マガジンのカバー画像

日記やエッセイを綴る場所

38
日常の何でもないできごと、心を震わした瞬間を残したい。そんな想いでつらつらと文章を綴るマガジンです。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

しょうがない、と許していい空。

しょうがない、と許していい空。

いつもと変わらない朝。雲ひとつない。薄いカーテンに太陽がまっすぐに飛び込むけれど、風に揺れかわされる。床には木漏れ日がゆらゆらと。カーテンはふくらみ、しぼむ。まるで呼吸をしているみたいだ。

みずいろの空は、濃くなく、薄くもなく。チューブ絵具のキャップをくるくると開け、キャンバスにみずいろを押し出した。少し湿った筆を乗せ、迷いなく引く。すっと大きく、世界中すみずみまで。今日の空は、そんな色だ。

もっとみる
「命」を「使」って、生きる時間

「命」を「使」って、生きる時間

雨の日は、文章が書きたくなる。
雨音を聴きながら、しとしと筆を走らせる時間を愛でる。書くことが心底好きだ。そんな感情は、雨の日が連れてきてくれるのかもしれない。何を考えるでもなく、何を感じるでもなく。それでも指はなめらかだ。

ただ生きている証を残したい。「文章を書く」ことに出会ったのは、ちょうど就活を終えたばかりの頃。当時はとにかく、自分の世界を書きたかった。胸の奥からえぐられるような生々しい傷

もっとみる
生きづらさは、選択していた

生きづらさは、選択していた

いつもビクビクしながら過ごしていた。特に社会人になってから。いつ獲物に喰われるかわからないと怯えながら周りをキョロキョロする。

安心安全な屋根のある家を見つけられず、いつも野宿をしているかのような、疲れと空虚でいっぱいの心理状態だった。

「生きづらい」

そうはっきり言葉にし涙を流した日。会社に行けなくなった日。ちょうど1年半くらい前のことだろか。あの日から本当の意味で「自分のための人生」が始

もっとみる