家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 中編 #7
生活保護を受けると、毎月必ずお金がもらえる。
その確実性が、家族も一番安心できるんじゃないかな、と当時私は考えました。
また、正直に言うと、私のキャリアやプライベートを全て犠牲にして、
弟(=甥)が成人するまでの生活を、一人で成し遂げられる「覚悟」が決まらなかった。
これまで多くの事を小さい頃からすでに犠牲にしてきているし、大学を出たら自由に自分の思う通りに生きれると思って必死に大学に入り、卒業し、就職した矢先の出来事続きだった、という事もある。これ以上犠牲になりたくない、と思ってしまった気持ちがあった事は隠さずここで打ち明けます。
また、弟との関係性もすごく悩んだ。
私が彼の生活を今後14年間支えると、弟自身はどう思うだろうか。
私の事を親だとも思えないだろうし、私もそう思われてはいけないと分かっていたので、距離感が非常に難しかった。
また仮に、私が自分が犠牲になっていると感じながら仕事をしている姿を見て、弟はつらくなるだろうとも思った。
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そんなことをあれこれと思い巡らしながら、無い脳みそを絞って考えた結論は、やはり生活保護だった。
生活保護を受けるためには、どうしたらいいのか。
友人の精神保健福祉士に聞いた。
「持ち家があるとまず保護は受けられない。保護を受けるために、みさちゃんが家を出て一人暮らしすると、保護支給条件は満たせる。」
なんか、おかしな話ではあるが、現状、そういう国のルールなのだから仕方ない。
母が入院したのが1月4日
腸閉塞で2週間入院
腹膜播種と診断(ガン再発)
1月末で退職を決定
という状況だったので、時間もなかった。
2週間以内に全ての意思決定をしなければならなかった。
気持ちの余裕なんで全くない。
その中で当時は出来る限りの選択肢を考えた(つもりだった。思い返すと凄く狭い世界で考えていた)
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生活保護を受けるためには、持ち家を処分しなければいけない。
そのことを愚直に受け止め、
持ち家を処分するにはどういう手続きをすればいいのか?
それしか頭の中に無かった。
住宅ローンの返済が1500万円くらい残っている。
債務を抱えないためには、どういう手段があるんだろうか、、、
この時に知ったのが、「団体信用生命保険」という存在です。(以下、団信)
家の登記書類などを見ていて、団信というものに加入していることを知った。母からは何も聞いていない。自分で書類の中から発見した。
母がこの家を購入したのは2000年。今から20年前。
団信はここ最近でこそ、その保障内容が多様化してきたが、当時の団信はどこの商品も似たり寄ったりで、保障内容もそれほど手厚くない。
母が加入していた団信の保障内容は、
「死亡または余命半年と宣告された場合に、住宅ローンの残債を免除する」というもの。
【死亡または余命半年】
この条件に当てはまらない限り、この保険は効力を発動しない。
余命半年宣告、、、
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腹膜播種というガンは、2年生存率25%と言われている。(当時の情報では。)
つまり、75%は2年以内に死亡する。
これを聞いたらあなたはどう思うだろうか?
自分の親や家族、友人や恋人など親しい人が、2年生存率25%と聞かされたら。
25%も生きるんだ!って、私は思いました。
1%とかだったら、「もうすぐ死ぬんだろうな」と何となく感じてしまうけど、25%という数字。死ぬかもしれないし、生きるかもしれない。
(これを私たちファイナンシャルプランナーの世界では「生きるリスク」呼んでいます。)
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2年生存率25%なら、余命半年って宣告されるのはまだまだ先。
そう思った私は、団信は今は適用できない、と思いました。
じゃあ、家を売るにはどうしたらいいんだろう。
と、いくらくらいで売れるか?を調べてみた。
おそらく800万円程度だろう、とのこと。
800万円!?
じゃあ、売れたとしても、1500-800=700万円の債務が残るってこと!!!????
売って、債務残って、債務返しながら生活保護を受けるって、、、、
どう考えてもその生活あかんやん!!
いくらなんでも、(23歳の)私でも分かるそんなん。
どうしたらいいんや、、、って悩んでいた矢先、母が動いた。
「自己破産」という手段に出たのだ。
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私が気づいたときには、母はすでに弁護士に申し立てを依頼していた。
えっ!!!??? ちょっとまって!!!!!!!!!
母に言っても取り下げる意志は無いって言われてしまい。。
私は母に内緒で担当弁護士にアポを取り事務所を訪れた。
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次回 「家は手放すな!23歳の私に伝えたい事 後編」 へ続きます。
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