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芦野公園&津軽cafe驛舎 文学さんぽ2023 ⑤.5

 2023年10月14日から22日にかけて、東日本(関東・東北)を旅しました。
 これは、その6日目のレポートの番外編になります。(順序を変えてUPしています。全12記事を予定)

まずは芦野公園にやってきました!

近所の方のお散歩コースにもなっていました。いいなぁ。

 楽しかった関東を離れ、青森まで来ました!車で!軽で!
 まあ、いつものことですし、それ(軽で関西から青森)も二度目なんですけどねw
 芦野公園は、前回の東北旅の時は来られなかったんで嬉しい!
 初めて行く文学聖地雨降るマンなので、パラついてましたが、なんとか写真は撮れました!
 太宰ファンの方はご存じでしょうが、太宰の銅像があるんですよね。
 あと、毎年太宰の誕生日に桜桃忌と生誕祭が行われるのもこの公園。なので、三鷹と並ぶ太宰聖地なんですよね。
 特に資料とかあるわけではないので、前回は時間の都合上外したんですが、今回は関東→東北の移動の疲れを癒す休息日ということで、この日は緩い予定にしました。

左は文学碑。右が太宰像。
太宰の像。有名なコート姿ですね。
太宰について書かれた文学碑。

 先ほどの像から少し歩いていくと、橋の隣に太宰の記念碑が。

桜桃忌&生誕祭で有名な碑。
碑にはヴェルレーヌの詩が刻まれている。
どうしてこの詩の一節が刻まれているのかが書かれています。

 「選ばれてあることの/恍惚と不安と/二つわれにあり」
 これは、太宰治の処女創作集『晩年』に最初に収録されている「葉」のエピグラフとして作品の冒頭を飾る一節。フランスの象徴派詩人・ポール・ヴェルレーヌの有名な詩集『叡知』からの引用ですね。
 写真の碑文には、゛昭和10年2月に出版した処女創作集「晩年」の冒頭を飾った”とあるのですが、手元の資料には全て太宰が『晩年』を出版したのは、昭和11年6月25日(昭和十一年六月廿日印刷納本/昭和十一年六月廿六日發行)とあります。(精選名著復刻全集近代文学館『晩年』、太宰治全集第2巻小説1、新潮日本文学アルバム太宰治、太宰治全作品研究事典、三鷹・青森・山梨・青森の各文学館図録を軽くさらっただけなので、後で何か分かったら追記します。)
 昭和10年2月は『文芸』に「逆行」が掲載された時期なので、そちらの関連で勘違いなのか、一般に知られていない何かでこうなっているのか? とも。(「逆行」は太宰の商業文芸誌に掲載された初めての作品であり、第一回芥川賞候補作品なので)
 自創作(考察教室)の④巻で「道化の華」を扱うため『晩年』の成立背景を調べているので、この謎、ちょっと気に留めておこうかなと思います。

晴れてたらなー…。あと春に来たら素敵そう。
駐車場の敷地内に地図もありました。結構広い。

念願の津軽cafe驛舎さんでご飯!

入口の可愛らしい看板からもう素敵!
外観も可愛いね!太宰関係なくても来ちゃうよね!

 ドアを開けると、カランというベルの音。
 店内の雰囲気も落ち着いていて、木の温もりとオレンジの照明が素敵な空間が広がる。

柱の電話機も雰囲気出ていて、わぁ~!ってなる。
「津輕中里」の旧字体のプレートが醸すレトロ感もよき。
通していただいたのはコチラの眺めのよい窓際のお席。

 20年近い付き合いの友人と年に1回会うというのもこの旅の目的でもあるのですが、東北は一県一県がデカいので、隣県岩手の民とはいえ気軽に呼び出す距離じゃねぇよな……って反省したわ。よく付き合ってくださるな……ありがてぇ……と思いながら窓の外見ながら友人を待つ。

小雨降る景色も落ち着いてていい感じ。桜の季節もきっと素敵だろうな。
メニューの表紙は桜の季節でした。
駅舎さんについて。復活させてくださってありがとうございます!
そう、切符!買えるんですって!車で来てるから嬉しい!

 友人は驛舎さんに来るのは二度目なので、先に注文だけ決めておこうと、メニューに目を通す。
 もともと、友人の話を聞いて来たくなったんですよね。食べる前からもう来てよかった!と思ったけど、メニュー開くとさらに「わぁぁああ」ってなりました。

初っ端から迷う……馬肉か、りんごか!
うま~い丼wこういうのすき。

 わかりますよね!迷うの!
 近所だったらね、ナポリタンとかオムライスっていう喫茶王道メニューも試したいですよ!でも、私こっから1000キロ以上離れたとこに住んでるんでね!
 こういうとき自分が大食い女王とかじゃないのが悔やまれるよね。
 悩みに悩んで、「激馬かなぎカレー」にしました。サラダとスープ付いてるの嬉しい。これで900円て、え、安ない?観光スポット価格とかになっててもおかしくないのに、良心的すぎる……。
 店内のお客様を見ていると観光客だけでなく、地元のマダムたちのランチ会としても使われている感じだったので、価格帯からも地元民にも愛されているお店って感じがしていいなぁ。ということは、絶対美味しいやん。
 期待を高めつつ、ドリンクのページにも目を通す。

青森のりんごジュース、惹かれる……!
さらに悩む……!どれも違う魅力があるってずるい。

 さあ、これは食事より迷うぞー!
①店の名を冠する珈琲、絶対美味しい。
②ミニドーナツついてくるとか嬉しい。
③自分で豆挽いてサイフォンで淹れる!
④青森のりんごが入った珈琲!気になる!
 全て、カップが違うところにもこだわりを感じますね。
 悩んだ末に、「りんごジャムーン珈琲」にしました。

 友人が到着して、注文し、待っている間に、窓の外を列車が通りました。

窓際の席に通していただいたのは偶然ですが、これは嬉しい!
「走れメロス」の文字がばっちり見えましたw

 そうこうしているうちに、注文した「激馬かなきカレー」が到着!
 美味しそー!そして、けっこうなボリューム!(実際見た目以上にしっかりした量でした)

おしぼりも桜柄でかわいい!
器も込みでいい感じですね!美味しそう!

