【エッセイ】音楽と青春
誰かと仲良くなると、その人が人生で初めて買ったCDを聞きたくなる。その質問をすると誰もが恥ずかしそうにモゴモゴとするのだが、その照れた表情に私の知らない幼い頃の面影が一瞬だけ蘇る気がして、なんとも愛おしい気持ちになるのだ。私が初めて買ったCDは安室奈美恵のSweet 19 Bluesだった。ミニスカートからすらっと伸びた脚だけが写された、シックなジャケット。
それは小学生の私にとって「お姉さんになるための切符」だった。ティファニーブルーに縁取られたセピア色のアルバムを、宝物の