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自分でできる!商標登録出願から登録まで



はじめに

ご覧くださりありがとうございます。
初めまして、オンライン秘書のシフォンです。

法律事務所で約10年間秘書・リーガルアシスタントとして働き
その間の2年間商標事務全般をやっていました。

最近知り合った起業家さんに自己紹介したときに
法律事務所で秘書や商標の仕事をしていたことを
お話したところ

実は、ずっと商標登録をしたいと思ってて
自分で調べたけどやり方が分からなくて

結局まだできてないので
教えてほしい、というお話がありました!

その方が商標取得できるまで
見届けたいと思います。
その過程も追々記事にできたらと思っています。

そして
同じように

自分でやろうとしたけど分からなかった
特許事務所に頼もうか、でも費用も掛かるし
という方のお悩みを解決すべく
下記に出願の流れや書類テンプレート集や
作成方法を書いていますので
是非参考になさってください!

これを知っていれば、
自分で登録できちゃいます。

出願、納付手続きの一部サポート
もできるよう準備中です!

商標登録とは

商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。

商標権は、マークと、そのマークを使用する商品・サービスの組合せで一つの権利となっています。

商標登録出願を行う際には、「商標登録を受けようとする商標」とともに、その商標を使用する「商品」又は「サービス」を指定し、商標登録願に記載することになります。

商標法では、サービスのことを「役務(えきむ)」といい、指定した商品を「指定商品」、指定した役務を「指定役務」といいます。この指定商品・指定役務によって、権利の範囲が決まります。

また、指定商品・指定役務を記載する際には、あわせて「区分」も記載する必要があります。「区分」とは、商品・役務を一定の基準によってカテゴリー分けしたもので、第1類~第45類まであります。


手続きの流れ

・調査(すでに類似の商標出願がないか、他人の権利を侵害していないか)
・出願する商標、区分、指定商品役務を決める
・出願書類を作成する、特許印紙を買って貼る(特許庁や郵便局で購入可)
・特許庁に提出する(持参or郵送)
・審査を待つ
・何もなければ登録(あれば拒絶理由通知対応)
・登録料納付の書類を作成する、印紙を買って貼る(5年納付か10年納付か決める)
・登録証の発行
・6か月間の公告期間(異議申し立て期間が経過後登録)
・登録
・5年後もしくは10年後に更新料納付

ストレートに登録であれば特許庁に書類を出すのは
・出願時
・登録時
の2回です。
基本的に、書類はそれだけ用意すればOKです。

費用、印紙代、電子化手数料

費用と印紙代

自分で出願する場合は特許庁へ納付する印紙代だけの負担で済みます。
手数料はかかりません。
印紙代は下記のとおりです。

https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/hyou.html#syutuganryo

1区分の場合
出願印紙代:12,000円(2区分目以降は区分数×8,600円)
登録料納付印紙代:17,200円(5年納付)か
登録料納付印紙代:34,400円(10年納付)のいずれか

1区分の取得で印紙代トータル費用はこちらです。
5年納付   29,200円
10年納付  46,400円


一般的な事務所に依頼した場合では相場として
上記印紙代に加えて、手数料が下記で加算されます。

出願手数料:8,000円
登録手数料:21,000円

1区分の取得で印紙代+手数料トータル費用はこちらです。
5年納付   59,000円

ちなみに以前働いていたところでは
手数料だけで結構なお値段でした。

出願時:130,000円
登録料納付時:25,000円

1区分の取得で印紙代+手数料トータル費用はこちらです。
5年納付 184,200円

10区分以上あると
請求書作っていて「高っ」
と結構びっくりしていました。

それでも毎日出願依頼が絶えずで
出願、登録、更新、更新通知、登録証発送処理など
日々様々な手続きがありました。
正確には覚えていないのですが
何千件単位での商標の管理をしていた記憶です。

商標権というのはビジネスで
非常に大事な権利なんだなと
感じながら仕事をしていました。

登録後のアフターケア
(商標更新前のリマインドや審判関連などの特許庁からの連絡対応など)
の管理費用も含まれてこの金額であり、
事務所に依頼することはデメリットばかりではありません。
自分で手続きする場合はその辺のことも
全部自分で管理することになるので、
そのことも頭に入れておく必要があります。

