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日記やエッセイを綴る場所

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日常の何でもないできごと、心を震わした瞬間を残したい。そんな想いでつらつらと文章を綴るマガジンです。
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「命」を「使」って、生きる時間

「命」を「使」って、生きる時間

雨の日は、文章が書きたくなる。
雨音を聴きながら、しとしと筆を走らせる時間を愛でる。書くことが心底好きだ。そんな感情は、雨の日が連れてきてくれるのかもしれない。何を考えるでもなく、何を感じるでもなく。それでも指はなめらかだ。

ただ生きている証を残したい。「文章を書く」ことに出会ったのは、ちょうど就活を終えたばかりの頃。当時はとにかく、自分の世界を書きたかった。胸の奥からえぐられるような生々しい傷

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「自分のため」から「誰かのために」書く生き方を。ライター1年目を振り返って

「自分のため」から「誰かのために」書く生き方を。ライター1年目を振り返って

渋谷の路地で、友達に泣きながら電話をしたのは、ちょうど1年前だった。「わたし、やっぱりライターになりたい......」ありったけの声をふり絞って、嗚咽が混じった声で受話器越しに伝えた。

ライターになりたいから、会社を辞めたと言っても過言ではない。2019年の始まりは、ライター人生の始まりでもあった。

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新卒一年目の12月。

ビジネスマンとしても、ライターとしても、新米のわたしに仕事な

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種を撒かないと、花は咲かないんだよ

種を撒かないと、花は咲かないんだよ

いつだって、ここではない何処かへ行きたかった。もっといい場所があるんじゃないか。自分に合った場所があるんじゃないかって。でも、ここではない何処かへ行く“わたし自身”が変わらなければ、何処へ行っても同じだと、気づいたんだ。

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社会人になってから、ずっと夢を掲げて働いてきた。水曜10時放送のドラマ『同期のサクラ』主人公、北野桜が「私には、夢があります! 」と言い放つ姿を見るたびに、自分と重な

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行ってきますと行ってらっしゃいの居場所は何度でも見つかるよ

行ってきますと行ってらっしゃいの居場所は何度でも見つかるよ

寝癖ぼさぼさの髪で、開けたカーテン。眩しさで目をつぶる一瞬前に捉えたのは、新品のクレヨンで描いたような「水色」の空。伸びやかに広がる朝に、心の中で音符が跳ねた。

ぐずぐずな梅雨のせいで忘れてしまいそうになるけれど、もう7月末。今月から、株式会社インクワイアで編集アシスタントを始めた。3ヶ月間は業務委託だけれど、会社とわたし、相互にミスマッチが生まれなければ、その後社員としてジョインすることになっ

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