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DIYを超えていくシリーズ⑥レジンテーブルで起業しようとしてすぐ廃業した話

レジンテーブルをはじめて目にしたのは
近所の家具屋さんだった。
伊東にあるこの大工市場。
伊豆に来た際は135号沿いなので
ぜひ行ってみて欲しい。
子連れでも行きやすいカフェも併設されていて
小物も大物もおしゃれでオススメ!


このテーブルを見て、レジンテーブルの存在を知った

それは2020年の事で
こちらで紹介した足湯スペースを作ったすぐ後のこと。

私はこの大工市場のテーブルに一目惚れして
我が家のダイニングテーブルをレジンテーブルに
買い替えようと思いついた。
しかし、値段を見て愕然。
4人がけのテーブルで50万を超えている。。。

前のオーナーさんが置いていってくれたテーブルセット
ランナーの下は鍋を置いて焦がした跡があった。

我が家のダイニングテーブルは、居抜きで中古住宅を
購入した為に、前のオーナーさんが置いていってくれた
栗の木でできた(メープル素材)もので
オーナーさん曰く、軽自動車が買えるくらいの金額で
購入したセットだという。
当初は、大きすぎると思っていたけど、伊豆という
土地柄、友達も遠方から家族単位で来てくれる事が多く
このテーブルよりもサイズを小さくする事はもう考えられなかった。
その為、レジンテーブルを私の希望の大きさでオーダーするとなると100万円はオーバーし、しかもテーブルの天板のみの金額なので、脚部分や、椅子は別途購入の必要があるので、結構な出費になる。

なんということでしょう。
100万を超すテーブルを購入するのは
新築などでローンを組み、金銭感覚がバグっている時だけだ。(私の中での話)

そこで、他の家具を見ていて途中で合流した
M氏にいつものように軽く、しかし熱い気持ちで
「これって作れないのかな??」
質問という名のオーダーをしたのだった。

初耳だったレジンテーブルについて調べる事1週間
ついに作業にとりかかったM氏

物を大事にするM氏。私は大きな板を購入するのかと思っていたら
せっかくのダイニングテーブルだからこれを再利用するという
そして突然、二つに割れたテーブル
オーダーしたものの不安だけが募る
削ったら木目がでた、と喜ぶM氏
私にはまだ喜ぶ事はできない。

レジンテーブルについては、この頃まだ情報が少なくて
インスタなどで、レジンを売ってる店の方に連絡をとって
使い方を聞いたり、YouTubeを参考にした。
実際に大工市場に再度行き、自分達で作りたい話をすると
作っている工程を見学させてもらうことができた。
塗装屋さんが作っているそうで、話を聞く限り
レジン剤の扱いが難関そうだった。
大工さんなんかも、レジンテーブルを作りたいと言って
見学に来られるそうだけど、このレジン剤の扱いが
うまくいかず、断念する人も多いのだと言っていた。

あんなに値段についてシビアになっていた私だけど
自分で材料を調達してみて、そりゃそうだなと納得した。
このレジン液がめちゃめちゃ高いのだ。
多分この時で10万円以上のレジン液を購入したと思う。
我が家はもとからあったダイニングテーブルを使用したけど、これで木材も買うとなったら、工賃も考えてそれはその金額にならないとおかしいと思うし、レジンがうまく硬化しなかった時の事を考えると、むしろクオリティーの高いテーブルを購入した方が安かったかもしれないと思ったりした。

そしてある日突然、養生されてこの付近は出入り禁止に。
私達は別室での生活を余儀なくされた。

仕事から帰ってくると、まるでこのダイニングスペースだけが、鶴の恩返し状態で中を除くことも出来ず
生活も不便で、オーダーしたくせにだんだんめんどくさくなる私。
しかし、出てきたM氏をみて、そんな自分を恥じた。

感謝とごめん、という気持ちといろいろな気持ちが溢れて
結局笑うことしかできなかった
レジンを削るとこんな小麦粉のような粉がでる
本当は工房でやるべき作業
淡水魚のフィギュアを投入したらしい
なんとか硬化した
水族館などのお土産コーナーで販売してるもの
淡水魚好きなM氏
ウレタンをふいたり何度も手直しを重ねた
たぶん制作に3ヶ月はかかった
ようやく完成(涙)
掃除は私が担当
自分でもたくさん今回は調べたけど
一切作業はしてないので結局なんでこんなふうに固まったのか謎

このレジンテーブル作りは私が思う苦労したDIYの
ベスト3に入っている。
全てが手探りだったし、削る作業や硬化の時間など
手間がすごくかかっていて、見ているこっちまでが
疲労困憊だった。
ただ、仕上がりに本当に感動したし、作ってくれて心から感謝した。ものづくりをする人の苦労や気持ちを考えるようになったきっかけにもなったテーブルだ。
一生このテーブルでご飯を食べたいと思っている。

そして、そんな感謝の気持ちでいっぱいだった私だが
こんな大作ではなくて、もっと小さいものをたくさん
作ったらどうか??と、もともと持っていたスツールで
余ったレジン液を使って、第二作を作ってもらった。

ぜったい可愛いと思って頼んだドライフルーツ
これがレジン液
ぷつぷつ入ってる気泡はないほうが本当はいいらしい
実は一番のお気に入りになったドライフルーツのスツール
我が家のモモンガちゃんと。もう映えでしかない
本当はテーブルをこの色にして欲しかったブルー 
そんなことはとても言えない

このスツールを見てありがたいことにたくさんの人が
同じ物を作って欲しいとか、購入したいなど
言ってくれた。
欲深い私は、このスツールをたくさん作って
レジン屋さんになればいいじゃん!と
M氏にもちかけて、どんどん先走り、ドライフラワーや
ドライフルーツの大量仕入れなど
仕入れ先を探したりし始めたのだったが
しばらくしてから元気だけが取り柄のM氏が突然の発熱。息苦しさと喘息のような症状が続き寝込んでしまった。
コロナが流行りはじめた時期なので
発熱外来で何時間も待ち、診察をしてもらうと
コロナは陰性で、診てくれた先生が
「建築関係の方ですか?なんか細かい粒子など吸っていませんか??」
どうやら肺に細かい粒子が入ってしまっていると言う。

それってレジンじゃん。
もう原因が特定されすぎて、あ、わかりましたしか
言えないM氏。
もともと喘息を持っているので、それが悪化してしまったらしい。

そういうわけで、レジン屋さんを開くという
私の起業の夢はあっという間に崩れ
レジン屋さんは、このスツールで液が終わったのと同時に
廃業してしまった。

M氏が体調悪くしてまで作ってくれた3つのレジン作品は
私の宝物で、本物のレジン屋さんに比べたら劣るかもしれないけど、M氏にレジンの使い方を教えてくれた塗装屋さんも初号機からまさかの大作に挑んだ彼を誉めてくれた。
レジン屋さんにはなれなかったけど
今日も手探りでいろいろなものを作り出してくれる彼にこそ、ハイパーDIYクリエイターの肩書きを送りたい。







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