそれも含めて「引き出し」なのです。
使える引き出し(進行のパターン)を増やすことで作曲や編曲の広がりが出来ます。この曲のコード進行やMIDIファイル(譜面データ)はこちらに置いています。

余談ですが私が今までに参考にしてきた教本のなかに 林哲司氏の「ポップス作曲法」というのがあります。
ご自身が書かれた曲を中心にいろんな曲を例としてアレンジの手法を解説されています。
(なので仲間内では「パクリ入門講座」と呼んでいましたw)

でもどんどんプロの手法を真似て「自分が使える技」を多く持つことは悪いことではありません。
いろんな曲を聴いたり譜面を手にしてみて「引き出し」を増やしていきましょう。
コード進行だけならばWebにも無料で見れるものがたくさんあります。

そういう私も楽器屋さんへ行くといろんなソングブック(とくにJazz)を立ち読みしながら
展示品のピアノで弾けないながらも響きだけは鳴らしてみたりしています。

次回予告

・いわゆる「カノン進行」

・ドミナントを後ろからつなげてみる

・「sus4」、「Ⅱm7onⅤ」を使ってみる

辺りについてお話しできたらいいなと思っています。


ピアノやキーボードを持ってない、楽器なんか手元にない!という方。
そういう方のために「MIDI」ってツールがあります。
(私のように楽器が全くできなくても譜面は書けるのです。)
一行の五線譜ごとに音色を設定して音符を置いて行って音を鳴らすことが出来ます。
今回リズムのことは説明しませんが音を鳴らすだけでも楽しいですよ。
私が使っているソフトはシェアウェアなのでこちらを紹介しておきます。

MuseScoreの場合は自動的に装飾音が入ったり使いにくい面もあります。
私が使っているScoreEditorProと言うソフトはその辺りがシンプルなMIDIのもともとの音色で譜面を書くこと自体も使いやすいとは思うのですが(好みの問題なのでどれがいいとは言えません)
他の音声加工ソフトと統合されたりサポートがなくなっていたりでお勧めできる状況にありません。もう少し調べてからそちらのソフトについては報告させていただきます。


ではまた。

みなさんにいいことがありますように。

#作曲して欲しい


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