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葬儀の仕事。超初心者時代。14

お別れ会も経験し、またのりにのってきた私たちw

そんなときに 家族葬 の依頼が。
ここで苦い経験をするのです。。

それまでの当家さんとのやりとりの中で
(それまでの当家さんは私たちが初心者ということをあるていどわかっていて、さらに応援してくれたり優しい大人な当家さんばかりだったような。。)
当家さんと一緒につくっていけばいい葬儀はつくれる と変な自信をもっていた。

家族葬。

確かにすこしずつ増えつつはありましたが、うちの式場がある田舎では実際に家族葬を執り行うという当家さんはなかなか少なかった(2015年当時)。
家族葬がしたい と思っても田舎特有の親戚の多さ(最低でも40人はいる)、組内を使わないといけない強迫観念w(だいたい組内さんは10件程度。ご夫婦で手伝うといわれたら20人はくる)。まず身内と組内で最低60人w
家族葬できないよねw

それでも少なからず 家族葬をしたい という方はおります。

田舎での家族葬の解釈はほんとうに様々ですが 意見をまとめてみると
「安価でできる」と解釈している方がほとんどなのです。

やること一緒だから安価でできるわけではないんですがね。

私の中で家族葬といえば家族のみで行う葬儀、という認識。
ただ、田舎の人がいう家族とは親戚も含めた近所の仲良しさんも呼びたい家族。
そうすると結局少なくても50人くらいくるのよ。
そして 家族葬なんだから安価に。。って言ってきます。

まあ、その話は置いといて
苦い経験をひとつ。

家族を亡くされて 家族葬をお願いします。
そうご来館された若いご夫婦。40代くらいだったように思います。
故人さんは会館でおあずかり。お預かりの日から安置を見届けてすぐにおかえりになったご夫婦。
お預かりの場合だいたいの当家さんはなかなか故人さんから離れがたく、しばらく会館にいることが多いのですが、ご夫婦は早々にご帰宅。
もしかしたら今日は病院から直行したので御用でもあったのかしらと特に気にしませんでした。

次の日。朝5分ほど滞在しておかえりになり、その日は戻ってこなかった。
電話をかけてお打ち合わせのことを話し、来館していただいてお打ち合わせ。
済んでしまったらもうご帰宅。
なんだか私たちの気持ちが入っていかない。
その次の日は来館されたことに気づくこともなく、気づいたのはおかえりになる後ろ姿。 
???
翌日はお通夜となっていたので担当以外のスタッフはそのご夫婦と通夜の日まで会わなかったスタッフも。
普通、、と言ってはいけないのかもしれないけど 普通の当家さんはご来館されたときにチャイムをならし、私たちに声をかけて入館していく。帰るときも然り。
そのご夫婦はとくに私たちに声をかけるでもなく、すーーっと入って すーーーっと帰っていく。。
対人関係が苦手な方たちなのかな?と思ってあえて私もこちらから声をかけることはしていませんでした。

お通夜の時にはご親戚なども含めて20人程度が集まりました。

特に何事もなく、翌日に告別式。
荼毘にふされてご自宅へと帰っていかれました。

それから1時間くらい経った頃でしょうか。。
ご夫婦のご親戚から電話がありました。
えらくお怒りになってまして、とにかくうちに来い!!と。
飛んでいきました!何かしてしまったのかと。

お邪魔してお話しを伺うと
どうしてあんなに喪主夫婦に対して相手にしてやらなかったのか!
家族葬だからああいった扱いなのか!!?
喪主は初めての葬儀で家族葬でやると頼んだ。
初めての葬儀で何をしていいかわからないのにどうして何も教えてやらない?
家族葬だからバカにしたのか!!?
あんな態度で当家に接するようではおたくの会館は客はいなくなるわな!
うちでは二度とおたくは使わない!

とにかくお怒りモード。
私から言わせれば は?? な話である。
もちろんお怒りモードのお客様に対しての対応は心得ておりますので、まずはすべて思っていることを話していただきました。
私たちが何かをしてしまったということではなく
私たちが何もしていなかった ということに対しての怒りだった。

何かしたくても何もできなかった。
と言いたい気持ちはありましたが、喪主本人がいないのでそれは言ってはいけない。第三者にこの話をしてしまうとさらにこじれることがわかっているからだ。

言いたいことが言えなくて、ご親戚に話して代わりに文句をいってもらう。その気持ちはわかる。それでもその話をする時に本人が立ち会っていて欲しい。
直接お話ししたかった。

なんでそうなったか。
うちに頼んだことで後悔する葬儀になってしまった。

そんな思いをさせてしまったのは、コミニュケーションの不足。
当家さんが来ないからいいや、そう思って必要なことだけの確認で進めてしまった私たちの落ち度。
相手が何を考えているのか、相手がコミニュケーションをとらないタイプであればこちらからとらなければいけない。
そんなことを学ばせていただいた 苦い苦い経験。



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