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インター日本語教師って英語できるんでしょ?

今日は「インターナショナルスクールの日本語教師です」と自己紹介をすると必ずと言っていいほど言われること2選をご紹介します。


「すごい!英語ペラペラなんだ!」

いや、むしろ英語コンプレックスーーー!!!笑

なんなら数年前まで英会話アレルギーでしたし、今だって中学生にちょっと毛が生えたくらいですわ

これは日本語教師ならどんな対象者を相手にしていても言われますが、まず、日本語を学びに来る人が英語話者とは限りません!
なので、日本語教師は英語ができると有利ではありますが、大多数は外国人相手にわかりやすい「かんたんなにほんご」を上手に使える人という方が当てはまるんじゃないかなと思います。

私事ですが、小中学校くらいまでは、そこまで英語を嫌いとは思っていませんでした。
しかし、受験文法や資格での点数伸び悩みを経て高校生の時に英語嫌いになって以来、大学に入ってからは韓国語に没頭していました。
(進学先は第二外国語が必修でした)

韓国語は性に合っていたようで、多少のことではめげずに色々とチャレンジすることが楽しくてめきめき上達。
留学先では「えりは、ちょっと韓国語が下手なだけの韓国人」とまで言われるほどのめりこんでいました。

大学院では英語論文に大苦戦。
読み込めなくて、何度も授業後に泣きました。
その頃には専門が日本語教育の中でも(大雑把に言うと)バイリンガルバイリテラシーを扱う研究室に属しており、どんなに嫌でも英語論文からは逃げられず、完全に苦行でした。
指導教官が違っていたら病んでたと思います。指導教官は完全にに恩師です。

そして縁あってインターナショナルスクールに勤務できることになりましたが。ここに最大のカラクリがあって・・・。
インターの先生って基本日本が好きで日本に来た人が多いので、むしろ同僚が日本語ペラペラなんです!
日本語もっと上手になりたいから、自分とは日本語で話そう!なんていう先生もいて、日本語教師的には日本語好きでいてくれてもう嬉しくて嬉しくて!(おい)

1校目は校風や同僚たちの優しさに支えられ、ほぼ英語を使わずとも教員生活を送れてしまうという。(その弊害で細かなトラブルや不便はもちろんありましたが割愛)

今の勤務校は英語使用が原則の学校で、ここでいよいよ逃げ道がなくなり、最近になってようやく、英語をタイムラグ少なめで使えるようになってきました。
私を伸ばしてくれたのは、この学校の方針と同僚・管理職の深い理解、そして何より私の英語力をバカにせず授業を通してたくさんのことを教えてくれた生徒たちのおかげなのです。

というわけで、二つ目いきましょう。

「じゃあ、お子さんたちも英語しゃべれるようにしてるんでしょ?」

いえ、全っっ然!!!

だって我が家、現状で誰も英語必要としてないし←
強いて言うなら私が仕事で使うだけ。
夫婦共日本人だし、海外に移住する計画も無いし。

しかも私は「日本語教師」です!
日本語に愛着があって日本人にとって日本語は超重要と考えてる人間なので!
息子たちが必要としていなければ無理にさせなくてもいい、というスタンスです。

ただし。
種まきはしています。

どんな種かというと、「世の中には色々な国があり、文化があり、多様な人種の人がいて、多様な言語がある」というのを当たり前にするための種です。

具体的にしていることは、
・仕事の様子を見せる(私の場合、一番手っ取り早い)
・外国籍の友人に積極的に会わせる
・英語のpops、Kpop、その他英語や韓国語の童謡を遠慮なく流す
・英語や韓国語のドラマを遠慮なく流す
・ニュース(バラエティ性の低いもの)をなるべく見る
・世界地図や日本地図関連の絵本を時々読む
・国旗かるたをカードゲーム入れの中に入れておく
・Google mapをいじらせる
・食事の時に「これは○○って国のごはんだよ」と言える時にさりげなく言う
・日本の行事食はできるだけ用意して、日本の行事や文化について話したり絵本を読んだりする
・子どもの目の前で英語などの外国語を勉強する

書き出してみると、意外とやってましたね・・・(笑)
でも、これすべてを毎日やっているわけではありません
心がけとして常に持っておいて、気がついた時に、タイミングがあれば、さりげなく、やっておく。

そして、一番心がけているのは、これらの体験から息子たちが学ぶのは価値観や経験であり、言語力を伸ばすためにしているのではない、ということです。

言語力を伸ばしたいと思うかどうかや、その言語が必要な環境に身をおきたいと思うかどうかは、もはや子どもたちの決めるところ
私が干渉できる範疇ではないのです。
でも、価値観やものの考え方は家庭や保護者の影響をがかなり大きい。
どんな経験をするかで子どもの価値観はかなり変わってくるので、そこはしっかりしていきたい、というのが私の方針です。

そんな方針で育てられて5年になる長男は、「お母さんだけ、ぼくの知らないことばでお話できるのずるい!」「ぼくもえいごべんきょうする!」と言ってきました。・・・たまにしかしないけど(笑)
2年経った次男は恐らくお腹の中で私の英語を聞いている時間が長かったせいかアルファベットを先に覚えたようで、日本語教師の私はひらがなの50音表をあわててリビングに復活させました(笑)
ちなみに、次男のひらがな家庭教師は憧れの男、長男です(笑)

というわけで、英語に関してはそれぞれが、それぞれのペースで、それぞれのやり方で進めていってくれと思います。

最後に

前項の価値観の種まきについては、外国語に限らず意識しています。
息子たちには、自分と違うという理由で何かをむやみに怖がったり、むやみに悪者扱いするような人間にはなってほしくないからです。

道で車いすの人がいたら、松葉づえの人がいたら、手話を話している人がいたら、白杖を使っている人がいたら、知的障害の人がいたら、テーマパークでお姫様の服を着ているお兄さんがいたら・・・
子どもたちは、市内を見回すだけで色々な人がいることに気がつきます。

世の中には、自分と違う人がたくさんいる。自分と違う人しかいない。

自分が理解できないからといって、その人が悪いもの怖いものとは限らないし、迷惑な人であるとも限らない。
もちろん、大人として見て危ない人、近づかない方がいいと判断した場合はそう伝えます。
正直、とっても難しいですし、伝え方を失敗したなと思うことも多々あります。
そんな時は次の機会に軌道修正すればいいのだと思っています。

よく観察して、本当に怖くて悪いものとの区別がつくように長い時間をかけて教えていかなければならないと心掛けて、引き続き頑張っていきたいです。

というわけで!
相変わらず余談が長いですが、インターナショナルスクールの日本語の先生というといわれること2選でした!

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