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名古屋大学模擬国連NUMUNへ!そもそも模擬国連とは。

2024年4月27日・28日に名古屋大学で開催されている模擬国連に来ました。
一人ひとりがとある国の代表となって、国際的な社会問題について模擬国連の中で意見を主張し、議論協議を経て決議案にまとめていくというもの。



▶︎模擬国連(Model United Nations)とは?

模擬国連とは、参加学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議を模擬する活動です。各大使は、会議準備として担当国や議題についてリサーチを行い政策を立案します。会議では自国の政策をもとにそれぞれの国益を考慮しながらも、国際社会としての問題解決に貢献するために、演説や交渉を行います。 1923年にハーバード大学で行われた「模擬国際連盟」が発端。

ユネスコ・アジア文化センターhttp://jcgc.accu.or.jp/aboutmun.html 
https://mandoulides.edu.gr/en/2019/01/30/14-students-at-66th-harvard-model-united-nations/
ハーバード大学の模擬国連の様子

▶︎模擬国連の流れは?


名古屋大学模擬国連の様子(英語レベルごとに分かれています)

●自分の担当の国が決まる。国のDeligate(代表)と呼ばれます
自分の出身国ではなくランダムに決まることが多い。
●各国の発言を聞き、他の国の主張を知る自分の国の主張も行う
●各国の主張の対立点や共通点を整理し、意見をまとめていく
一緒に協力できそうな国と政策の調整を行い、対立している国と議論する
●立場の近い国と会議の成果文書である「決議」の草案(決議案)を作る
立場の対立する国とも意見を調整し、 決議案を修正する
●最後に決議案を投票にかけ、決議を採択する

http://jcgc.accu.or.jp/manual.pdf

議論?決議?と難しく感じる方もいるかもしれませんが、
①主張理解/整理
②協調/交渉
③決議採択
の順番で、
要するに参加者は「とある国の人」になりきって、「リサーチ」して、「主張」して、賛成したり反対したり「意見交換」して「最後は頑張ってみんなでまとめる」会です。


▶︎名古屋大学模擬国蓮NUMUNとは


名古屋大学模擬国連2023の様子


名古屋大学の模擬国連にオブザーブさせていただくのは2年目で、毎年たくさんの学生たちが議論しています。
名古屋大学の学生もいますが、名古屋の高校生〜東京に留学している大学院生までたくさんの参加者がいます。
私は中レベルのクラスに参加しましたが、留学生が8:日本人学生が2のバランスでしょうか。2024年からは日本語セッションが追加され、いきなり英語で議論は難しい!という方はこちらに参加するのがおすすめです。

二日間行われ、このようなスケジュールです。

各レベルのセッションに分かれ、休憩を挟みながら進みます

▶︎どのようにセッションが進むか?

議長(Chair)が進行を務めます。こちらも参加学生です

・自己紹介と出欠確認

議長がアルファベット順に国名を読み上げるので、自国が呼ばれたら 「Yes!」「Yes, present!」などと答え、出席を表明する。

・公式討議

議長に指名された国は指定時間内でスピーチを行う。他国のスピーチはその 国のスタンスを知る上で重要なので、注意して聞く。

・着席討議(MC)と非公式討議(UC)

非公式討議 動議をあげ、MC や UC の提案をすることができる。
着席討議(MC) 自国が発現したいときに挙手し、議長に指名されたら発言できる。ただしト ピックは動議採択時に定められたものに限られる。

非着席討議(UC) 各自、議場内を自由に移動し、話したい他国大使のもとへ行って(あるいは 他国大使を集めて)議論することができる。グループを作って決議案を作成し たり、グループ内外での交渉を行ったり、自由に時間を使うことができる。 ペアで一国を担当する場合は、ペア間でうまく役割分担すると時間を効率的 に使うことができる。

※この間に決議案を作成し、指定された締切時間までに提出しなければならな い。その際、指定された数以上のスポンサー国(決議内容の賛成国)とシグナトリー国(決議案について交渉の余地があると認める国)を集めなければならない。

・投票

点呼投票(ロールコール)の場合、国名が呼ばれたら Yes, No, Abstention(棄権), Pass のいずれかを答える。
Pass は一度のみ使えるが、次に答えるときは Yes か No で答えなければならず、Abstention(棄権)はできない。 コンセンサス投票の場合、反対であれば手を挙げる。

▶︎オブザーブして感じること

学生の頃にこんな機会があれば、ぜひ参加したかった!というのが本音。
英語でなくても、日本語であれば高校生から可能だと思います。

・国際的な社会課題についての理解

名前は聞いたことがあるけど・・・というような国の代表となって議論するということは、リサーチが必要です。もし観光や留学で行ったことがあったとしても、社会課題の議論のための準備は必ず必要です。

私がSocial Issuesなど国際的な課題について深く知る機会を持ったのは大学一年生の時です。もちろん国連やユニセフについて知ることや貧困などの課題が存在することは知っていましたし、読書感想文などで感想を書いたことはあったでしょう。しかし感想を一方的に述べることと、意見交換をすることには大きな違いがあります。

19歳でアメリカに行った時、語学学校には何十カ国から来た留学生がいましたが、手を挙げて意見を言うのを躊躇っていた人種は日本人だけでしょう。活発な主張や意見に衝撃を受けたことは言うまでもありません。

・パブリックスピーキング・英語で伝える力

今日議長を務めていたネパール出身の彼が、このように言いました。
そういえばみんな、意見を言う時にI(私)を使うのはやめよう。君たちは国の代表なのだから、We(私たち)を使おう。
この感覚がパブリックスピーキングの第一歩だと思います。

社会に当事者意識を持つ。
国の一員としてリーダーシップを発揮する。

そんな体験を通して、実際にみんなは国際社会に対して当事者意識を持ちます。平和で戦争が勃発したり貧困が目の前にある環境にない私たちの国では、このような議論の場がなかなかありません。
私自身、自分が不登校や引きこもりになって、社会課題と呼ばれる立場になったからこそ当事者意識を持ちましたが、普通に生きていると難しい。

・交渉力と協調性

模擬国連はディベートと違い「勝敗」がなく、いかに国際社会での合意が取れるかが肝心です。

日本人は宗教や人種、肌の色の違いなどがないので、同調圧力や空気を読むと言う文化が明らかに存在します。

みんなと違うことを言ったらいじめられた
喧嘩するつもりじゃないのに、思ったことを言ったら悪意と取られた
自分の意見をしっかり言うだけで、怖いと言われる

このような経験をしたことがある日本人の方がいますか?私には全て当てはまります。特に海外での経験を通して、自分の意見を持つことが習慣化したことで日本では「怖い」と言われることも多々ありました(顔が怖かったわけじゃないと思います・・・苦笑)

自分の思ってることを相手に伝え、相手が言いたいことを汲み取る、そんな協調性に必要な力を養う場が教育現場にも必要です。

もし関心がある!という学生さんがいましたら、ぜひご連絡ください。
関係者にお繋ぎします。
instagram @threesalt


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