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詩「落日散歩一歩前」

日が翳るときに心が歩きだすのはなぜか
問うている君のはねた
後ろ髪を問う
目で
線で
わたしたちも歩いている
その先には穴がある
誰も目を向けていない
すり抜け 可能な
穴のような一本道
ますます日は翳っていく
そういう道を歩いている
限りなくまっさらで少し冷たく
わたしたちは
流れていく
季節の血液のようだ
すうっと目を瞑れば
あたりは滾りながらも静かだ
言葉はほどけるものたちを
繋ぎ止めるようで薄情だ
でもわたしたちが
それを手放したあたりから
枯れ葉はただの枯れ葉となって
一本道の血の気は引いて
そう
猫の心臓が やさしく止まる。




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