未来の味蕾

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未来の味蕾

Artist、未来の味蕾(みらいのみらい)です。写真、デザイン、加工、現代詩などの作品を創作しています。芸術とグルメな日々。お仕事やコラボの依頼はr.loves.kotsubu@gmail.com http://www.Instagram.com/r.loves.kotsubu/

マガジン

  • 未来の味蕾・artworks

    現代詩作品と写真加工した作品を中心にまとめていきます。

  • 今日の味蕾~news and diary~

    わたくし日記が大の苦手ですが、挑戦してみます。取れたてピチピチの味蕾をお届けします。

  • 未来の味蕾・ショートショート

    ショートショートの可能性に挑戦してゆくつもりです。

  • 未来の味蕾・レシピブック

    未来の味蕾がお届けするちょっと自慢のレシピ集

  • 現在進行形の味蕾・徒然草

    日々、考えていること、感じていることなどをコラム・エッセイなどにして、少しずつまとめていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

詩『量産型社会』

私を大量生産するために、わたし、は産み落とされた。わたし、でありつづけることに、息が切れる上り坂。後ろ向きに転がり落ちないように、爪先にちからを充填してゆく。両足のブレーキを踏みしめながら、ぐっとこらえる。ご機嫌ななめな爪をなだめるためのフットネイル。曲がった足の親指。外反母趾が疼く。じり、じり、汗が時計に滲んでいる。手首に革ベルトの痕跡。押し返す弾力のある肌。生きている証明の生中継(L・I・V・E)パレットの上で、呼吸が破裂しそうだ。真っ黒なアスファルトに、モノクロの過去か

    • 嬉しい報告と感謝『ありがとうございました!』

      詩『素顔のしんでれら』#シロクマ文芸部#創作大賞2024は先週、#デザインで特にスキを集めた記事です、というお知らせがありました。皆さん、たくさんのスキありがとうございました。 久しぶりのシロクマ文芸部のお題で、落選作をリライト。苦しかった思春期を思い出しながら、書きました。如何でしょうか? また引き続き創作大賞2024にも参加していますので、よろしくお願いします。 2024.5.25 未来の味蕾 #シロクマ文芸部 #白い靴

      • 詩『素顔のしんでれら』#シロクマ文芸部#創作大賞2024

        白い靴ーーー、 真夜中の寝室にそっと置かれていた。 白紙のスニーカーが今年の誕生日プレゼントだった。 + まいごのまいごのこひつじちゃんあなたのねぐらはどこですかいくつものねむれないよるをのりこえてかけてはみちてゆくつきをなんどもみあげてはおなじそらのしたできえてゆくいのちにいのりをささげませうこうやのじゅうせいにばらのくちづけをとげはうつくしいよわむしのいかくあかいはなびらはかくさんするけつえきのいろるるるりるるららどこへむかっているのかわからないままあるいているいなな

        • かぼちゃ好きに贈るレシピエッセイ後編『和風かぼちゃパスタ』

          まずはこちら↑ そして後編は和風かぼちゃパスタです。 【和風かぼちゃ豆乳クリームパスタのレシピ】 作り方 1.鶏肉を一口大に切る。 2.野菜の下ごしらえ。里芋は包丁で皮をこそげとって、水につけておく。里芋の皮は完全に剥かない。ごぼうは金属たわしかアルミホイルを丸めて、あえて荒く洗って、水にさらす。ごぼうは斜め切り。里芋やごぼうの皮は洗い過ぎては×、おいしさ半減です。忙しい方は筑前煮用の野菜の水煮で。 3.かぼちゃはレンチンして、余熱で完全に柔らかくなるまで置いて、

        • 固定された記事

        詩『量産型社会』

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        • 君二、ミニ、味蕾ヨ、届ケ、咲ケ!
          6本

        記事

          イラスト『SANAGI#』

          mixedmediaのイラストです。 アクリル絵の具で描きました。 過去作ですが、よろしくお願いします。 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

          イラスト『SANAGI#』

          詩『アカーーー流線型金魚』

          ながれながれて、流線型へと。ダリの時計のように、すこしずつ垂れ下がってくる時間。散らばっていた羊の毛みたいな雲を詰める。酢飯のような塊を箸で捕まえて食む。箱寿司としての空がぎゅっと濃縮されている。金糸卵の細長いひかりがひらひら、米粒から泳ぎだした金魚と踊る。   『Hello?hello?』 金魚が甘酸っぱいあぶくを吐く。匂い立つような桜並木をお吸い物のお椀に映しこんだら、鼻が起動してゆく。鰹節と昆布の繊細な二重奏に絡め取られて、身体の芯が揺さぶられる。五感の地殻変動。だ

          詩『アカーーー流線型金魚』

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          詩『森の入り口で会いましょう』は先週、#哲学で特にスキを集めた記事です、というお知らせがありました。皆さん、たくさんのスキありがとうございました。 久しぶりのシロクマ文芸部以外の詩でした。落選作。笑。でも自分的には、大事な詩なので、落選作供養。思ったより、たくさんのスキを頂けて嬉しかったです。 これからも頑張ります。 未来の味蕾 2024.4.20

