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方法論をシェアしたい思いで、2015年9月に「飲食店は外販で稼ごう!」を出版した。

2010年9月15日に店をオープンし、損益分岐点を越えたけど疲労が祟って顔面神経麻痺(ベル麻痺)になり2ヶ月後に休業した。私は1983年4月から飲食店の企画デザイン事務所をやっているので、ベル麻痺になって店は休業したが、幸運にもデザインの仕事はあった。

1つが動かなくてももう1つが動けば何とかなる。ただ、この先にどうなるか何てわからないから、動かないモノ(休業中の店内営業)の代わりに動くモノ、常に動いているモノを考えなけえばならいと強く感じた。それは正に今のコロナ禍でも同様な状況だ。

世の中のデジタル化、社会背景の変化に対応する

1つの事をゆっくり早く遂行しなければならない。世の中の仕組みや社会背景が変わっていくので、いつまでも同じ方法が通用するとは限らない。勿論、人との接し方には大きな変化はない。

デザインの話になるが、昔は店舗の図面を平行定規で製図板の上で描いていたが、いくつかの案を考える為に平面図の第二原図を何枚か作っておく。今やCADでキーをクリックするだけで同じ事が一瞬にして出来る。

写植もDTPアプリに取って変わり、歯送りとかポイント等を指定して、さらに出来上がった文字を切り抜いて版下台紙に貼り赤ペンで印刷指定をしなければならない。それが今では全てモニター画面上で完結してしまう。皆さんもパソコンで簡単にチラシを作っていると思うが、昔だったら簡単には出来なかった。

今はこれらの変化に対応しないと、トンデモ無く効率が悪くなり経営に影響する。必要な事は即切り替える事が必要。

でも全てがそうかと言えば、そうでは無い。マニュアルでなくてはならないモノもあるからだ。飲食店の運営は労働集約型だからだ。

飲食店は労働集約型産業

アメリカではロボットにハンバーガー等を作らせている飲食店もあるようだが、機械でも出来るメニューはあるだろう。でも料理って食材の状態や加熱時の火加減、味付けの匙加減、、、色々と機械化できない事はある。

大量生産すると言う事は、数値化する事だと思う。極端な話、食材の鮮度よりも、その食材が持っているデータ(糖度、塩分、水分、栄養素その他)を数値化し、商品としていかに均一化するかだ。どのような調味料をどれだけ投入すれば、出来上がりの基準データに一致させる事ができるかを機械にプログラミングすれば良い。

いちばんわかり易い商品が、魚のプレクックもの。例えば、鰆の西京焼き等の焼き物。商品を見ると焼き物なのに焼いていない。つまり焦げ目が無いのだ。魚焼きの網で焼いているのではなく、スチームコンベクションオーブンで火を入れているから焦げないように出来る。

スーパー等の冷蔵・冷凍ショーケースで売られている焦げ無しの焼き魚と違って、飲食店等では人がガスや炭で焼いているから焦げ目ができる。大量生産ラインで作っても、最後にサラマンダーやバーナーで焦げ目をつけられるけど、行程が増えるし、表面が均一では無いから時間を一定にしても、焦げ目は一定に付かないと思う。

労働集約型産業だから独自性が出せる

大量生産ラインで飲食商品を作るなら、プログラミングが鍵だろう。価格を抑えるには安く食材を調達し、味の深みが無くても調味料で理想の味にできる。人の手で作っているお店の料理は、市販の同じ商品よりも美味しい筈だと思うから独自性が出せる。

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自家製スモークサーモンだから角切りができる。薄いスモークサーモンとは一線を画す食感。

独自性が出せるなら、商品化すればよい!

と私は思う。そして、色々な人にモニターになってもらって、磨きをかけたらどう?

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全て牡蠣フライ。パン粉は全て自家製で黒いのは、いか墨バケットで作った。これが予想外に旨かった。とにかく思い立ったら実行する事!

1つ商品を作ったら、何かが起こる筈!

ベジドレ札幌

逆を言えば、作らない人には何の変化も起きない。。。


#日経COMEMO #NIKKEI

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