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2020年の20枚

古いブログの記事をnoteに移行しています。今回は2020年のベストアルバム20作品です。この年は素晴らしいアルバムが多いですね。


今年よく聴いたお気に入りの音楽。ブラジル以外のアルバムです(ブラジルものは、これからe-magazine LATINAのブラジル・ディスク大賞に掲載されます)。10枚には絞りきれず、20枚になってしまいましたが、お許してください。順位はありません。



CAOIMHIN O RAGHALLAIGH & THOMAS BARTLETT / ST

The GloamingのCaoimhin O Raghallaighの、トラディショナルなフィドルと、Thomas Bartlettの深遠なるピアノの邂逅。知的で内省的で、でも懐かしい響は、ストレートに胸に響きます。


CRIBAS / LA OFRENDA

Cribasの今までの作品の中でも私的には一番好きな作品。フォルクローレの魂を維持しつつ、透徹した美意識を貫いた、彼ららしいアンサンブル。楽曲が、いつにも増してメランコリックでインティメイト、これは愛さずにはいられない。


DEREK GRIPPER AND MIKE BLOCK / SATURDAY MORNING IN BOSTON

南アフリカのギタリスト、Derek Gripperと、米国のチェリスト、Mile Blockとのデュオ。サリフ・ケイタの曲を取り上げていたり、アタックの強い彼のギターは時にKORAを彷彿とさせます。とても新鮮な感覚。


DRINGE AUGH / BLACK HYLL SIDE

韓国のシンガー・ソングライター。アコースティック・ギターの、清潔で煌びやかな響に、朴訥で力強い歌声。ジャケットの写真のようにシンプルで、でもとても美しい作品です。


DUVAL TIMOTHY / HELP

サウス・ロンドンとシエラレオネを拠点とする芸術家、Duval Timothy。フレーズの繰り返しと跳ねるようなリズム、そしてメランコリックなピアノの響き。唯一無二の世界観を構築している。


FERRAN PALAU / KEVIN

Ferran Palauはカタルーニャ生まれのSSW。のんびりとした、でもメランコリックな世界観には、独特の磁場を感じる。緩やかな日差しを浴びながら、少し微睡の中で聴いていたい、そんな音楽。


HANIA RANI / HOME

ポーランドのピアニスト/作曲家、Hania Rani。本作では彼女の歌もfeatureされていて、妖精のような無垢な魅力が、溢れています。イノセントで透明な質感でありつつ、物語を感じさせる音楽性です。


JEFF PARKER & THE NEW BREED / SUITE FOR MAX BROWN

本作は存命中の自分の母に捧げらているそうだ。とにかく発想が新しい。音が新しい。彼だけのその新しさをコンテンポラリーなジャズに溶け込ませている。かと言って決して難解ではないのだ。


MELODY GARDOT / SUNSET IN THE BLUE

本作では彼女とPierre Aderne、Dadiとの共作も数多く収録されていて、ブラジル色が強い。彼らとのコラボレーションが実った形だ。プロデュースはLarry Klein。繊細なオーケストレーションが儚い。


MERITXELL NEDDERMANN / ON THE BACKYARD OF THE CASTLE

カタルーニャのSSW/ピアニスト。ソロ・デビュー作にしてでこの完成度の高い楽曲。でピアノがまた素晴らしい。サウンドはしっかり同時代性を担保しつつ、ユニバーサルなSSWとして驚くべき作品。


MINTA & THE BROOK TROUT / SLOW

Bruno Pernadasも参加しているというポルトガルのユニット。緩やかで間のあるサウンドは、フォーキーで温かみがある。で、なんと言っても最大の魅力は、この歌。Francisca Cortesãoの落ち着きのある歌声は、どストライク。


NATALIE GREFFEL / PARA TODOS

一曲目の”Não Sabia Nem Começar、この輝くように明るいサンバが全てだな~と思う。とても明るいパーソナリティこそがアルバムを支配しているけど、ソングライターとしての資質の鮮やかであること、特質すべき。


PURNAMASI YOGAMAYA / OH MY BELOVED

リトアニアのSSW, Purnamasi Yogamayaの1st album。シンプルで間を感じさせるサウンド。落ち着いた歌声は穏やかで、時には威厳すら感じます。記憶を辿るように内省的でミステリアスで、心地よい響きでもある。


RITA PAYÉS & ELIZABETH ROMA / IMAGINA

歌とトロンボーンのRita Payesと、クラシック・ギター奏者Elisabeth Romaの、親子によるアルバム。親子の寄り添う様に親密な掛け合いが素晴らしい。歌心溢れる傑作です。


RODRIGO CARAZO / OCTÓGONO

コルドバ出身のSSW。どこまでも美しく、繊細で、そして親しみやすい。旋律の面ではフォルクローレ色は薄いけれど、リズム面ではしっかりそれを残している。優しい、柔らかいハイ・トーンがとても魅力的だ。


ROOS JONKER & DEAN TIPPET / ST

Roos Jonkerの10年ぶりとなるアルバムは、Dean Tippetとの共同名義。キッチュなリズムボックスや、ラッパの音、ギターやピアノの音で綴られた、シンプルで間のあるサウンドと、ロマンティックな旋律。


SAM AMIDON / ST

Sam Amidonは米国のSSWでマルチ・インストゥルメンタリスト。フォーク、カントリーなどトラディショナルな音楽を彼なりに換骨奪胎し、時にスリリングな、予想出来ない独特の世界を作り上げている。


SILVIA PEREZ CRUZ / FARSA

作曲は全てSilviaによるもの。演劇、映画、舞踏、詩など、様々な芸術との交わりの中で創作された楽曲。鮮やかで時に厳しい、彼女の歌の力っていうのは、ちょっと今誰も敵わないんじゃないかな。


THIS IS THE KIT / OFF OFF ON

Kate Stablesのユニット” This Is the Kit"のニュー・アルバム。某カフェで流れていて瞬時に気に入ってしまい、それ以来よく聴いている。本作はサウンド面がグッと厚みを増して、ドライブ感が格段にアップ。


TIGRAN HAMASYAN / THE CALL WITHIN

来た~~~って感じ。この爆発的な推進力、複雑なリズムの嵐、アルメニアのエキゾティックな旋律、ジャンル的なものは内包されていてもそれを考える必要もないTigranの、疾風怒濤の音楽です。


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