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励ますスキル〜「励ます王国」への移住

何かに失敗したり、悩んでいるとき。あなたはどんな反応をしますか?


A パターン
「大丈夫だよ」「次はきっとうまくいくよ」「私は味方だからね」と励ます。

Bパターン
「やっぱりダメか」「何やってんの?」「もう諦めたら?」と失望する。

Cパターン
「別に好きにすれば?」「私は知らない」「関係ない」と突き放す。

Dパターン
「なんで失敗したんだ!」「お前の努力不足だろ!」と激怒する。


きっとAパターンの反応をする人は、立ち直りが早いです。一方でB〜Dパターンの反応をしてしまう人は、さらに自分を追い詰めてしまいます。まるで敵を自分の中に住ませているようなものです。自分は躁鬱病なのですが、鬱期間はB〜Dパターンの反応をしてしまいます。

思い返すと自分の親は、B〜Dパターンの人間でした。Aパターンの接し方をされた記憶がありません。おそらく、そういった幼少期〜思春期の経験が、常識化されてしまったのだと思います。何でもかんでも親のせいにするな!という声が聞こえてきました。そうですね、現在進行形で子育てをされている方の中で、思い当たる節がある方には気分が悪い話かもしれません。ただ、別に批判をしているわけじゃないんです。アメリカで生まれた子どもは自然と英語を話しますよね。日本で生まれた子どもは日本語。なぜかというと、親が話す言語を自然と真似をするからです。言語だけではなく、子どもは親の態度や生活様式を常識として吸収します。まさしく子どもは親の背中を見て育ちます。

もし幼少期に何かを失敗した時に、Aパターンの接し方を親にされた人は、成長するにつれ、Aパターンの励まし方を内製化します。つまり、自分も同じ接し方を、他人だけではなく自分自身にもすることができるようになります。しかし、B〜Dパターンの接し方しか親にされなかった人は、成長するにつれ、残念ながらAパターンの励まし方を学んでいないので、多くの場合、B〜Dパターンの接し方、つまり失敗して落ち込んでいる人をさらに追い詰めるような反応をしてしまいます。ただし、他人にB〜Dパターンの接し方をすれば、高い確率で嫌われますし、揉め事になることを経験上学びます。また、「他人に迷惑をかけてはいけない」というモラルも存在しますので、自分自身だけにB〜Dパターンの接し方をする人がいます。そういう人は、他人から見れば「平和主義者」のように見えるし、実際にとても優しい人なのに、自分自身に対しては、「圧政を強いる独裁者」のように、厳しく残忍な対応をしてしまうのです。

自分で自分のことを励ませない人は、誰かが自分に対して厳しく攻撃してきた時に、自分で自分のことを守れないので、ダメージをもろに受けてしまいます。他人からの攻撃は全てクリティカルヒットです。その辛辣で厳しい他人と一緒になって、自分のことをいじめてしまいます。RPGで例えるなら、混乱状態になって、自傷行為をしているようなものです。だから、誰も味方がいない、という心理状態になりますし、死にたくなって当然です。だって、そんなゲームつまらないじゃないですか。敵からの攻撃が全てクリティカルヒットになるし、いつも状態異常で自分にもダメージを与えてしまうゲームなんて、絶対売れません。クソゲーです。

しかし、自分のことをいつでも守ってくれる他人なんて存在しません。悲しいですが、私たちにドラえもんはいません。自分のことを100%理解して守ってくれる他人なんて、どこを探しても一生見つかりません。どんなに親しい友達も、仲良し家族も、所詮は他人です。でも、だからこそ、尊重できるし、大切にできます。自分と異なる考え方をしていても驚きませんし、考えを矯正しようとも思いません。好きにやってくれ、と思います。でも悲しんでいたら全力で励ますし、傷つける奴がいたらねじ伏せます。他人には、自分のことを100%理解して欲しいなんて思わないし、脳のデータを共有できない限りは不可能です。ですから、自分のことは自分で理解するしかないし、自分にとって自分が最大の理解者になるしかないんですね。

ですから、例え親がB〜Dパターンの反応しかしない人間だったとしても、自分自身でAパターンの反応をする訓練をするしかないんです。何度も何度も繰り返すんです。筋トレと同じです。一回腕立て伏せをしたって筋肉が付いた感じはしませんが、それを1か月、3か月、半年くらい続ければ、ちょっとずつ上手になります。自分を励ますスキルが上がります。何事も自然にできるわけないんです。もし周りが自然とできるからって「自分はダメなんだ」と思ってはいけません。もし留学に行って、周りが英語ペラペラなのを見て落ち込まないですよね。だって、外国人が英語話せるのは当たり前じゃないですか。それと同じで、自然と自分で自分を励ませる人は「励ます王国」で生まれたから当たり前なんです。もしあなたが自然と自分を励ませないのだとするなら、きっと「いじめっ子王国」で産まれたから、励まし方を知らないだけで、考えてみれば当たり前なんです。だから、早く励ましスキルを身につけて、「励ます王国」に移住すればいいんです。

そうすれば、敵からの攻撃は効かなくなります。たまに痛くても、すぐに回復魔法を使って直すことができるようになります。きっとその防御力や回復魔法こそが「自分を励ますスキル」なんだと思います。これは後天的に身につきます。絶対に。時間はかかるかもしれませんが、きっと大丈夫です。何回も繰り返すかもしれないし、自分も躁鬱病ですから、何回も落ち込んで自分を傷つけようとするけど、だんだんとその波は減ってきています。一筋縄ではいきませんが、きっと大丈夫。

朝起きたら目が覚めた自分を褒めましょう。起きただけで100点です。布団から出れなくても100点です。生きているだけで100点。歯を磨けたら100点です。磨けなくてもうがいできれば100点。歯を磨かなくても、それを意識しただけで100点。ご飯を食べたら100点。食べなくても100点。陽の光を浴びたら100点。浴びなくても100点。そうやって、全てのことに100点をつけましょう。そうしていくうちに、だんだんと点数を付けることがバカらしくなるはずです。なぜなら、全部100点なんですから。そうなったら、大成功。点数社会からの脱却です。誰かに評価されるために生きなければならない世界から亡命することに成功しました。そのうち、だんだんと元気になります。それは間違いありません。もしそれを批判してくる人がいたら、そいつは「いじめっ子王国」の公務員か何かなのでしょう。文化が違うんです。私たちは「励ます王国」に国民です。今は事情があって、なんかのミスで「いじめっ子王国」に住んでいるかもしれませんが、そのうち移住することは決定しています。だから、大丈夫。とにかく大丈夫です。





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