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『20年後のゴーストワールド』 ダメに生きてしまった自分の人生体験を元に文章を書きはじ…

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『20年後のゴーストワールド』 ダメに生きてしまった自分の人生体験を元に文章を書きはじめました。こちらを完成させてzineにするのが今年の目標。音楽とビールが好きです。ペンネームも考え中です。フォローぜひお願いします!

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  • 『20年後のゴーストワールド』

    2023年11月映画『ゴーストワールド』を観た。 私は歳取ってもフラフラして、毒吐いて、身勝手に傷ついて……今も消えたい気持ちで主人公イーニドとまるで変わらないままだった。 「イーニド、怖いこと教えてあげる。耳塞がないで聞いて!このまま20年くらい経ってもずっと変わらないで、うだつのあがらない人生を送ってる私みたいなのもいるんだよ。どんなホラーより恐怖!」 2023年とあるおじさんとの再会と関わりがひとつターニングポイントとなった。おじさんとの関わり、なんだよそこもゴーストワールドみたいじゃん。今のうまくいかない私の現状、私とおじさんを軸に20年後のゴーストワールドを書いてみたら面白いかもしれない。そんなことを思っている。 2部構成の予定。第1章「私のシーモア」から順に投稿していきます。是非読んでください。

最近の記事

『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(7)歌の中の人

「で、何で、村井くんのライブに来なくなっちゃったの?」 「……」 無言の時が流れた。 大袈裟に聞こえるかもしれないが、熱心に通っていたライブに行かなくなるのは、宗教の信仰をやめるのに近いものがある。私はガチ恋も伴っていたので余計に。心の拠り所であるライブに何故行かなくなったか、本心は信じられなくなったから。好きだったけど、好きでいられなくなったから……。 おじさんになんて言えば良いのだろう。他の人はどういう理由でライブに行かなくなる?彼氏彼女ができた?転勤?転職?結婚?子

    • 『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(6)個室でボディーシート

      今回第6話を迎えます。読んでくださってありがとうございます。自虐も他虐もキツいですよね……すみません。しかし、この第1章は「私のシーモア」ですから。映画『ゴーストワールド』においてイーニドがシーモアの絵を丹念に描き続けたように、おじさんを描写していきます。またしばらくお付き合いください。 勘の良いあなたなら気づいているはず……こんなけっこうな文章量で第5話まで展開しておきながら、なかなか話が文学的にならない。そう、ここまで主人公の私はずっとスマホの液晶画面の文字を目で追って

      • 『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(5)死因はガチ恋

        「昨日来ているかと思った(笑)」 夏の終わりが近づいてきた頃、コロナから復活したおじさんからLINEがきた。 ちなみにこの時もまだ焼き鳥は行っていない。 昨日はおじさんが過去にプロデュースして今も関わりのある村井(仮名)というミュージシャンのワンマンライブがあった。私はそれをおじさんのインスタの投稿を見て知った。ちなみに村井といっても村井守ではない。 村井のライブにはかれこれもう7年くらい行っていないのに。行くわけがない。行けるわけがなかった。 私は長年村井のファンだった

        • 『20年後のゴーストワールド』 ダメに生きてしまった自分の人生体験を元にオリジナル小説を書いています。 今までのおさらい&予告の登場人物紹介図です。 エピローグ〜第4話まで投稿しています。 次回第5話「死因はガチ恋」は5/6アップ予定です。 読んでいただけたら幸いです!

        『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(7)歌の中の人

        • 『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(6)個室でボディーシート

        • 『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(5)死因はガチ恋

        • 『20年後のゴーストワールド』 ダメに生きてしまった自分の人生体験を元にオリジナル小説を書いています。 今までのおさらい&予告の登場人物紹介図です。 エピローグ〜第4話まで投稿しています。 次回第5話「死因はガチ恋」は5/6アップ予定です。 読んでいただけたら幸いです!

