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「お金とのつき合い方」と「社会への向き合い方」

「お金」は万人共通のわかりやすく明確な指標だけれど、唯一絶対のものではない。それに囚われてしまうと、大切なことを忘れたり失ったりしてしまう。

でも、必要不可欠ではあるし、あるに越したことはない。選択肢や機会が増えるのは事実。どうやって付き合っていけばいいんだろう。


小さなころからの境遇も手伝い、お金との付き合い方には試行錯誤してきました。色々本を読んで考え方のヒントを得るように心がけていたけれど、本質的にモヤが晴れることはなく。

ここ最近はベストセラー本に目を通すことを意識していたのですが、こちらの書籍がめちゃめちゃよかったので(最後号泣してしまいました)、感じたことや考えたことを書きとめておきます。


お金が目的になると心がざらつく

フリーランスになってからの初めの1年は「収入どうしよう」という不安や、「会社員時代と同じくらいは稼がねば」という自分で自分に課した謎のプレッシャーがありました。

今思うと、これまで自分がいた環境の価値観や世間体からの「べき」「ねば」でストレスをためるなんて、何やってるんだろう…って感じですが、この考え方でぎゅうぎゅうに縛られて、他が見えない状態でした。

はしょりますが、色々とがんばった結果、収入自体はしっかり保つことができ、お金への不安もほとんどなくなりました。

不安がなくなったのは、お金に対してずっと抱いていた考え方が変わったことが大きな理由かなと思っています。今は、収入と支出がプラスマイナスゼロになればとりあえずOKな考えになりました。だいぶ柔軟に、ゆるやかになりました。

約1年間、試行錯誤して私個人が感じたのは、お金だけが目的になると、心がざらついたり虚しさしか残らなかったりするということ。そして何より、自分が本当に大切にしたいことや意味があると感じる時間を優先すると、生活と心に潤いが生まれるということ。

とはいえ生活の土台としての、食べていくためのお金を得ることはめちゃめちゃ大事なので、「お金の稼ぎ方」「増やし方」のテクニック的なことも必要だとは思います。

ただあくまでそれは目的ではなく、自分や周りの人が幸せに生きるための手段なので、その考え方だけに囚われて中毒状態にまでなってしまうと、気づけば大切なものを失ってしまうのかなと思います。時間とか健康とか、本来得られていたはずの機会とか、精神的な豊かさとか。

きれいなお金の使い方をする

「適切なお金の使い方」って難しいですよね…。私は小さなころの癖(貧乏性)がしばらく抜けず、かつ奨学金の返済(数百万円)もあったため、20代はカツカツな生活を送っていたなぁと振り返っています。財布が、というより、心がカツカツしていたかも。

30代になり、ある程度余裕をもって暮らしてもよいのかも、と気づいてからは、自分の気分が良くなる消費(投資)をしようと心がけてきました。

お金という指標ではなく、心地よさやわくわくするという感覚でものを選ぶ。そうやって身の回りのものを集めていくと、自分の気持ちがこんなにも満たされるんだなぁと実感しました。

未来のためにお金を貯めることも続けていきつつ、「今」も大切にしながらお金を使っていきたいな、と思っています。

"じぶんごと"の範囲を広げていく

SDGsという標語を掲げるだけで、ビジネスチャンスとして金もうけに走れば、"ぼくたち"はせまいままや。お金の奪い合いが始まる。そうならないために、僕らは未来を共有したほうがいい。

『きみのお金は誰のため』p.217

フリーランスの働き方は、仕事/成果の対価として報酬をいただけるのですが、当初はその仕組みがとても好きでした。

自分次第で時間単価を上げられるし、効率的に働ける。無駄なことはしたくない自分の価値観とあっているな、と思っていました。

ただ、1年半年たって思うのは、やっぱりここもバランスなのかなぁと。効率性ばかりを追い求めてしまうと、何か大事なものを失っていくような感じがありました。

最近は、ライフワーク、お金にならなくても続けたいことや趣味にもっと時間を割いていきたいなと考えています。noteの更新もその一環ですし、本を読む・カフェに行く時間はマストで確保したいなと。

自分自身の基盤もしっかり整えて、自分の周り(家族、地域、社会…)のためになるという視点をより大切にできる状態になることが理想です。

おわりに|まずは自分を満たすことから

自分自身を満たすこと、最近は特に、仕事はぼちぼちに留めて、暮らしの基盤を整えることに注力しています。

※仕事はぼちぼち、とは言っても、フリーランスって仕事のボリューム管理が難しいですよね…。優先順位づけをしながら(単価、自分の成長、スキル向上、社会的意義などの項目でバランスをみつつ…)仕事をしていますが、そのあたりのこともまた別の記事で書きたいなと思います。

暮らしの基盤というのはつまり、家事をしたり、料理をしたり、片づけたり、断捨離したり…というようなこと。びっくりするくらい気持ちがすっきりするし、精神衛生上とてもよい効果があるのを実感しています。

ちなみに最近はラジオにはまっていて、音声を聴きながら作業していますが、音声でつながる感覚って心地よいですね(NHKラジオアプリや、10年くらい前に購入した防災用ラジオを寝室で使ったりしています)。

しばらくは自分を満たすことを優先に過ごしていきたいなとも思っています。そしてお金とのつきあい方も、もっとうまくなっていきたいです。



●雑記・エッセイをマガジンにしています。


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