環境問題の原因はどこから？全てはデカルトから始まった

2024年2月11日 22:59

こんにちは、みねるばです。今日は環境問題と哲学についてのツイートまとめです。

ツイートまとめ：環境問題の原因はどこから？

「環境問題の原因ってなんだろうね」と聞かれたので、ちょっと考えてから、「全ての悲劇はデカルトが物心二元論を唱えた時から始まった」と切り出したら、「えっ、そんな重いの来る？」みたいな顔をしていたので、ところでプラスチックって良くないよね～と話を変えました。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

デカルトが気になるという方がいたので、大した話はできませんが、ちょっとした話を。
試しにペンを落としてみてください。多分、誰が落としても同じ落ち方をすると思います。調子が良い時だろうが悪い時だろうが、善人だろうが悪人だろうが同じです。
何を当たり前のことをと思うでしょうが、
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

実はこの当たり前を作ったのが17世紀の哲学者デカルトです。心と物は別物。心の内側で何を思おうと、物には何の影響も及ぼさない。この考え方を物心二元論と言います。

では、デカルト以前はどうだったか？
物質世界と精神世界は一体でした。例えば錬金術師。実験室でフラスコに謎の液体を入れ、
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

様々な物質を作り出す。一見すると今の化学者のようにも見えます。事実、錬金術Alchemyは化学Chemistryの語源ですから。しかし、両者は似ているように見えて、根本が決定的に違います。
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錬金術師は至高の物質、金を作り出そうとしました。そして、究極の貴金属を作るなら、魂も貴いものでなければなりません。魂を純化し、完璧なオーラを身につけた時、金は生み出されると考えられました。魂が卑しければ、卑金属しか作れません。そのため、
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

錬金術師は物質の研究と同時に、精神の修養を欠かしませんでした。現代の化学者で「ごめん、これから実験だからメンタルトレーニングしてくるわ・・・」という人がいたら不安になりますが、デカルト以前だとあるあるです。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

こうした世界で自然破壊はなかなか起きません。哲学者スピノザは、あらゆる所に神が宿ると言いましたが、木だって森だって川だって、あらゆる物は神が作ったもの。物を傷つければ、祟りや呪いで心も傷つけられます。なので、人は極端な自然破壊を恐れました。物質世界と精神世界は繋がっていたのです。
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しかし、デカルトは両者を完全に切断しました。
その結果、どうなったか？
物はただの物。それをどんなに破壊したって、心は何の影響もありません。ここから環境破壊には歯止めが利かなくなり、ブレーキの壊れた特急列車のように破壊が進行していくというわけです。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

そして、その先にこの流れの究極進化系の啓蒙思想が生まれます。人間の理性は万能であり、そうであるが故に自然をいくらでも支配していいという発想です。その象徴がヴェルサイユ宮殿です。庭園を見るとその思想がよくわかります。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

人間の手で強制的に幾何学模様にされた草花。極めつけは噴水です。今でこそ公園の癒やしスポットですが、実はあれは哲学的な装置です。本来、水は上から下へと落ちるもの。それを人間の理性の力で下から上へと逆転させる。その光景を見て、人々はこう思いました。 pic.twitter.com/3VDzZbUigc
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

「ああ、人間はとうとう自然を征服した。我々の理性の力は自然の摂理すらねじ曲げ、支配することができる。人間はついに自然に勝利した」と。こうして西洋人は自信を深め、理性によって生み出されたテクノロジーで自然を破壊し続けました。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

一方、日本にこの発想は全くありませんでした。日本の庭園は、建物と木々や岩、池の水が絶妙に調和し、どこかから鳥の鳴き声や鹿おどしの美しい音が響きわたる。そんな庭園こそが最高のものでした。いかにして人間の世界と自然の世界を融合させ、調和を創り出すか。それが日本モデルです。
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しかし、そんな世界を激変させたものがあります。
それが明治維新です。明治政府が西洋のデカルト以来の自然支配モデルを丸ごと輸入した瞬間、一気に自然破壊が激化しました。足尾銅山鉱毒事件はその象徴です。
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明治に入ってたった30年足らずで環境破壊と公害が猛威を振るい、おびただしい人命を奪っていく。こうしたことは各地で起きました。このモデルがいかに破壊的な力を持っているかがわかります。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

ですが、環境破壊があまりに進みすぎて人類を脅かし始めると、西洋人もさすがにヤバいと気づき始めました。ここ数十年のヨーロッパではこうした思想の改良運動が起きていて、その流れでいくつもの環境保護政策があるというわけです。
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

みたいな話をしようとしたら、出鼻をくじかれてしまいました。拙い長文ですが、ここまで読んでくれた方、どうもありがとうございます。関連本もあとでnoteにまとめておきますね～！
— みねるば (@minerva_owl1) February 11, 2024

みねるばおすすめの関連本

Amazonアソシエイトを入れています。以下のリンクから買ったり、Amazonのサービスを始めると私の書籍代が増え、皆様に知識で還元されます。

小論文を学ぶ－知の構築のために (山川出版社)

第Ⅰ部はテクニックの話なので、第Ⅱ部から読んでください。デカルト以降、いかに世界観が変わっていくか、近代というのはどのような時代なのかについて、壮大なストーリーが描かれます。読んでいると、その名の通り、自らの内に知が構築されていくのを感じます。

大人の教養面白いほどわかる倫理 (KADOKAWA)

哲学の良い入門書です。始めから読むのではなく、デカルトと啓蒙思想の部分について読むといいと思います。興味があったらその前後や、古代ギリシャから読んでみると面白いかもしれません。

方法序説 (岩波文庫)

audible版も出ているので、読書が苦手な人は朗読を流しておくといいかもしれません。
デカルトは哲学者にしては珍しくわかりやすい文章を書く人で、この本も薄くて読みやすいので、最初の一歩に最適。

方法序説 (まんがで読破シリーズ)

漫画化もされています。Kindle Unlimitedに入ると読み放題なのでおすすめです。

省察情念論 (中公クラシックス)

方法序説を読んで余裕だなと感じたら、デカルトの別の著作であるこちらにも挑戦してみてください。こっちは結構難しいです。

図説日本史通覧 (帝国書院)

日本の庭園を色々見たい時はこちら。日本史の図説です。これもタペストリーと同じく、パラパラめくってつまみ食いしているだけで楽しい。

これならわかる!ナビゲーター世界史B 3 近世の始まり~19世紀の徹底理解 (山川出版社)

ヴェルサイユ宮殿が建てられたあたりのフランスの歴史を知りたい方はこちらを。世界史の通史の参考書の中では個人的に一番わかりやすくて面白いと思います。

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noteではツイートをまとめて、関連書籍を紹介していく予定です。
引き続き、どうぞよしなに。

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