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【巨人ファンが語る】東京ドーム・築地移転はアリかナシか?

はじめに

皆さまいかがお過ごしでしょうか。このブログの管理人をしております、美園(みその)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、最近噂されている「東京ドームの築地移転」について話していきたいと思います。知識・学歴なしですがどうぞお付き合いください。ちなみに私はアリだと思っています。なぜ移転説が出ているのか・東京ドームの歴史・交通アクセスの変化なども踏まえて話していきたいと思います。

1.東京ドーム移転説とは?

まずは、なぜ東京ドームの築地移転説が出ているのかについてお話していきます。東京ドームは、読売ジャイアンツ(=以下、巨人)が本拠地としていた後楽園球場が老朽化したため、1987年に日本初のドーム球場として開業しました。

開業直前の東京ドーム。まだ芝も引かれておらず、ビジョンも建設中(動画より)

そんな東京ドームでは野球だけでなく、コンサート等も開くことができるようになっています。その東京ドームは2020年の11月、三井不動産がBPOで東京ドームを買収し、完全子会社化。そして2021年末から2022年にかけて、約100億円をかけて大規模なリニューアルを行いました。バックスクリーン上のビジョンの巨大化、支払いの完全キャッシュレス化、新型コロナウイルス対策での送風機の設置、コンコースの改良などを行いました。

コンコースは黒基調としたデザインに変更。新たに設置されたデジタルビジョンはフォトスポットにもなる(筆者撮影)

しかし、それでも建築から30年以上が経過し、老朽化には勝てていません。2000年代に開業した野球場である楽天生命パーク、マツダZOOM-ZOOMスタジアム、エスコンフィールド北海道に比べるとどうしても施設・環境面では劣ってしまいます。そんな巨人・三井不動産・東京ドームが見据える移転先は築地市場の跡地です。かつては日本の鮮魚のターミナル駅であった築地市場。

築地市場跡地は、現在は解体されてまっさらな状態だ。巨人と三井不動産はここに新球場の建設を狙う(Google)

そんな築地市場は画像のとおり、現在都有地であるためまっさらの状態となっております。しかし東京都はこの都有地を70年貸し付けることを決定し、その公募事業者を今年8月31日に締め切りました。この広大な用地に、野球場を建てることは十分可能とにらみ、巨人と三井不動産は新・東京ドームを建設しようと計画しているわけですね。

2.近隣は地下鉄のみとやや不安なアクセス面

どれだけいい施設を作ったとはいえ、アクセスが悪であったらもう意味がありません。もし仮に築地市場跡地に移転した場合の交通アクセスを考えましょう。東京の山手線より内側をぐるりと回り光が丘を結ぶ都営地下鉄大江戸線・築地市場駅から徒歩1分かかるかどうか。中目黒と北千住・埼玉県内を結ぶ東京メトロ日比谷線・築地駅から徒歩7分となります。

築地周辺を走る2路線。大江戸線(左)は8両、日比谷線(右)は7両とやや輸送面で不安を抱える(wikipedia)

勘のいい方なら「あれ?」となるかもしれません。そうです。JR線との接続がありません。築地市場跡地から最寄りのJR線の駅と言えば新橋駅です。JR山手線・京浜東北線、東海道線が接続し、東京メトロ銀座線、羽田・成田両空港まで1本で行ける都営浅草線も乗り入れている便利な駅です。しかし、徒歩14分ほど。東京都内で生活する人にとっては遠いですよね。現在の東京ドームの最寄り駅は水道橋駅、後楽園駅、春日駅です。水道橋駅にはJR中央線各駅停車、都営三田線が乗り入れ、東京・大手町・新宿からの客を担います。後楽園駅には東京メトロ丸の内線・南北線が乗り入れ、主に池袋と南北の客を誘導します。春日駅には都営三田線・都営大江戸線が乗り入れ、都内各所の客を誘導する…ということで上手く混雑緩和・アクセス面では最高の立地であるわけなのです。さらに、東京メトロ日比谷線・築地駅はホームがそこまで広くないという課題を持ちます。また、両路線ともに中央線各駅停車の最大10両に比べると日比谷線は7両、大江戸線は8両とやや輸送力に欠けることが不安です。それでもなぜ、東京ドームは水道橋から築地へ移転するのか。それは、新たに海外の客を取り込むことや、新・巨人ブランドの構築をする狙いがあるのではないかと私は考えました。2020年に発生した新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要は急落していましたがここにきて一気に回復しました。ということで、羽田空港第3ターミナルから水道橋と築地市場の経路について比べてみます。

