あなたの心が大切にされますように

あえて書かなくてもいいとも思ったのだけど、何だかモヤモヤしたので書いてみよう。ニュースリンクを貼る必要もないくらい連日騒がれているジャニーズ事務所のこと。

ジャニーズにハマることはなかったし、ジャニーズ事務所に思い入れはない。SMAPが喪服みたいなスーツ着せられてTVという公共の面前で頭下げさせられてるのを見た時に想像以上にヤバい事務所やなとは思った。何ていうかヤクザの落とし前をTVで見せられた気がした。

でもジャニーズ事務所に限らず、芸能界はそういう世界なんだと思っている。芸能界の成り立ちがまずそうでしょう。過去にも芸能人の謎の死とか薬物依存とか事件も多いし、能年玲奈さんが事務所を退所した後のTV局の対応とかも気味が悪かったし、好きでは無いけど宮迫とロンドンブーツ亮の会見も変だった。反社会勢力と交流を持ったとかで騒がれたけど、事務所やマスコミ、TV局の方がよっぽど反社に見えた。

もちろんジャニーさんが同意ない10代の少年にしてきたことはエゲツないし庇うつもりはない。ただ気になるのは、連日ヒートアップする騒ぎの中、ジャニーズ事務所に在籍して夢を抱いてがんばってきた人たちの気持ち。その人たちの心を蔑ろにしてないか？　ということで。

芸能界でがんばっていきたいからという野心で受け入れた人もいるだろう。屈辱的な気持ちに蓋をして、歯を食いしばってのし上がった自分の努力は何だったのかと虚しく思っている人もいるんじゃないかな。

その人たちの凄まじい努力の光を見て、何にも考えずに喜んで見ていたのは私たちな訳で。その努力のすべてが悪のレッテルを貼られたら、夢の為にいろんなことを犠牲にして努力してきた人たちの心はどうなってしまうのだろう。

ジャニーさんを極悪人にもできる。決して許されるようなことではないし庇うつもりなんてない。でも、騒がれているその部分とは別に、助けられた人や感謝している人もいるだろうとは思う。いい思い出がある人もいるだろうし、どんな人だったとしても愛している人、大切な存在だと感じている人、恩義を感じてる人もいるはずだ。ジャニーさんのことは嫌でも事務所に感謝している人や、事務所のスタッフを大切に思う人もいるだろう。私はジャニーさんやジャニーズ事務所を庇いたいんじゃなくて、在籍している人たちの心が気がかりなのだ。

完全なる光や正義も完全なる闇や悪もない。1番怖いのは、影響力がある何かに振り回されて、自分の中にある闇や悪を無視して正義を掲げて騒ぐこと。怒るなとか、騒ぐなとか言いたい訳じゃなくて、何ていうのかな、単純に違和感がある。そして夢を持って努力してきた人たちの心を大切にしてほしいだけ。

屈辱を受け入れて歯を食いしばって競争してのし上がる世界なんて、もういらない。ジャニーズ事務所に限らず、ここでみんな終わりにすればいい。もう犠牲はいらないし、偽りもいらない。TVの中の世界はぜんぶ虚構。虚構に憧れて、虚構の世界に振り回されないで。そして、虚構よりも、自分が生きる目の前の世界を大切に。

目の前の世界はひたすら地味で地道。だけど、そこにこそ幸せがあると思う。人に求め過ぎずに「私が楽しいから」「これが自分の喜びだから」と感じるものを持つ。そんな自分の心地よさをベースに、自分と人の違いを知り、自分以外の誰かに迎合せずに違いを認め合って、調和した喜びを突き詰められる世界こそが輝いている。

最後に、ジャニーズ事務所や芸能界に限らず、同じような苦しみを抱えてきた方、屈辱に耐えて苦しんできた方、たくさんの人の夢や憧れを背負って様々な犠牲を払って努力してきた方が、健やかな心で居られますように。自分のことを好きでいられますように。自分の気持ちや自分のことを大切にできますように。どんな自分も大切にされますように。あなたの心が大切にされますように。