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心の中の森の中の小さなおうち

心の中は森のようだ。
森の中はたくさんのいろんな木がぎっしり生えていて
歩いているとほとんどの場所が暗くて寂しくて心細い。
たまに木が途切れて、日のあたる小さな野原があって
そこには小さな白や赤の花が咲いている。
小鳥のさえずりも聞こえるし、気持ちのいい風も吹く。
でもまたすぐにフクロウの声しか聞こえない暗い道になる。
どうしたらいいんだろう?
どこへ行けばいいんだろう?
私、どこへ行きたいんだっけ?

「これ、あげます。
少しスペースがあったら、そこに投げてください」
目の前に若い女の子が現れ、そういって私に青い小さな箱を手渡すと
すぐにどこかへ行ってしまった。
魔法使いだろうか?
私は素直に小箱を投げるスペースを探す。
十分ほど歩くと、ここだ、と思える場所を見つけた。
私はそこに箱を投げる。
箱は地面に落ちるとむくむくとふくらんで
小さな家になった。
私はその家に入る。
入る前から分かっていた。
そこは私の避難所だ。
疲れたらそこで休めばいいのだ。
温かいスープがいつも火にかけてある。
テーブルの上には紅茶の入った薔薇模様のカップと
焼きたてのマフィンを盛った黄色いお皿が置いてある。
暖炉で薪がぱちぱちと音を立てて燃えている。
木の揺り椅子には茶トラ猫が座っているがそこは私の場所だ。
私が座ってから、猫は私の膝に乗ってもらおう。
少しだけ椅子を揺らすとギィギィと鳴る。
私の心の音みたい。
そうだ、ここは私の心の中の森の中の小さなおうちの中なのだから。
ああ眠い。しばらく眠ってしまおう。
起きた時きっと、どうしたら良いかが、分かる気がする。

(了)

このお話は、ヨマさんにタロット占いをして頂いて
そのイメージを絵にして頂いたものをもとに書きました。
その時の占いについての記事はこちらです👇
ヨマさん、ありがとうございました✨


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