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花き栽培はタイミングのコントロールが勝負!(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
先週の日曜日は母の日でしたね。母の日といえばカーネーションですが、花き類の栽培って大変なのですよね。花って一時(いっとき)にたくさんの需要が発生して、その後ピタリと需要が減ってしまうのが多いのが特徴です。

(大田市場)

上記のグラフは大田市場のカーネーション(ピンク)の取扱量のものですが、見てわかるように、母の日がある5月は他の月の1.5~3倍近い需要があることがわかります。まさにカキイレ時ですね!

カーネーションは5月ですが、花それぞれ求められる時期があります。
3月・4月の卒業、入学などのタイミングで求められる花、結婚式などで求められる花、お店の新装開店の時などに求められる花、などあり、
その求められるタイミングにしっかりと花を咲かせないといけません。
蕾ばかりの花束をもらってもうれしくないですよね。
しかも花が咲き終わってしまうと商品価値はなくなるので、需要のある時期に必要な分だけタイムリーに花を咲かせる必要があります。

植物は工業製品ではないのでJust in Timeに栽培することは非常に難しいです。

そのため栽培・開花スピードをコントロールするため、花き類の栽培には温度・湿度・光量・CO2濃度・潅水量を最適にするための充実した環境制御機器が導入されている農業ハウスが多いです。

植物の生長を促すだけでなく花芽分化させて花を咲かせなければなりませんので、温度制御だけみても日中・夜間の温度のコントロールも含めてより精密なコントロールが求められます。つまりより精密な制御を求められるので花き類の農業ハウス設備は非常に高額になります。

また温度の制御には暖房・冷房が必要になりますので、重油、ガス、電気など多くのエネルギーが必要です。広いハウス内を温度ムラなどがないように精密に温度管理するとなると使うエネルギー量も多くなります。

つまり花き類の農園では必要な時に必要な分量だけ消費者に届けるため、初期の設備投資、ランニングコストなどたくさんかけて栽培されているというわけです。

ですから、コロナ禍の時はせっかく頑張って花を育ててきたのに、卒業式、入学式、結婚式など軒並みなくなって花が売れなくなってしまったので花き農家は非常に苦しい状況でした。

花屋で花を買うときに「花って高いなあ」と思うこともあると思いますが、こういった裏側を知ると応援したくなりますよね!


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