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韓国語の表現を知ればドラマの会話からハッキリ聞こえてくる!「オッパ」「オンニ」は親近感のしるし(ドラマ『椿の花咲く頃』について#8)

『椿の花咲く頃』について8回目は、会話で使われる韓国の呼称についてです。

 日本のみなさんにとって、韓国ドラマを見ていていちばん耳に残る韓国語は何でしょうか? 日本語字幕には「〜(名前)さん」と訳されているのに実際のセリフの音声は「オッパ」や「オンニ」と聞こえてきて、会話をしている人物の関係性から、そういう呼び方があるんだと何となく認識している方も多いのではないでしょうか。

「オッパ 오빠」も「オンニ 언니」も女性が使う呼称で、「オッパ」は実の兄や親戚のお兄さん、親しい間柄の年上の男性に対して、「オンニ」は実の姉や親戚のお姉さん、また親しい間柄の年上の女性に対しての呼び方です。

女性から年上男性に対しての「オッパ」

『椿の花咲く頃』第1話で、町の地主であるノ・ギュテ(オ・ジョンセ)は自分の客人を引き連れてスナック「カメリア」に行きます。そこで店主のドンベク(コン・ヒョジン)が自分を「オッパ( お兄さん)」と呼んで親しくしていることを周囲にアピールします。字幕では「ギュテさんと呼んでくれている」になっていますが、実際には「オッパ」と言っています。

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 ドンベクはカメリアの貸主であるギュテをオッパとは呼ばず、きちんと「ノ社長」と呼びます。一方でカメリアのアルバイトのヒャンミ(ソン・ダムビ)はギュテをオッパと呼び、ギュテを満足させます。

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 自分だけに距離感をおくドンベクに対してギュテは何度も「オッパだと思って!」と言うシーンもあります。

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

年上女性へ女性からは「オンニ」男性からは「ヌナ」

 第19話では、ギュテの妻ジャヨン(ヨム・ヘラン)がカメリアで酔っ払ってしまい、ドンベクはギュテを呼び出します。そこでドンベクがジャヨンを「オンニ(お姉さん)」と呼ぶのを聞いたギュテは「もうそんなに親しくなったのか? 私にはずっとノ社長だったのに!」と言います。

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 また、ギュテはジャヨンを「ヌナ(누나 お姉さん)」と呼んでいます。ヌナは男性が年上の女性を呼ぶときの呼称。ジャヨンは年上妻なので、甘えるときや親しみを表現するときは名前ではなく「ヌナ」と呼ぶのです。

おじさんは「アジョッシ」

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面

ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 第2話で、ドンベクの息子で野球少年のピルグ(キム・ガンフン)と、ドンベクの元カレでスター野球選手のジョンニョル(キム・ジソク)が初めて会うシーン。ピルグは、ジョンニョルがテレビ番組の撮影で学校に来たせいで、試合前日なのにグラウンドが使えず「同じことされたらおじさんだって嫌だろ?」と食ってかかってきます。それに対してジョンニョルは「お兄さんは…」と応えますが、怒っているピルグにもう一度はっきり「おじさんだろ?」と言われてしまうのです。「おじさん」の呼称は「アジョッシ 아저씨」。お兄さんとおじさんの区別は相手との関係や見た目での判断になることが多いです。

 韓国では実の兄弟や姉妹ではなくてもお兄さん、お姉さん、兄貴と呼ぶことが多いです。ドラマでの字幕では「〜さん」と名前で呼ぶように訳されていても、よく聞いてみると「オンニ」「ヌナ」「オッパ」「ヒョン」と言っています。このような親しみを感じさせる呼称も、ただ「お兄さん」「お姉さん」などと訳すとどうしてもニュアンスまで伝えることは難しいので、字幕では名前に訳されているのではないでしょうか。この呼称のニュアンスがわかってくると、韓国ドラマをより一層楽しめると思います。なお、第三
친(親)」をつけて言い表します。
*オンニ 언니:お姉さん(女性が年上の女性を呼ぶ呼称)
*ヌナ 누나:お姉さん(男性が年上の女性を呼ぶ呼称)
*オッパ 오빠:お兄さん(女性が年上の男性を呼ぶ呼称)
*ヒョン 형 : 兄貴(男性が年上の男性を呼ぶ呼称)
*アジョッシ 아저씨:おじさん(中年男性を呼ぶ呼称)
*アジュンマ 아줌마 :おばさん(中年女性を呼ぶ呼称)

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