 美味しー!カレーはそれほど辛くなく、スパイシー系というよりは、少しミルキーな感じで、子どもでも美味しく食べられると思う。
 でも、味わいは大人向けの深くて濃厚、煮込まれた馬肉がホロホロと口の中で崩れて白米と舌の上で混ざり合うのがたまらない……スプーンがとまらない……!
 馬肉もクセが全然なくて、やわらかい。白米も、ルーと混ざってちょうどいい感じの水分量でほっこり焚いてあるのも嬉しい。つけあわせが、甘い福神漬けとかじゃなく、しょっぱい系だったのも、このカレーに合うアクセントとしていい仕事をしていました。
 辛口もあるとのことなので、辛いのが好きな人は最初から辛口を頼んでもいいかも。(私はこれでちょうどよかったので次回も普通で)
 ほんと、このカレー食べに青森また来ます!って思いました。
 味、量、価格、どれをとっても、大・満・足!の昼食でした!

りんごドーナツとりんご珈琲。別腹です。

 大満足ちゃうんかい!って? 
 いやいや、cafeで珈琲頼んでスイーツ付けないとかないでしょ?
 こっちは1000キロ西から来てんだぞ!入るだけ食うに決まってんだろ!
 普段の食事では到底食べないような量のカレー食べた後なんですけど、何でですかね、不思議なことに別腹が空くんですよね、こういう時って。
 美味しいもの食べたーって、心底思った時って、まだアレもコレも食べたい……って想いに、ある程度胃が応えてくれるというか。
 なので、珈琲もドーナツも食後と思えぬほど、美味しくいただきました。
 まずは、「りんごジャムーン珈琲」から。
 紅茶にりんごジャムとかはやったことありますけど、珈琲にはないです。
 名古屋で何にでもあんこみたいな感覚で、青森ではなんにでもリンゴって感覚なんだろうか?そういう文化で出来たものって案外美味しいから楽しみ。
 ひと口飲んで、「ああ!これは、アリ!」って思った。
 苦味の強い珈琲じゃないので、フルーティーな感じが合う。すごく飲みやすい。酸味のある珈琲あまり好きじゃないんですが、リンゴの酸味も口の中で香る程度で、むしろ甘味を引き出している感じ。砂糖を溶かした甘さじゃないので、舌に広がった時に口当たりが優しい。
 飲み進めると、小さく刻まれたリンゴが出てきて、シャリッとした食感がたのしい。残り少なくなってくると、沈んだリンゴの甘味で甘さが増して、少し冷めてきた頃にちょうどいい味変をしてくれる。珈琲の味と香りが移っているリンゴもコンポートみたいな感じで、掬って食べても美味しい。
 家でもやってみようかな!って思ってしまう飲み方だぁ(絶対同じにならんのは解ってて……)
 りんごドーナツも、揚げてない系ドーナツで、焼き菓子のケーキとかに近い。リンゴの果肉がふんだんに入っているけど、ゴロゴロと強く主張しないので、生地のしっとり食感を邪魔しなくて、舌の上に生地がのった時にふわっとリンゴが香る瞬間にその存在を感じる。そして香りと共に広がるやさしい甘さ……たまりませんね。
 りんご珈琲と一緒に頼んだのも、我ながらグッチョイスと言いたい。
 友人は「昭和の珈琲」を頼んだので、ミニドーナツが付いていました。そっちも気になった。大きさが違うと食感も変わってくるし。次回は……いや、でも、「驛舎珈琲」も……うーん……!たぶん、また悩むんだろうなぁ。
 ごちそうさまでした!!!

お店の方もとても親切で、列車の時刻とか色々教えて下さいました!

 お会計の際に、切符を買いました!

お店のパンフと切符…と?

 記念品として買う人用に、ここで切符を切ってくださるというサービスつき!至れり尽くせりの配慮が嬉しい……!本州最北端まで来てよかった! 
 そして、もうひとつ嬉しかったのが、近所のデイサービスのおばあちゃんが作った編みぐるみを「おひとつどうぞ」ってしてくださったので、写真の子を連れて帰りました。
 普段、紫って色選ぶことほぼ無いんですが、なんか目が合って「あ、この子!」って。 このかわいい子を車に置いて、今後色んな所を旅しようと思います。
 小雨が降った10月後半の青森は少し寒かったですが、美味しい食事とお店の方の温かい心遣いで、心身ともにほっこりと暖かくなりました。
 また、必ず伺わせていただきます!

小説「津軽」から、芦野公園の出てくる場面を引用したかわいらしい版画。
「I can speak」の冒頭の引用ですね。
この写真、文学アルバムにも「金木の芦野公園にて」とあります。来ていたんですね。
晴れてたらなって思って撮った写真のモノクロ化。ここだったのかもしれない。


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