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        • 『20年後のゴーストワールド』
          8本

        記事

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(4)年齢は記号

          おじさんとの焼き鳥はまだ敢行されていない。 おじさんは猛暑の真っ只中、コロナに感染していた。39℃を記録した体温計がおじさんのインスタに投稿されていた。 「大丈夫ですか?いや、大丈夫じゃないですよね、お大事になさってください」 「君だけだよ、そう言ってくれるの(笑)みんなただ大丈夫かきいてくるの、大丈夫なわけないのに、君はさすが好感がもてる(笑)」 おじさんに好感を持たれても、すでに嬉しくなかった。それなのに、おじさんが言って欲しそうな言葉を私はあえて言った。それぞれさ

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(4)年齢は記号

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(3)夢は孤独死

          コロナが5類感染症に移行して、巷のバンドのライブ活動も以前のように活発になった。ライブハウスも通常営業に戻った。床に貼ってあった足跡の図や、マス目のテープもなくなった。打ち合わせなどリモートでやりとりしていたことも対面でできることが増えた。おじさんの携わっているバンドもレコ初ツアーのために音源を作りたいだの、バンドが動き出すのと同じくおじさんは忙しくしているようだった。 毎日とはいかないまでも二、三日おきにおじさんとDMのやり取りは続いていた。今や連絡手段はDMでもLINE

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(3)夢は孤独死

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(2)私を構成する42枚

          2023年の5月末、インスタグラムのストーリーズにまさかの人物の足跡が残っていた。その人の名前は昔から見慣れた字面だけど、近年はたまにライブ会場で見かけることはあっても挨拶するほどの間柄ではないし、もともと深い関わりはない。なぜこの人が私のインスタを見ているのか……私はライブを観た感想をSNSに書くのが趣味なので、そこから検索でたどり着いたのか。 あれこれ考えていると、インスタのDMにその人からメッセージがきていた。お互いアカウントをフォローしていなかったので、私がメッセー

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(2)私を構成する42枚

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(1)最悪な大晦日

          時は2023年12月31日。 大晦日の夜、とあるおじさんに 「ナチュラルに人を傷つける天才ですね!」と言った。 もちろん言いたくて言ったわけではない。 厳密に言うと、面と向かって言ったわけでなく、LINEの文面で送った言葉だ。 「ナチュラルに人をイラつかせる天才」と一瞬迷ったけど、一応瞬時に気を遣った。厳密に言うと相手をイラつかせて傷つけてドン引きさせて、自分はまるで気がついていない状態。この発言に至るまで、私は大晦日の仕事終わりに好きなバンドの年越しライブを観てなんとか

          『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(1)最悪な大晦日

          【オマージュだらけじゃダメだけですか?突然のいいわけ】

          年始に今年こそはやるぞ!書くぞ!創作することで自己のモヤモヤから突破したいと意気込んでいたが、ぱったり更新できずにいた。私が書こうとしている『20年後のゴーストワールド』(一つ前の投稿参照) 大筋はほとんど意気込んだ年始に書いて、結末も書いた。私は本は最後から読むのが昔から癖になっているが、自分で書いても最後から書いた。一部と二部構成で、サブタイトルまで考えて…とここまでやる気だったのに… 単なる三日坊主といえばそれまでなのだが、 あのドラマを観てしまったわけです。先日最終

          【オマージュだらけじゃダメだけですか?突然のいいわけ】

          20年後のゴーストワールド

          はじめに 2023年11月映画『ゴーストワールド』のリバイバル上映を観た。2001年公開の映画。あれから20年強経つ。私は歳取ってもフラフラして、毒吐いて、身勝手に傷ついて…今も消えたい気持ちで主人公イーニドとまるで変わらないままだった。 「イーニド、怖いこと教えてあげる。耳塞がないで聞いて!このまま20年くらい経ってもずっと変わらないで、うだつのあがらない人生を送ってる私みたいなのもいるんだよ。どんなホラーより恐怖!」 この映画を観た前日に思い切り失恋した。 この映画が

          20年後のゴーストワールド