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【ミラツナメンバー座談会】柳津町のナイト足湯?! まちのワクワクはつくるもの -前編-

「ミライツナガル会議」とは、若者世代の意見を取り入れ、町民参加のまちづくりを目指す福島県柳津町の取り組みです。今回は、メンバーである目黒照枝(めぐろてるえ)、藤田明愛(ふじたあきな)、新井田円香(にいだまどか)の3人に、ミライツナガル会議に参加した背景と「ナイト足湯」開催秘話について聞きました。

■「ミライツナガル会議」に参加した動機とは?

―ミライツナガル会議(以下、ミラツナ会議)に参加した思いを教えてください。

(新井田)円香 私は看護師として働いているのですが、「この20代のタイミングで何に挑戦をしていくか」とずっと葛藤してきました。24歳の時に、柳津町の広報誌でミラツナ会議のメンバー募集を見かけて。生まれて、今も住み続けているこの町を、盛り上げて貢献したいという思いを強く持ったんです。自分自身も楽しく生きていくために、挑戦することを決意しました。

(藤田)明愛 私も広報誌に掲載されているのを見て、自分から応募しました。姉が役場に勤めているので、「こういう会議が立ち上がったよ」と教えてもらい、「おもしろそう!」と真っ先に思ったんです。地方部においては年功序列で色々な物事が決まっていくことが多いのですが、ミラツナ会議は50歳以下の人たちで構成されています。若手メンバーで話し合ったり挑戦したりしていくということで、これまで町にはなかった価値を生み出していけるのではないかとワクワクしたんです。

 私も円香さんと同様にこの土地で生まれ育って、進学と就職で1度は東京に出ましたが、家業のあとを継ぐために柳津町へ戻ってきました。今、こちらで子どもが生まれて子育てをしていて、おそらく柳津町で一生を過ごして、最期の時を迎えるのだろうと思っています。生涯を過ごすこの町を、ミラツナ会議で、5年後、10年後、子どもたちや若い人たちにとってもっと住みやすい場所にしていきたいと思い、参加しました。

(目黒)照枝 私は「木工房MEGURO」を運営し、会津桐を使った木工品の制作などを行なっています。柳津町の隣りの三島町に生まれ育ち、9年程経て地域を離れたのちに、Uターンしました。その後、結婚を機に柳津町に住むようになり、ミラツナ会議参加以前から地域づくりの活動に関わってきました。

 ミラツナ会議は50歳以下という区切りがあり、私はギリギリの年齢でもあったので、「参加してもいいのかな?」と迷う部分もあったんです。結果として、円香さんや明愛さんのような人たちとご一緒でき、参加して本当によかったと思っています。ミラツナ会議は、可能性のある若い人たちが、この町で楽しく生きていくことのできる発信基地になるような気がしています。

ミラツナイベント部 目黒照枝

■ドキドキしたミラツナ会議初回

―実際にミラツナ会議に参加してどのような感想を持ちましたか。

円香 初回の参加時は私はドキドキしていて! 実は「本当に来ちゃって大丈夫だったのかな」と思っていたんです(笑)。

明愛 わかります! ドキドキしましたよね。でも、会議の雰囲気がすごくよくて。冗談も交えながら色々な意見交換ができて、とても楽しかったんです。

円香 2回目から照枝さんや明愛さんと話をするようになって、週1回ミラツナ会議で議論を交わすことがとても楽しみになりました。看護師の夜勤明けや夜勤前もウキウキして参加しているんです!

 多様な職種の方々が相乗効果を生みながら、未来を見据えて企画を練っていく過程が自分にとってとても勉強になっています。「自分も頑張らなきゃ!」という思いになるんですよね。

ミラツナイベント部 新井田円香

 照枝 私は振興計画審議会に参加して7年目になるので、ある種、こうした地域づくりの場には慣れていました。だから、最初から純粋に「カジュアルな会議で楽しい!」と思いながら参加していました。
 
明愛 会議の中で「これはどうなの?」「あれはどうなの?」と疑問が出た時に、多様な業種の方がいるので「これはこうだよ」と答えや意見が出てくるんです。

 例えば、只見川を利用したレジャーのアイデアが出された時に、柳津観光船を運営している川のレジャーに詳しいメンバーから「SUPというレジャーはこういうものでこういった環境が必要」という解説がなされたり、「只見川で実施するにはこういう資格が必要で、こんな注意事項がある」といったことを教えてくれたんですね。

 こうした議論で、自分の中での知識も増えますし、1つのコトを作り上げる難しさも知れます。毎回毎回、勉強しながら楽しんでいます。

ミラツナイベント部 藤田明愛

■ワクワクこそが原動力!

