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第34回東京国際映画祭グランプリは、コソボの女性監督作『ヴェラは海の夢を見る』

2021年10月30日(土)~11月8日(月)まで東京の日比谷・銀座地区で開催された第34回東京国際映画祭は、本日クロージングを迎え、コンペティション部門などの発表が行われました。

発表された賞はこちらです。「」は、本人のコメントです。

■Amazon Prime Videoテイクワン賞 審査員特別賞■
『橋の下で』瑚海みどり監督


「今年の9月に映画美学校の卒業制作として撮影した映画なんです。一緒に撮影してくれた仲間たちにも感謝したいと思います。」

■Amazon Prime Videoテイクワン賞 ■
『日曜日、凪』金允洙(キム・ユンス)監督


「2001年、高校生の時に映画『GO』を見て、映画を作りたいなと思いました。その頃は、まさか自分が行定勲監督から賞をもらうなんて想像していませんでした。こうして賞をいただいたのは、自分が映画を作ったからです。次は長編で戻ってきます。」

※Amazon Prime Videoテイクワン賞とは、これまで商業映画の監督・脚本・プロデューサーを担当したことがない日本在住の映画作家の15分以内の短編作品を対象としたもので、223作品の応募があり、9作品がファイナリスト作品として選ばれています。

〈行定勲審査委員長の総評〉

「審査は、白熱した3時間を超える議論でした。改めて思ったのは、映画は比較するもんじゃないということ。それぞれの視点で、刺さった部分をアツく語る時間というのは、ほんとうに美しいなとおもいました。『日曜日、凪』は、感傷的なテーマの作品が多い中、ユニークな視点で印象に残りました。秀逸なラストシーンと将来性を期待させる金允洙にテイクワン賞を送ることに決定しました。また、僅差で時点だったため、監督自身が主人公をパワフルに演じている『橋の下で』に審査員特別賞を贈呈することに決定しました。さらに、小田香監督『夜行列車』と、古川原壮志監督の2作『なぎさ』『Birdland』も印象的だったことを付け加えておきます。」

■アジアの未来部門 作品賞 ■
『世界、北半球』ホセイン・テヘラニ監督

「作品賞をありがとうございます。黒澤、大島、溝口、小林……日本の監督を尊敬しています。尊敬する監督たちの国で受賞できて嬉しいです。」

■コンペティション部門 観客賞■
『ちょっと思い出しただけ』松居大悟監督

「東京国際映画祭は、4回目の参加で改めて今(トロフィーの)重みを感じます。(涙ぐむ)この2年くらいの世界の苦しい時間を、ただ悲しい嫌な時間だけにしたくなくて、過去と今を等しく抱きしめるような映画をつくりました。」

■コンペティション部門 最優秀芸術貢献賞■
『クレーン・ランタン』ヒラル・バイダロフ監督


「はじめて撮影した映像を母親に見せたとき、ストーリーも演技もない。映像と音があるだけだ。でも、特別な魂があると言われました。10年たってもその評価は変わりません。今でも多くの人から、同じような言葉をいただきます。それは、映画にとって大切なことだと思っています。」

■コンペティション部門 最優秀主演男優賞■
『四つの壁』の4人の俳優、アミル・アガエイ、ファティヒ・アル、バルシュ・ユルドゥズ、オヌル・ブルドゥ

アミル・アガエイ「イラン人である私を仲間にいれてくれた4人の俳優に感謝したいです。トルコ語を勉強したときにはこんな日がくるとは思いませんでした。この賞をトルコのすべての俳優に捧げたいと思います。」

■コンペティション部門 最優秀主演女優賞■
『もうひとりのトム』フリア・チャベス

「協力してくれたすべての人達に感謝します。みんなが自分の役割をやりとげたから、わたしはいまこの賞をいただいています。それから素晴らしい若い才能イスラエル(トム役)に出会えてほんとに良かったです。ありがとう。」

■コンペティション部門 最優秀監督賞■
『ある詩人』ダルジャン・オミルバエフ監督

「評価してくださりありがとうございます。もちろん、文化的な評価は将来時を経て現れてくるものだと思っていますが、このような賞をいただけることは、わたしだけではなく、カザフフィルムスタジオにとっても光栄なことです。これでまた映画がつくれるのですから。」

■コンペティション部門 審査員特別賞■

『市民』テオドラ・アナ・ミハイ監督

「この映画は、7年手掛けてきたので思い入れのある作品です。テーマはデリケートでタイムリーだと思うので、メキシコの問題を知って議論していただくことが大切だと思っています。」

■コンペティション部門 東京グランプリ/東京都知事賞■

『ヴェラは海の夢を見る』​カルトリナ・クラスニチ監督

「初長編映画で受賞できて嬉しいです。日本は、私にとっては夢のような映画の国です。コソボ映画初出品というのも光栄でした。栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。スタッフとチームに感謝します。ありがとう東京、ありがとう日本。」




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