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【覚書】芦原妃名子先生

漫画家である芦原妃名子さんが、先日急逝された。
私はネットニュースを追ったりすることが苦手なので、あまり詳しくは知らないけれど、「セクシー田中さん」は読んでいて、大好きな漫画だったので、すごく残念に思っている。

芦原妃名子先生の作品は、こちらを読んだのが最初である。
12歳の少女が、両親の離婚を機に母親の田舎へと引っ越す。
田舎の空気に戸惑いながらも、そこで出会った少年・大悟との交流によって、
徐々に生活に馴染んでいく。
けれど、その母親は自死してしまう。
傷ついた少女が大人になっていき、大悟に力をもらいながら、
悩み苦しみ傷ついたり傷つけられたりしながらも、強く生きていく物語だ。


「セクシー田中さん」は、ドラマにもなったので知っている人も多いかもしれない。ドラマは残念ながら1話で見るのをやめてしまったけれど、この作品もすごく好きだ。
明るくて元気で、何でもそつなくこなしているように見える23歳の朱里。でもその内面には色々、葛藤もあり、コンプレックスもある。
一方で、見た目は地味で、結婚も縁遠そうに見えるアラフォーの田中さんは、すごく芯があって、強くしなやか。
このWヒロインがすごく魅力的なのだ。
明るくてそつなく生きて、悩みなんてなさそうに見えても、本当はすごく色々と葛藤があるし、いろんなことと戦っている。
強くて、自分を持って生きている田中さんも、繊細で優しくて、自分を強くしてくれるものと出会うまでは何度も何度も戦い続けている。

「砂時計」と「セクシー田中さん」の2つしか読んだことがないけれど、
芦原先生のこの作品の、
人間の弱さや、繊細さを描き出しながら、
折れずに闘おうとする強さに、心を打たれた。

闘う姿に励まされる、すごくいい作品だと思った。
大好きな作品だった。
「セクシー田中さん」はまだまだ続きが楽しみだった。未完で終わってしまうことが非常に残念で仕方がない。

最近、年のせいか漫画を新たに読むことも徐々に減ってきた。
ちょっと昔は、3作品無料!なんてものがあると、それを読んでみて、
面白いから続きを…とまんまと策略に引っかかったものである。
「砂時計」もその一つで、3巻無料キャンペーンをしていた時に読み、
そのあと一気読みである。
いつからか、漫画は電子書籍派になった。本棚にも限りがあって、でも読みたい本は無限にあって、そんな時電子書籍は膨大な量のデータをこの小さな箱の中に残してくれる。漫画好きの私にとっては宝の山である。
夫は知らないが、私のこの小さな箱の中には大量の漫画が蓄積されている。
大好きな漫画たち。
昔読んだ本、一度売ってしまった本も、また買い直していたりする。
こっそりと私の小さな箱に入っていて、いつでも読み返すことができる。
紙で読んだ方が見開きで読むことができ、ページを繰ることもできていいのだけれど、本当は紙派なんだけれど、
このいつでもどこでもポッケに入っていて、取り出せて、私の手のひらに
宝物が収まっている、というのは最大の利点である。
「セクシー田中さん」も「砂時計」も、私のスマホの中にあって、いつでも読み返すことができる。
とりあえず、「砂時計」から読み返そうと思う。
「セクシー田中さん」は最終話を芦原さんが描かれた、というので、いつか機会があれば、ドラマも見てみたいと思う。コミックス7巻で「8巻はドラマ終了後」、と書かれてあったから、8巻はせめて発売されるのだろうか。発売されたらコミックス派の私としては嬉しい限りである。



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