―ナイト足湯のイベントを開催した背景を教えてください。

照枝 ミラツナ会議で、道の駅周辺をどう活用していくかという議論を行いました。柳津町の道の駅には足湯が隣接されているのですが、なかなか活用されていない状況があったんです。そこで、ミラツナ会議メンバーの(田崎)祐美子さんと「ナイト足湯、いいよね」とつぶやいていたんです。
 
 ちょうど「丑寅まつり(うしとらまつり)」があるタイミングで、そのイベントの中で「ナイトシアターin道の駅会津柳津」が企画されており、このタイミングでナイト足湯を実施すれば、映画を観るために集まった人がより楽しめるのではないか、と考えたのです。ミラツナ会議で提案したところ、「いいね!」と言っていただけたので、開催まで1ヶ月を切っていましたが走り出すことに決めました。

明愛 照枝さんの話を聞いておもしろくなりそうだな、と思ったんですよ!
 
円香 そうですよね! 私、絶対やりたいなと思ったんです!
 
照枝 そう! このノリがいいですよね! 「楽しそう」と言ってくれるのが原動力になるんです。これが何かやるためのモチベーションなんです。逆に、何か発案した際に「誰がやるの?」「予算はどうするの?」と言われてしまうと、やる気がなくなりますよね。「やってみたい!」というときめきを維持するのが、活動を楽しく、長続きさせるコツかなと思います。何かを生み出し続けていくには、ワクワクやドキドキを途絶えさせないことが大事なのではないでしょうか。

―ナイト足湯開催に向けて、実際にどのような準備を進めましたか。

明愛 照枝さんが、「ミラツナイベント部」というグループLINEを作ってくれたんです。照枝さんにしっかりとした枠組みを作ってもらいながら、みんながそれぞれにアイデアを出しながら、グループLINEで「あれをやっていこう」「これをやっていこう」とどんどん連絡を取り合っていきました。例えば、円香ちゃんが「こんないい電飾があって買ってみたから持ってきますね!」と言ってくれたり、「以前自分が携わったイベントでこういうキャンドルを使ったのですがどうでしょう?」と提案したら「いいねいいね」と言ってもらえたりと、ワイワイ話しながら準備をしていきました。

 また、告知のために、ミラツナ会議のインスタグラムでの発信や看板も準備しましたね。
 
照枝 そうですね。ミラツナ会議のインスタグラムはみんなでログインしてアップしていけるような体制を作っていきました。他にも、観光協会や役場のSNSと連携して告知をし、チラシも作成しました。

円香 照枝さんが土台を作ってくださったので、みんなで意見を出し合って楽しく進められました。
 
照枝 大まかなスケジュールと何をやるかなどの道筋を作って、「このタイミングで来られる人?」「こういう作業があるけれど手伝える人?」と呼びかけながら、進めていきました。明愛さんは小さいお子さんがいらっしゃいますし、円香ちゃんは看護師として働いています。他のメンバーもみんなそれぞれ忙しい日々を送っていますから、役割をガチガチに決めるのではなく、「関わる余白」を作るようなイメージで進めていくことを大事にしました。
 
 こうしたイベントをする際に、結局何が大切かというと、「自分がやる」という覚悟だと思うんです。だから、イベントをやる時には、基本的に「私がやりたいことに付き合ってもらっている」と捉えています。そうすると、「これもやってほしいのに……」みたいな思いは抱きませんよね。でも、今回は祐美子さんと「やりたいね!」と盛り上がっていたので、少なくとも1人ではないとは思ってはいたんですが(笑)ナイト足湯は、みんなが盛り上げてくれて、準備も本番もとても楽しく開催することができました。

 今後、他のメンバーが「これをやりたいんです」と言った時には、私も全力で協力できるようにしたいなと思っています。今回のナイト足湯の企画もそうですが、色々な経験を重ねていく中で知見をため、次の人へもバトンを渡していけるようにしたいと考えています。

▶︎▶︎▶︎次回は、「【ミラツナメンバー座談会】柳津町のナイト足湯?! まちのワクワクはつくるもの -後編-」をお届けします!

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