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          詩『森の入り口で会いましょう』

          鋼の棘を呑む 鋼の棘を流しこむ きみたちと対話することは  棘の潜んだ最中を呑みこむこと それでもやはり最中は甘い匂いを放つ 季節がある どこまで削っても 掘りきれない季節がある それを指は知っているのに ちいさい刀は歩きつづけるもの きみたちはいつまでも 眼球を結んでくれない 視線を逸らした赤信号だ 音楽の鳴らない遮断機だ 牙を隠したタイフーンだ 七色を紛失した虹の橋だ 時間を脱色した哺乳類だ さんざ さんざ さんざめく鏡に照らされて 薄目でひかりの裏側を目撃する 第

          詩『森の入り口で会いましょう』

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          詩『砂のみちしるべ』#シロクマ文芸部は先週、#デザインで特にスキを集めた記事です、というお知らせがありました。皆さん、たくさんのスキありがとうございました。 今回のお題は「始まりは」でした。これはすぐ浮かびましたし、書きやすかったです。それに書いていて、どんどんイメージが湧いて、とても楽しかったです。 これからもまた頑張ります。 2024.4.3未来の味蕾 #シロクマ文芸部 #始まりは

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          詩『砂のみちしるべ』#シロクマ文芸部

          始まりはいつも砂まみれ あしあとを拾いあつめながら 俎板の上で道標を刻んでゆく トントントン、トントントン 生の向こうに待つ死を凝視する 指先を突いた針先 小鳥の舌のような鮮血が広がる 自転車に乗った少年が赤血球を漕ぐ 全身を循環して巡回して  温度が上昇しているのだ 茶封筒に記憶を封入してゆく 刺身みたいな生の記憶も  煮物みたいな熱の記憶も 受信者の箸で摘まみあげられて 時間をぐるぐる巻きこみながら 胃のなかで熟成する 寝ぼけ眼の蕾、 胸に秘めた卒業式の風も 目覚め

          詩『砂のみちしるべ』#シロクマ文芸部

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          詩『おさかなエレジー』#シロクマ文芸部は先週、#哲学で特にスキを集めた記事です、というお知らせがありました。皆さん、たくさんのスキありがとうございました。 今回のお題は『桜色』でした。この詩は書いていて、とても楽しかったです。 これからも頑張ります。 2024.3.26 未来の味蕾 #シロクマ文芸部 #桜色

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          詩『おさかなエレジー』#シロクマ文芸部

          桜色。はるを彩るさかな、桜鯛。花吹雪。はなびらが風に舞う。 ※1 昨夜、死んだはずの桜鯛が皿の上で嗤った。俺の眼を見つめながら、喰えるものなら喰ってみろ、と啖呵を切った。売られた喧嘩は、買わなくちゃなんねえ。腕まくりして、一膳の箸を掴んだ。生きた魚は『ひとつのいのち』で、死んだ魚は『たべもの』になっちまう。いつか海水浴にいったおいらたちも、巨大な鮫に食べられちまうかもしれねえな。そんな映画もあったな、な?な?おいらに色々と絡んできやがるから、桜鯛の目玉を一気に口へ放りこん

          詩『おさかなエレジー』#シロクマ文芸部

          詩『春のパレットを広げよう』#シロクマ文芸部

          朧月。夜明けが足音を立てて、近づいている。風が春を孕んで、色彩を連れてくる。首元が緩んで、ぐるぐる巻きマフラーがほどけてゆく。袖口も呼吸をして、あたたかい息遣いで、肌に接吻する。衣服も着られるばかりではなく、季節とともに生きている。パフスリーブは膨らんでは萎む蒲公英の綿毛のように。 * (case-A) (x-ray、32歳女性、独身) /朝一番に/はちみつレモンを摂取しよう/うっかり蜜蜂が肺に花粉を滑らせてしまったから/風でお掃除して頂戴/黒いレントゲン写真に/元カレ

          詩『春のパレットを広げよう』#シロクマ文芸部

          詩『思想の種』

          ユリイカ2024年3月号で選外佳作に選ばれました。 ちいさな 宇宙 と しての・・((種))・・が 苺 の 表面 を 埋め尽くして いる 真白 な 雪 に 零した 鮮血 の ような (赤い、 残像……)が(…… 追いかけてくる 記憶 の エアポケット が 口 を 開けて 待っている (装置、 と、 して、の 感情、) が 起動 する 甘味 と 酸味 の バランス が ブランコ を 漕いで 波打って いる (唾液、) が 溜まる 四角い 箱 の なかで ふくらんでゆく 記憶 

          有料
          100

          詩『思想の種』

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          詩『2月29日のballad』#シロクマ文芸部は先週、#哲学で特にスキを集めた記事です、というお知らせがありました。皆さん、たくさんのスキありがとうございました。 今回のお題は、『閏年』でした。でも中也や家族が出てくるあたりが私らしい。笑 これからも頑張ります! 2024.2.26 未来の味蕾 #シロクマ文芸部 #閏年

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          詩『2月29日のballad』#シロクマ文芸部

          閏年 四年に一度しか 祝ってもらえない誕生日 夏季オリンピックと同じ年の 透明な2月29日 風景に擬態して 輪郭も曖昧になってゆく みえない年を四層に重ねて 響いているカルテット 硝子製のジグソーパズルを 未完成な心臓に嵌めこんだ 細胞の核に 地雷を隠し持っている ふわり、 そよ風の袖に手を通す 太陽の微笑みが乱反射する 樹々が揺れながら ハッピーバースデーを歌ってくれる (ーーー歓声ーーー) ざわめきが木霊する 積もり積もった沈黙の殻を破いて 砕いて すり潰して 煎じ

          詩『2月29日のballad』#シロクマ文芸部