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ムスコが1人旅をしてみたいと言ったから

我が家のムスコは、高校1年生。

軽音学部に所属しているけど、月に2回程度の活動量。校則でバイトは基本禁止。する場合は届け出る。そこまでしてバイトしたくない。いや、そもそもバイトしたいなんて思ってない。のんびりしていたい。で、どうせなら親のお金で色々体験なんてしてみたい。多額な請求は、お母さんに一蹴されそうだけど、お母さんが払えそうな額の提示なら、悩んでから「いいよ」って言うかもなぁ。

なんていう脳内作戦がとても冷静にできるタイプの高1。

で、その作戦に、まんまと乗ったお母さんが、ワタシ。
あ、もともとは、ワタシが、「1人でどこかいったら? 校内で募集してる米国留学は? へえ、やなんだ。ならネットで見たんだけど、こういう小笠原諸島合宿とかは? クジラ観たりするやつ。え?やなんだ。へえ。あ、ならさ……」と、アクティブな夏を送らせようと企んでいたのはワタシが最初だったんです。

アクティブな体験をさせたいお母さんのアドバイスを素直に聞いた。

そうか、1人でどこかに行っていいんだぁ。

いくなら、オタカツ(オタク活動)がしたいなぁ。

調べた。静岡県沼津市のご当地アイドル? ラブライブのスタンプラリーイベントがある! 泊まりでいこうかな。そうすれば、大好きな沼津深海魚水族館にも行ける。

お母さんに聞いたら、嫌そうな顔だけど、いいよっていった。

調べたけどそこまででもない。でも沼津でも行っていいんだ。と安心する。

それなら「青春のブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」略して「あおぶた」も映画イベントで藤沢・江の島・八景島周辺でスタンプラリーやってる。そっちにいこう。青ブタめぐりをしよう!

またお母さんは、訝し気な顔で、いいよっていった。

よし! おれは行こう。一人旅に!

という感じで始まった、ムスコの一人旅計画。この流れ、6月の中間テストの真っ最中にやっていた彼でしたが、
江の島周辺のホテルは高いこと。
だから藤沢駅周辺で探す。
大好きな新江ノ島水族館と、八景島シーパラダイスの水族館をはしごするのは必須なこと。
朝ごはんのついているホテルにすること。
ちょっと高くても駅チカに泊ること。
なんてのを自分で調査し、検討し、交通費こみでいくらくらいかかりそうだけど、出してもらえるかどうかとか、どうしていきたいか、
動画にして送ってきましたw。

いまどきの子らしく、ほんと面白いもの作ってきて、ノリのいい私は、

行って良し!!

なんてすぐ答えちゃった。あとで聞いたら、学校では親の同伴がない宿泊は禁止だったんだって。まあいっか。

で、7月下旬に、朝早く起きて、荷物をしょって、ウキウキと出かけて行きました。
行く先々で、いま藤沢駅。いま水族館。お昼ごはん食べ損ねたけど、ホテル入った。ホテルの部屋。夕ご飯食べにいってきます。こんなご飯を食べました。というラインが入る…… 可愛すぎるww

それを夫にも見せると、
「こんなに親に連絡してこなくてもいいのにな」とか言ってるわりに、めちゃめちゃ嬉しそうに写真を眺めている。
子供の成長って、嬉しくて切ない最たるもの。こういう経験を積み重ねながら、私たち夫婦は子離れの準備をするんだろうね、なんて話ながら。
オットは「俺は大丈夫、子離れしてるし!」ってずっと言い張ってるけど、
大丈夫って言い張る人のほうが、案外、もろいよねと思っているので、
その言葉は一切信頼していない。

ダメかも、できるかしらって揺れている人の方が、やかましいけど、強かったりするww ワタシだww

なので、今回のムスコの一人旅が、49寂しいで51誇らしいの比率だった私に対し、夫は49嬉しいで51寂しいだったと思われる。
そんなことないって言い張ってたけど、そうだと思われる。

で、帰宅した息子に変化があったかというと、おおいにあった。

ただいまの前に、行かせてくれてありがとうって言ってたし、
自信みたいなのが付いたっていってたし、
楽しかったから、来年はもう少し時間をかけて、船で海を渡りたいとか言い出して、
誰が払うねん!!  そんなの自分で稼ぐようになってからにしてよ!!
という大笑いなる会話になったほど、タノシカッタそうだ。

うちの男ども、今年の夏は、まぢで成長した。
それを観察できて、ほんと嬉しいし、タノシカッタ。

人は変われる。


ただ、変わりたいっていううちの男たちの世界の先に、愛がある予感がしたから、後押しできたんだなって思った。
もし、夫とムスコが変わりたいって望んだ世界に、ワタシが孤独になっていたり、娘が犠牲になっていたりなんてイメージがイチミリでもあったら、
ワタシは身を挺して邪魔をしただろうなぁと、勝手に想像してみた。すると、孤独になってもいないのに、創造しただけでむかむかしたりしたw 
その想像力いらんって思ったくらい、妄想しただけで生まれた憎しみ。落ち着けおれ!

例えば、変わりたい、自分のために幸せになりたいって夫が思って、独身時代のように車に異様に力と金をかけたらという妄想その1。
はしゃぎたいってなったとき、家族以外の人とはしゃぎにいってたりという妄想その2。
自分の性質を私たちのせいにして、そのことを誰かにごちゃごちゃ相談したり愚痴ったりしているなんていう妄想その3。
ここにかき出しているだけで、うんざりしちゃうけどww そうなったら

追い出すww


ムスコのパターンも妄想してみたけど、ムスコのほうがまだ許せるものである。そこが愛の形の違いね。
きっと夫への愛は、ワタシから注ぐのみならず、そっちからもこっちに多めに注ぎ込めよなっていう私の要求が強めなのだと思われる。

ムスコの一人旅話題から、ずいぶんとずれ込んだ話題になってしまったw


子供の成長は、親を成長させるってのは聞いてきたし、きっと本当にそうなんだと思う。と同時に、両親としての私たちだけじゃなく、夫婦としても私たちの姿勢みたいなものも、変化してきているし、それを成長と呼ぶのなら、かなり輪郭をもってきたなって実感している。
この輪郭、嫌いじゃない。

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