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【実例紹介】noteの定期購読マガジン、編集者が提供できること(終了後の振り返り)

2023年1月から編集担当として参加していた、中小企業診断士・かやんぬさんの定期購読マガジン。4月で更新終了となりました。

ありがたいことに「めちゃくちゃ助けられている」とご評価いただきつつ、18本の記事を4か月間かけて、毎週欠かさず公開することができました。

さて、この「編集者と一緒に、定期購読マガジンをやっていく」とはどのような状態だったのか…外からはブラックボックスでよくわからないですよね。

編集を依頼すると、具体的に何をしてくれるの?」
どのくらいのペースで、やり取り・推敲しているの?」
「単発記事の編集と、定期的に記事を出すマガジンの編集の違いは?」
クオリティはどう違ってくるの!?」

かやんぬさんに実例紹介のご承諾をいただきましたので、この機会にご紹介します。

編集者によって、また、編集者×執筆者の組み合わせによって、チェック観点・添削方針・サービス提供内容はものすごく違います。私とかやんぬさんの組み合わせだとこうだった、という一例です。

週1マガジンの執筆&編集工程

毎週木曜日公開、週1ペースの記事。
おおむね、以下のような工程で、かやんぬさんの記事をチェックしていました。

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記事公開前月 4~6本分まとめてネタ出し

公開ー7日(木) 1次原稿UP
     (金) お戻し
公開ー5日(土) 2次原稿UP
     (月) お戻し
公開ー2日(火) 3次原稿UP
     (水) お戻し
公開当日 (木) noteプレビューチェック、公開
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実質毎日、やりとりがありました。気分は週刊連載作家とその編集です。
私は基本的に1記事だけを追いかければよいのですが、執筆者であるかやんぬさんは、1次原稿をUPしたら、私の編集チェックの確認と手直しをする1週間を過ごしつつ、次週の1次原稿を平行して執筆していました(いやホントすごい)。

それぞれの工程を、実例をまじえて具体的に見ていきます。

月間ネタ出し

読者に「週1回更新」と約束して、有料のクオリティで記事を出し続けるというのは…本当に大変なことです。

1月、まず1・2本記事を出してみた結果、かやんぬさんは、たくさん読者に伝えたいことがあり、それを裏付ける理論や経験・観察談もたくさんお持ちで、……どちらかというと、1記事内で情報過多になりがちだとわかりました(それもすごい)。

それら多くの情報を、一通り原稿に書き出してからごそっと大幅に削るやり方だと、執筆・編集チェック効率が悪くなり、週1ペースで出すには……負担が大きくなります。

そこで、原稿を書き始める前に、ネタ・記事構成をスプレッドシートで相談する工程を提案しました。
単発の有料note記事1本をじっくり練るのとは異なる、定期購読マガジンならではの工程です。

3月、ネタを追加したときのチャット。
スプレッドシートでネタを俯瞰し、随時お返事したやりとり(一部加工)

スプレッドシート内の一例はこちら。

2023.4.13「私のスキルで足りる? 不安解消につながるメンターの見つけ方」のネタ検討。※実物を一部改変

このスプレッドシートを先に作り、悩むところは先に2人で相談しておくと、

  • どのような状態の読者を想定して書こうとしているのか

  • 1記事1要点、目安3000~5000文字に収まる内容か

  • 前後週で同じような内容が続かないか、矛盾がない

  • 言いたいことを補強する材料(過去の経験・観察談など)が適切か

  • 与えたい読後感(読者に残したいもの、促したい行動)は何か

など、記事の前提を意識して執筆者が書き出せます。
編集チェックする私も、意図に沿って原稿を拝見し、改善を提案できます。

このスプレッドシートで、執筆後の大幅な後戻り(書きなおし)が少ない、効率的な執筆ができる状態をめざしました。

1次原稿

ここからは、1記事ができるまでの具体的な編集チェックを、2023.4.13「不安解消につながるメンターの見つけ方」の記事をもとにご紹介します。

発行日約1週間前。
スプレッドシートをもとに、かやんぬさんが1次原稿をGoogleドキュメントで執筆してUP。それに私が編集チェックをいれます。

1次原稿の編集チェック観点は「構成の改善」「材料の改善」です。考えを深めて部分的に追記・修正する、わかりやすく構成しなおすための手がかりとなるよう、第三者目線の疑問や、改善提案をお返しします。

≪実例 1次原稿約4000字に対して約30コメント、翌日お返し≫

1次原稿で「スキル不足の不安」の例示に対して、コメントで質問した部分。コメント1つずつが、内容に関する問いかけや代案でボリュームがあります

2次原稿

1次原稿お戻しの翌日。修正した2次原稿をいただきます。

2次原稿の編集チェック観点は、「表現の改善」です。
練り直した内容が、よりストレスなく、より読みやすく読者に入っていくよう、一言一句ていねいに読みこみ、表現の改善案をお返しします。

