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物語の無限の力/「夢見る猫は、しっぽで笑う。」を読んで

ずいぶん遅れをとってしまいましたが、こちらの作品からいただいた気持ちを言葉にしておきたいと思います。

ずっと気になっていた作品。
落ち着いたら読もうと思っていたら、こんなに遅くなってしまいました。
いや、実は2週間ほど前に読み終えていたので、言葉にするのに時間が必要だった、の方が正確かもしれません。


いただいた気持ちはたくさんあるのですが、どうしても言葉にしておきたいのが、物語の力の偉大さ
すごいパワーをもっているということを、あらためて教えていただいたような気がします。


大人になった今、たぶん物語の展開はうっすら予想できているんです。
伝えたいメッセージもなんとなくわかる気がする。
それでも、心が大きく動く。自然と涙がこみあげてくる。

すごい……。
電車の移動中に読んでいたので、乗り換えのたびに途切れてしまうことがもどかしくて、早く!続き…!
電車の中で号泣はさすがにできないから、目を潤ませながら、こらえながら、読んだことを今でも鮮明に思い出せます。
それくらい、物語の力に惹きつけられました。


たぶん、言葉にすると陳腐にみえてしまうメッセージ。
なのに、物語の力を得て、こんなにもすんなりと心に入り込んできて、大切なものだと受け取ることができる
押し付けられるわけでも、これがいいものだよーと勧められるわけでもなくて、あぁ、自分もこうでありたい、と自然に気持ちが湧き上がってくる


精神科医の齋藤環先生が広めていらっしゃる「オープンダイアローグ」という支援方法と、少し近いのかもしれないと思いました。

「オープンダイアローグ」は、対話を中心においたやりとりを積み重ねるイメージで、こっちの方向に話をもっていこうとか、この行動を起こすように導こうとか、そういったことは一切ありません。
中でも特徴的なのが「リフレクション」という時間で、専門職同士の意見交換を当事者の目の前で行います。その間、当事者の皆さんはそのやりとりをみているだけ。

ロールプレイなどを見て(自分でやったことはないのですが💦)、この「リフレクション」の時間がとても力を持っていると感じました。
日常の感覚をもって見ると、なかなか異様な光景(笑)。
でも、何も押し付けず、動かそうともせず、ただ、こんな在り方もあってもいいかも、こんな考え方を私はしたよ、といった選択肢を見せてもらっているような感じが、私はとても好きです。

私が以前書いた、「目の前に置く感覚」に近いのかもしれません。


もし、こんな風につなげて考えてもいいのなら、もしかして、目指している場所は一緒なのかもしれない、と思いました。
職業は違っても、方法はさまざまでも、大切にしたいこと、伝えたいこと、たくさんの人に知ってほしいこと、つながっていることはたくさんあるのかもしれない。

そう考えると、なんだかとても嬉しくて、ほっとして、心強くて、やっぱり嬉しい…。


noteをはじめて、現実世界では絶対に出会うことのない素敵な人とたくさん知り合うことができました。
絶対こっちの方がいいのに、こっちに行ったら絶対に優しい世界があるのに。現実世界ではなかなか認めてもらえなくて、苦しかった時間。
noteの中で、会ったことのないたくさんの人たちの世界に勇気をもらって、これでいいんだと言ってもらっているように感じています。
いつも本当にありがとうございます。

「すぐ」も「たくさん」も読みにいくことができないのですが、私の体力と気持ちのキャパシティの範囲内で、これからも皆さんの素敵な作品を読みにいき、できればコメントをする、ということを続けていければと思っています。


イシノアサミさん
闇夜のカラスさん
拝啓あんこぼーろさん
に感謝をこめて。

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