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誰でもピアノソナタが書けちゃいます《その8》【ソナタ形式について】

ちょっちだけ日記Vol.79 ピアノソナタ完成報告も兼ねて
実は「ぽんロス」@みすてぃ です。

「ピアノソナタが書けちゃいます」といいながら「ソナタ形式」には触れていませんでしたね。
それと私のピアノソナタが完成したので基本的な形式を踏まえた上で
「私がどうしたか?」もお話ししたいと思います。



【ソナタ形式について】


ソナタ形式とは曲の構成の一つでピアノソナタはもちろん
交響楽や弦楽四重奏など古典的な音楽に用いられる形式です。

簡単に言うと次のようになります。
きっちりこの形式通りの曲ばかりではありません。
どちらかというと踏襲しているというだけでなかなか型にはまるものではありません。

(序奏)

イントロのようなものです。
なくてもいいし長くても短くてもいいです。
曲の本編と関係あろうがなかろうが自由です。
なんとなく雰囲気を身構えるようなものでもいいのです。

1.提示部・第1テーマ(第1主題)

ポップスで言う「Aメロ」でしょうか?
まずは一つ目のひとくくりの旋律を提示する部分です。

2.提示部・第2テーマ(第2主題)

簡単に言うとこれも「Bメロ」もしくは「A'メロ」です。
この第1テーマと第2テーマは「4.再現部」で両方を再提示しながらエンディングを迎えます。
片方は激しく片方は緩やかとか、「調」を変えるとか言いますが
あまり離れすぎても曲全体としての一貫性が弱くなります。
細かいことを気にすればキリがありません。
とりあえず「ソナタ」を名乗るからには二つの主題(ひとかたまりのフレーズ)が必要ということです。

3.展開部

起承転結で言うところの「転」です。
ポップスで言うと「Cメロ」か「サビ」ですが、少し違うのは曲の流れや雰囲気を変えるフレーズにしたいということです。
提示部で見せた旋律をリズムを変えたり転調させたりして作ってあることも多いですね。

4.再現部

ここからはエンディングセクションだと思ってください。
第1テーマ、第2テーマを再現したり組み合わせたりしながら最後の結尾部へつなぎます。

(結尾部)

最後の本当のエンディングです。
音楽記号で言うコーダを使ったりして「じゃーん」とか「ぽろろろーん」とかの部分ですがその前にもう一度主張したい主題をリフレインするのもアリですね。
曲の中にはこの部分もエピローグ的にひとくくりのフレーズになっているのも多いです。

簡単に言うとこんな感じですが
要は「起承転結」にちゃんと組み立てるということです。
「再現部」の作りは難しいかも判りませんが二つのテーマを繰り返すだけでもいいと思います。


てなことを書いてもイメージできませんよね。
ということで
今回私もピアノソナタを書いてみたのでその曲に合わせて私がどう作曲したかを説明しますね。

【私がどう作曲したか?】

曲はのちほどのYouTubeリンクで。

その場所その場所のフレーズをどうしたか?コード進行がどうなっているのか?などはまた別の機会があれば説明します。
今回は構成について説明したいと思います。
上で書いた「~~部」は私は「セクション」と呼んでいます。

Aセクション 序奏と第1テーマ
Bセクション 第2テーマ
Cセクション 展開部
Dセクション 再現部と結尾部

です。

完成作品はこちら。

一応「この順に仕上げていってこうなりました。」を並べてみました。
(プレバトの消しゴムハンコかーい!それに誰が興味あんねん!)

譜面はこちら(pdfファイル)に置いています。
https://sus-t.jpn.org/classics/Sonata1011.pdf


🔺
第2テーマと展開部(修正前)

🔺
第2テーマのみ


書いたのは第2テーマから

まず最初に書きあがったのはBセクションの第2テーマ16小節でした。
全編通して一番メロディックに仕上がっています。
当然ながらコンセプトの面でも一番反映されていると思います。
サブタイトルの「Make The Movie」もこの部分から来ています。
第1テーマ(Aセクション)はこれを活かすための広い意味での「序奏」と考えました。
さらには曲全体がこの部分を軸に映画の「OverTure(序曲)」のようにしたつもりです。
どのような映画を連想されるかは聞いていただいた方にお任せします。

このように私は第2テーマを主軸にしましたが(40秒以降)
映画音楽では序奏部が長く本題があとから出てくる曲が結構あります。
ターミネーターのテーマや坂本龍一先生の Merry X'mas Mr.Lawrence(戦場のメリークリスマス)などがその例かも知れません。

小節の振り分け

小節数ですがA、B、Cセクションはそれぞれ16小節ずつで書いています。
ひとフレーズ4小節、別のフレーズで4小節の計8小節、
さらに変化をつけた繰り返しと次へのつなぎであと8小節をつくって16小節にしています。
曲の始まりは第1テーマの冒頭4小節を繰り返して「序奏」にしていますが「んタタタ」と弱起を入れたので
結果Aセクションは5+16で21小節です。

展開部

2番目に出来上がったのが展開部(Cセクション)16小節でした。
まだこの段階で第1テーマのプランが完全にはイメージできなかったので
エンディング(Dセクション)を書きながら第1テーマを同時進行させることにしました。

演奏も作曲も前から頑張らなくていいのです。
途中からでもいいので手を着けていくことです。
その先に全体像があると思います。

シャープやフラットをつけた音の変化も随所に入れています。
(ピアノソナタらしくするためでもありますが)
小節単位で見ると部分的に「転調している」箇所もあります。
でも最終的には攻めすぎるのではなく「聞きやすさ」の方を選択したつもりです。
再現部でも特に変化は付けずにつなぎ部分の変更のみにとどめました。

第1テーマと再現部は同時進行

で書きました。
最初にお話ししたようにこの曲のメインの主題は第2テーマなので再現部での第1テーマの部分は「序奏」的役割になっています。
再現部としてまずは第1、第2それぞれ8小節ずつ計16小節
結尾部として第1から4小節と第2から4小節、そのあとやはり第2テーマを8小節をリフレインしたあと「じゃん!じゃん!じゃん!」とソナタらしいエンディングにしてみました。

一覧するとこのような形です。

Aセクション
序奏5小節+第1テーマ16小節
Bセクション
第2テーマ(メインの主題)16小節
Cセクション
展開部16小節
Dセクション
再現部(第1、第2)16小節
結尾部 第1前半と第2後半の合せ8小節+第2テーマ8小節
    エンディング(休符含め4小節)
計88小節

とにもかくにもピアノソナタが書けて良かったです。
聞いていただけて感想などお聞かせいただけたらありがたいです。
技術的にはこれまでこのシリーズで説明してきたことを中心に使ってますが
それ以外のことも今後解説できればと思います。

またご質問や間違いのご指摘等あればコメント欄へどうぞ。


ではまた。

みなさんにいいことがありますように。

本当に「ぽんロス」なのよ。(笑)

#作曲して欲しい


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