たくさんの区分で多角的にビジネスを展開している方、
これからする予定の方は
弁理士さんにお願いしたほうが確実かと思いますが、

個人事業主の方や、起業したてで
まだ一つの区分だけでサービスを展開している方などは
少しの手間を厭わなければご自身で出願されると
費用がカットできるのと同時に
商標に愛着も湧きますね。

電子化手数料

その他、費用として掛かってくるのが
紙の書類で出願した際の電子化手数料です。
特許事務所での手続きは電子出願が一般的ですが、
1件の出願をするのに電子出願の登録までするのは煩雑なので
個人の方は圧倒的に紙で出願する方が多いです。

電子化手数料は、1件につき2,400円に書面1枚につき800円を加えた額です。例えば、商標出願を書面で提出したとき(商標願1枚)の電子化手数料は、2,400円+(1枚×800円)=3,200円 となります。

こちらは特許庁に納付するのではなく
PAPC一般財団法人工業所有権電子情報化センターというところから
出願後、別途請求書が届きます。
これを納付しないと審査が遅くなったり、最悪出願却下されてしまうので、
PAPCから請求書がきたら怪しまず、すぐに支払いましょう。


商標調査方法

調査はJ-Plat Patの商標検索からできます。
こちらに詳しく手順が描いてあるので参考になさってください。

こちらのページでは呼称検索の例が出ています。

図形の商標の検索も図形等分類表で出来ます。

迷う場合は、図の商標の類似かどうかの判断は
やはり弁理士さんにお任せするのが良いかと思います。
類似していなくても、
商標法上登録することができないマークがあります。
ヘルプマークに類似したグッズで
一時期話題になった「赤十字マーク」などがそうです。
それらについても弁理士さんはアドバイスをしてくれます。


このようなマークは不可です


類似かどうかで審判になった事例


出願時費用に事前調査を含めてくれているところもあるので、
事務所を選ぶときにその点も確認してご依頼すると
追加費用などが発生しなくて済みます。

出願書類・登録料納付書類作成


商標と指定商品が決まったと仮定しましょう。
では、具体的に書類の作り方ですが
テンプレートがホームページからダウンロードできます。

出願や納付書類のテンプレート集はこちらです。

出願書類の書き方ガイド
特許庁もものすごく親切なので、こんなガイドもあります↓

https://www.inpit.go.jp/blob/archives/pdf/trademark.pdf

https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota-info/document/panhu/shutugan_shien.pdf


これに沿って調査や書類作成すれば一人で商標登録出願が出来ます。
出願書類の見本はこんな感じです。


上から
①金額
②整理番号(任意)
③出願日
④文字商標であれば文字、
図形であれば□の下の【標準文字】は消して、図形を入れ込む
⑤類を入れる
⑥指定商品または役務
⑦出願人の住所と氏名、電話番号

標準文字 出願書類

書類の提出方法
印紙代を貼り付けた原本….1部
それを白黒コピーしたものを写しとして….1部
(印紙をカラーコピーすることは「印紙等模造取締法」により禁止されていると特許庁HPにありました。)

・上記2部と
・返送用の切手を貼り、住所を記載した封筒も同封します。
特許庁で受領印を押して送り返してくれます。

※封筒に「出願関係書類在中」と記載して、できるだけ書留、簡易書留、特定記録で郵送しましょう


次に、納付手続きの書類です。
上から
①日付
②出願番号
 出願後、商願が振られるのでそれを記載
③区分の数を記載します
④氏名又は名称
⑤納付者の氏名又は居所
 出願後、出願人に識別番号が振られるのでそれを記載
⑥分割納付の場合は分割と記載します。

登録料納付(10年分一括の場合)


登録料納付(5年分分割の場合)


ここまでお読みくださりありがとうございました!
これで一人で商標登録出願ができるので
ぜひ挑戦されてください!




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