≪実例 2次原稿約4500字に対して約170コメント、翌々日お返し≫

言葉の過不足の調整、文の長さや句読点の調整、表現統一など。細かなチェックと提案を入れていきます

3次原稿

2次原稿のお戻し翌日。3次原稿をいただきます。
3次原稿の編集チェック観点は「ミスつぶし」です。修正によって生じた齟齬や、修正時のタイプミスなどで生じた誤植などをつぶしきれるよう、チェックを行います。
基本的に、新たな加筆・内容改善の提案は行いません

新たな書き直し部分は、表現の粗さが残るリスク、全体との齟齬が出るリスクが高くなります。下流工程に進めば進むほど、気になるところが出たとしても、あえて大直しせず、固めた原稿の守りに入る。これはどの編集者と組んでも、同じはずです。

≪実例 3次原稿約4500字に対して約20コメント、半日後にお返し≫

2次原稿で修正した結果生じた、読みにくい部分を整える提案をお返し

noteプレビューチェック

3次原稿までGooleドキュメントでやりとりし、内容が固まったら、かやんぬさんがnoteに原稿を移植し、写真などをセット。
noteのプレビューを共有いただきます。

noteプレビュー時点では、URLの遷移や、画像と画像のキャプション(画像下に小さな文字で添えられた説明文)の合致チェック、スマホで見たときの見やすさチェックを行います。
もしも、見逃していた誤字に気づいたらあわせて指摘します。

なお、noteの画像について1つtipsをご紹介。
皆さん、記事の画像には、フリー素材を使ったり、ご自身で撮影した写真を使ったりされると思います。
このとき、ご自身で撮影した写真は、撮影した年月と撮影者をキャプションに明示するのがおすすめです。

フリー素材は全世界、さまざまな他人の記事に使われています。よく使われる写真には「あ、どこかの記事でみたやつと、かぶってる」という印象もありますよね。
しかし、ご自身の撮影した写真は唯一無二、ほかの人の記事では見ることがない貴重なものです。
そして伝えたいことを、ズバリその時その場所を切り取った写真で補強すると、強い説得力が生まれます。せっかくの撮影写真がどこかのフリー素材のように見えるのはもったいないですよ。

かやんぬさん有料note「目標を達成し続ける人になる」より。サンフランシスコの写真がフリー素材ではなく、ご自身で撮影されたものと読者にわかるように、(2013.9筆者撮影)を入れる提案をしました

公開後チェック

公開されたら、真っ先に本URLを一読しにいきます。
プレビューで見てはいますが、目次のページ内移動など、実公開でないと確認できないこともあります。
そして、不思議なことに、3回以上チェックしているのに生き残っている誤字脱字、文字ダブりを見つけることもあります…(見つけたら即修正依頼。デジタルコンテンツは世に出てからでも修正できるのが強みですね)。

ミスが残っていないか心配という気持ちもありますが、それ以上に、関わった記事が世に出たら、晴れ姿を真っ先に見たくなる親心的なものが私にはあります(笑)。
読者と同じように記事を読み、執筆者さんに仕上がりの感想をお伝えします。

例示に使った記事、マガジンの案内

こうして、ネタ出しから複数工程にわたって執筆・編集された記事が1つ、世の中に公開されました。ぱちぱちぱち。

▽公開された最終的な記事。例示に使ったのは無料部分なので、ご興味があれば、ここまでの記事と照らし合わせてご覧ください。

▽編集担当で参加したマガジンはこちら、計18記事。更新は2023年4月末で終了していますが、現在も1記事ごと購入可能です。

編集依頼のご相談はこちらから


以上、私が編集担当として定期購読マガジンにどう関わっていたのか、実例をご紹介しました。

お気づきかもしれませんが…わたくし若橋未央を編集担当として、週1回以上、定期購読マガジンを更新するとなると……1週間に原稿チェック3回+前後にも工程があり、それなりに手間と時間がかかります
ほぼ毎日、何かしらやりとりがあります!笑

私は原稿チェックを基本24時間程度でお戻ししていますが、執筆者さまも、編集チェック戻しから24時間程度で修正原稿をあげないと、週1回発行に間に合いません。
編集と組めばラクラク万事解決ということはなく、執筆者さまご自身の覚悟と熱意(そして依頼料金…)が必要です。
でも、1人ではなく、編集と2人で進めることで、記事の品質をあげ、一定ペースで公開し続けるという、高いハードルを乗り越えやすくなります。

質の高い安定した定期購読マガジン、ご興味がある方は、ぜひ「編集者と組む」ことも検討してみてください。

そして編集者の中でも、若橋未央とやってみたいな、とご興味をお持ちいただきましたら、TwitterDMnoteお問い合わせフォーム等でお声がけください。記事のジャンルや発行ペース、ご要望などに応じて、個別にお見積いたします。

▽参考記事 若橋未央の略歴、他メニューのサービス料金、FAQなど

あなたの定期購読マガジンを一緒に発行できる日を楽しみにしています。

若橋 未央


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