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せっかく鍛えた筋肉が落ちちゃったらどうするの?マッスルメモリーの話
こんにちは!privategym-7です。
暖かくなってきました!だんだん薄着になってくる春はダイエット中の方にとって勝負の季節です。この時期に体が絞れて来ると春夏が楽しく過ごせるようになります。僕は典型的な肥満体型だったので太ってる年の夏は体型が隠れる暑苦しい服装ばかり着てました...。今年の夏はおもいっきりTシャツとポロシャツを楽しむぞ!
話は変わりますが、皆様『マッスルメモリー』という言葉は知っていますか?基本的に筋トレを一定期間せず放置すると筋肉量は落ちると言われています。ただ、一度鍛えた肉体は、しばらく鍛えるのを止めて衰えてしまっても、筋トレを再開すればマッスルメモリーによってすぐに取り戻せます。今回は怠け者の僕にぴったりな言葉『マッスルメモリー』について話をしていきます。
衝撃的なお客様
フィットネスクラブでのお客様で衝撃的な変化を遂げたお客様がいました。『結婚式の日程が決まったので体重を72㎏まで落としたい』とカウンセリング時に申告いただいた方でしたが、当初の体は30代後半の男性で170㎝、85㎏、体脂肪率が27%ほどある肥満がかなり進行してしまった状態でした。結婚式までの期限は3カ月ほど。この期間で13㎏落とすのは相当な食事制限とトレーニングが必要でした。
私は当時新米だったので担当としてレッスンをすることはなかったのですが、先輩のサポートとしてお客様とお話しさせていただく機会があり、とても温厚でいつもニコニコしている方だったのを覚えています。しかし、普段の生活を聞くと毎日お酒を飲み、ラーメンと焼肉が大好きな方で正直『本当に痩せられるのかな?』とハラハラしながら先輩のレッスンのサポートをしていました。ところが、先輩はなぜか余裕そうな顔をしていました。
実際に過程をみていくと、1か月目『んん?なんか大きくなった?というか筋トレ時に上げる重量がすごいな』2か月目には『あれ?痩せてきた?なんかいけそうじゃない?』3か月終わるころには『信じられない!めちゃめちゃかっこいい体になってる!!!』でした。
結果的にそのお客様は見事期限内に-13㎏達成し、結婚式の数日後とてもかっこいいタキシード姿のお写真を見せてもらいました。
あとから聞いた情報ですが、そのお客様はもともとラグビーの選手で20代は筋トレばかりしていたそうです。引退してからは数年間運動や食事制限から離れていたらしく反動で太ってしまったとのことでした。
なぜ昔筋トレをしていた人は筋肉の成長が早いのか
正確に言うと筋肉の『成長』ではなく『再生』が正しい表現かもしれません。マッスルメモリーは実在していて、科学的な根拠もしっかりあります。
しばらく筋トレから遠ざかっていた人も、ご安心ください。筋トレを再開すると、すぐにまた元の筋肉がついた綺麗な体に戻れます!それだけではなく、マッスルメモリーを利用すると、前よりももっと綺麗な肉体になれる可能性だってあるのです。
マッスルメモリーのメカニズム
過去に筋トレで体を鍛えたことがある人は、再開してから急激に筋肉量が戻るので、まるで筋肉の状態を記憶するシステムが体内にあるかのように考えられていました。そこで、この現象が『マッスルメモリー』と呼ばれるようになったのです。
『筋肉に強い刺激を与えることで筋肉が損傷し、それを修復する過程で以前よりも大きな筋肉になって回復する』という理論が一般的によく解説されています。これは『超回復理論』と呼ばれています。確かに、超回復理論は筋肉を大きくする方法を分かりやすく説明できています。しかし、それだけでは筋肉を大きくする説明としては不十分です。
筋肉は複雑な筋肉細胞から構成されていて、その細胞はたくさんの『核(DNAを含む細胞核)』が入っています。核が筋肉細胞を支配しており、筋トレをするとその核が筋肉細胞を大きくします。
しかし、1つの核の影響力が及ぶ範囲には限界があるので、一定の体積以上には筋肉細胞を大きくすることができません。現在の研究結果では、筋繊維が10%ほど太くなるとこの限界に達すると考えられています。
では、その筋肉細胞が限界まで大きくなったら、次はどうなるのでしょうか。細胞は核の数自体を増やしていくのです。
増殖した核は、またそれぞれ先ほどのように自分の支配領域の筋肉細胞を大きくしていきます。
このプロセスの繰り返しによって、筋肉は大きくなっていくのだと考えられています。つまり、筋トレで一番大切なのは、筋細胞の核の数を増やすことなのです。
マッスルメモリーとは筋肉細胞の核の数を保存すること
筋肉細胞の核を増やすのは大変です。でも、現在の核の数を保存できるとしたら、とても便利ですよね。苦労して増やした数を保存しておければ、再開したときも楽に進められます。
つまりマッスルメモリーとは、筋肉細胞が増えたままになっていること。よって筋トレを再開すると落ちた筋肉が元通りになりやすいのです。
人間の体は合理的なものなので、生活に不要な物はどんどん省いていきます。
筋トレを止めてしまうと、体は大量の維持費が掛かる大きな筋肉はもう必要ない判断するので、不要な筋肉細胞が縮んで筋肉はどんどん減っていきます。ところが、2010年に行われたBruusgaardらの研究で、筋肉細胞が萎縮しても、それまでに増えた核の数は長期間減らない、ということが実証されたのです。
つまり、筋トレを再開した後も核の数がそのままなので、一番大変な核を増やすという作業を飛ばして、筋肉をどんどん増やしていけるということです。
ちょっと複雑な説明をしてしまいましたが、これがマッスルメモリーのメカニズムです!
筋肉細胞を呼び戻せ!
筋トレを続けることで、私たちの肉体は進化します。
筋トレの厳しい環境に耐えるために培われた筋肉は、その後筋トレから離れてしまっても、体の奥深くに消えることなく眠っています。
なので、一度運動によるダイエットからリバウンドしてしまってもあきらめないでください!怪我や病気でトレーニングから離れざるを得ないときでも、心配はしないでください!旅行する時は、ジムに行くことは考えずに、たっぷり旅行を満喫しましょう!
5年や10年程度筋トレをしない時期があっても、体はちゃんと昔のことを覚えていてくれます。