みんと

本が好きだけど最近あまり読めていなかったので、モチベーションのため、あとは自分の備忘録…

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本が好きだけど最近あまり読めていなかったので、モチベーションのため、あとは自分の備忘録のために読書記録を付け始めました。

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読書記録5:檸檬先生

檸檬先生 珠川 こおり  共感覚を持つ私が、同じく共感覚を持つ檸檬先生と出会って、普通を覚える話。久しぶりに本で泣いた。私は先生に世界の見方を教わって、だから先生が私の世界の大部分を占めるのは当然だなと思った。  先生の、普通になってほしいという思いと、それが嫌だという思いが、矛盾しているようだけど、確かに共存している感じが苦しかった。  文章もきれいで読みやすかった。徐に、などはちょっと読みに迷ったけど、笑   ブルーピリオドの山口つばささんがカバーを描いたという

    • 読書記録:8 ウェルテルタウンでやすらかに

      ウェルテルタウンでやすらかに 西尾維新  故郷の安楽市を「自殺の名所」にするという町興しのために自殺小説を書くことを頼まれた小説家、言祝寿長が故郷が「自殺の名所」になってしまうのを防ぐために奮闘する話。  まず登場人物の名前がみんな個性的で覚えやすい。読んでいてこれ誰だっけ、って絶対ならない。  言祝の視点で話が進んでいくが、彼の過去や気持ちは少しずつ明かされていくので、物語への印象が少しずつ変わっていくところが面白い。  最後の方はあとこれだけのページ数で終わるの!

      • 読書記録:7 青の数学

        青の数学 王城夕紀 数学に取り憑かれた主人公が、数学をしながら日々を過ごす話。数学を解く速さや量を競う決闘を繰り返しながら、なぜ数学をするのか、なぜ数学で戦うのかを考える。 数学をする意味がわからなくなって迷ったり、それでもやり続けて少しずつ吹っ切れたりという心の動きが面白い。 私にはここまで打ち込めるものがないので、単純にすごいと思った。 文章中に、数学の用語はたくさんでてくるけど、理解できなくても楽しめる。理解できたらもっと楽しいのかもしれないけど、わたしには難しい

        • 読書記録6:あしたはれたら死のう

          あしたはれたら死のう 太田紫織 自殺未遂をして記憶を失った女の子が、なぜ自分が死のうとしたのかを探す話。 主人公から見える登場人物の印象がどんどん変わっていって、こちらの接し方や意識で、人の印象(いい人、とか悪い人、とか)は変わるんだな、と思った。 なぜ「はれたら死のう」なのかの理由がとても大きいことではないけど、綺麗で素敵だと思った。 文藝春秋 9784167907488

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        読書記録5:檸檬先生

          読書記録4:名探偵のままでいて

          名探偵のままでいて 小西マサテル ミステリマニアで認知症の主人公のおじいちゃんが、主人公の周りで起こる事件を解決していく話。各章ごとに一つづつの事件が解決する短編集みたいな側面と、裏側で人間関係などが進んでいって、長編の物語みたいな側面がある。読みやすい。 「ミステリにはお決まりが多い」と作中で言われているが、おじいちゃんが推理をする場面にも、お決まりの流れがあって、おじいちゃんがミステリ好きなんだな、と感じられて楽しい。 最後の終わり方が個人的にめっちゃ好き。きれい。

          読書記録4:名探偵のままでいて

          読書記録3:推し、燃ゆ

          推しが炎上した主人公の、自分語りみたいな小説。ずっとどこか暗くて、引っ張られやすい人はちょっと元気なくなりそうだなと思った。 私にも推しはいるが、この話に出てくる人たちほど推しを生活の中心には据えていないし、二次元に存在する推しなので、炎上の心配はあまりない。 それでも読んでいてところどころしんどかった。 ずっと、ハードカバーで出版されたときから気になっていて、でも短い話っぽかったから文庫版がでたら買おうと思って、ここまで読まずにいたけど、読んでちょっとしんどくなったけ

          読書記録3:推し、燃ゆ

          読書記録2:「死にたい」と言われたら

          「死にたい」と言われたら 末木新 自殺について、その原因や対処法などが書かれている。普段ぼんやりと考えることについて、しっかりと言語化されていて、自分の考えを振り返る機会になった。 自殺は悪なのかということについても安楽死なども絡めて考えられていた。自殺は良くないという前提をもとに考えられていることが多いため新鮮で、対処法だけでなく、自殺そのものについて考える機会になった。 個人的には、最近、倫理学の講義で学んだことが多く出てきたため、興味を持って読めたし、学びに少し意

          読書記録2:「死にたい」と言われたら

          読書記録1:名称未設定ファイル

          十七編が納められた短編集。フォントや書き方にもこだわっていて、話ごとに雰囲気が違う。 個人的には、11 ピクニックの日が優しくて悲しい世界を感じて好き。 世界をメタ的にみているような話が多い。自分もその一部なのに、悪いところを指摘したい気持ちにさせられた。 数年前に、品田遊さんの『ただしい人類滅亡計画』という本が気になっていたことを思い出した。名称未設定ファイルは面白かったので本屋で見かけたら買って読もうと思う。 キノブックス 9784908059704

          読書記録1:名称未設定ファイル