海外から多くの人が訪れる羽田空港第3ターミナル(Google)

羽田空港第3ターミナルから水道橋には40分弱・乗り換え1回(JR線経由は2回)、羽田空港第3ターミナルから築地市場には29分・乗り換え1回という結果でした。そう言った意味では、多少とはいえ有利といえますね。運賃は変わりませんでした。なぜここで急にインバウンド需要の話を入れたのかというと、巨人ブランドの変化に関わってくるためです。

3.「巨人ブランドの変化」にみる東京ドーム移転

巨人といえば、「伝統」「GIANTS PRIDE」という重い言葉がある球団です。背番号1つとっても、NPB12球団の中で一番重いでしょう。日本人で一番ホームランを打った王貞治の「1」、ミスターこと長嶋茂雄の「3」などが永久欠番です。そんな「巨人ブランド」が近年、変化しつつあるのはご存じですか?
2023年、巨人はユニフォームの契約をNIKEと、キャップの契約をNEW ERAと結びました。これは極めて異例なことで、日本の野球チームは基本、日本の企業のユニフォームを着用しているためです。しかし巨人はあえて海外ブランドに乗り出しました。そして球団創設90周年となる2024年、巨人は海外での活動を盛んにしていきます。女子チームのニカラグア派遣と交流、台湾での親善試合も設定されました。そして、ユニフォームにも一部変化。とくにビジター用は「YG」のロゴの帽子が撤廃され、「TG」の組み合わせになりました。私はここに大きな衝撃を受けました。「YG」とは「Yomiuri Giants」を意味します。「TG」は「Tokyo Giants」を意味します。このキャップ・ユニフォーム等のデザインを手がけたのはあの超有名海外ブランドである「ティファニー」です。これが表すのは今までの「読売巨人軍」というブランドからの脱却ではないでしょうか。「読売」ではなく「巨人」として、「Yomuiri Giants」から「Tokyo Giants」へ。という意味が込められたように思います。

11月のファンフェスタで発表された巨人の新ユニフォーム。ビジター用(灰色)の帽子はロゴが「TG」に変更された(日テレyoutube)

そういった意味では、新たな客層の獲得———インバウンド需要を獲得する狙いがあるのではないかと考えます。そういった「新たな巨人ブランドの創成」のために、羽田空港から近い築地への移転を促進しているのではと考えました。

4.もし東京ドームが水道橋から去ったら?「水道橋のその後」を考える

もし仮に東京ドームが移転したら、水道橋はどうなるのでしょうか。最も有力なのは、高層マンションなどを中心とした住居区域にすることだと考えられます。水道橋・後楽園は都心へのアクセス面においては最高です。新宿・東京大手町・池袋方面に電車一本で出ることができます。このアクセスの良さを捨ててしまうのはもったいないでしょう。これは私の予想ですが、東京ドーム移転後は東京ドームシティごと一気に解体し、完全に再開発していくものだと思われます。住居施設を中心に、映画館などの室内系娯楽施設を付随させていく…というのが計画なのではないでしょうか。それが頭にあったからこそ、三井不動産は東京ドームごと買い取ったのではないかと私は考えています。

5.新球場やこれからの巨人に求めること

新球場を、ただの「球場」で済ませないで欲しいのです。新・東京ドームのボールパーク化は必須だと私は考えます。楽天生命パークやエスコンフィールド北海道は、球場に来た野球ファンだけでない人を楽しませる仕組みがたくさんあります。今の東京ドームシティでも娯楽施設には十分ですが、それを超えるものを私はどうしても期待していまうのです。築地と言えば市場です。日本の食文化についての施設を付近に建設するのも良いと私は考えました。こういった施設も大事です。そして何よりも、主役はグラウンドでプレーする選手です。選手の負担がかからないようなグラウンド・天井の作りやベストなプレーのできる芝、高機能なサウナや最新設備が詰まったトレーニングルームやブルペンなども兼ね備えていただければ、多くの選手が素晴らしい環境でファンを虜にするようなプレーがきっとできると私は信じています。そのような環境作りを、これからの巨人には求めています。

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