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ワタシはもう、フルーツパフェを食べていい。

どうしてなんだろう?
フルーツパフェを食べたことがなかったのは……

自分でも不思議なんだけど、デザートでお腹いっぱいにするなら、肉とかご飯もの食べたいっていう、思春期男子のような発想が強めだったワタシ……
ケーキもあまり食べないし、チョコレートもまったく食べない。
スイーツのスペースはお肉とかご飯もの…… もう書いていて情けないってばw

同じ家で育っても、妹はスイーツやフルーツが大好きな人。
ワタシを育てた母は、フルーツ王国・山梨県の出身だからか、1年中果物を欠かさず食べていた人。

なのにワタシは、フルーツとスイーツを、好まないのだ。変なの。

先日、横浜に住んでいる妹がうちに遊びに来たから、一緒に地元の美味しいケーキ屋さんにいって、ケーキを選らんだんだけど、
その迷い方の真剣さといったら、ふざけているのかと疑うほどだった。
「だって!! 若いころは2つ食べられたけど、もう1個が限界なの。しかもこのケーキ屋さんは子供のころからずっと大好きな特別なところなのよ? そこのをたった1個選ぶなんて……あああ。迷っちゃう。ああ、この迷いの楽しいこと。幸せな迷いなのよぉぉぉ~~」

その日、6人で食べる予定だった。それも妹を悩ませていた。
「1種類づつ6個買ったとして……ワタシがどれを食べるか選ぶのは最速で3番目だと予想するのよね? ああ、その時に何が残っているか……悩ましい……」
と心の声を全部もらすのが可笑しくて笑ってたら、
「いつも1人で買うとき、脳内葛藤を1人でやってるけど、今日はお姉ちゃんがいるから全部吐き出せて、とっても楽しい💙」
と大はしゃぎで悩んでいて、それを聞いてるこちらも楽しかったw

で、ワタシはっていうと、ケーキにどうしてもはしゃげない自分がいることに、改めて気づいたのだった。なぜケーキに浮かれないのだろう?

そんなワタシだけど、なんか、フルーツパフェが食べたいって思っていることに気づき始めていた。

ワタシの中の女子力のシンボルなのかな?
それとも、季節感の楽しみなのかな?

なんだかわからない。だけど、食べてみたいなぁって思ってたので、食べてきた。

新宿のタカノフルーツパーラー。

オットがなぜか、母の日スペシャルパフェ
ワタシは長崎産の枇杷パフェ



枇杷を久しぶりに食べた。橙色の果肉から溢れる淡い甘さ。うわー、この甘さ、懐かしい! ワタシ、子供のころ、枇杷が大好きだった! ってことを思い出した。
季節を果物で味わうって、なんてシアワセな気持ちになるんだろうって思った。
果物を食べてはないけど、売ってるとこは見てた。だから暮らしの中に欠落してる実感が薄かったなぁ。味わってみて、驚くほど、足りてなかったことに気がついた。
冷たいデザートって、もうね、たくさんは要らないお年頃になっていて、年々食べられなくなるんだなぁ、それならいまのうちに食べておこうって思った。

食べ終わってみると、女子力のシンボルだって思ってはいないんだなぁって実感した。そこじゃなかった。

ああ、もしかしたら、高級なデザートだから、手を出さなかったんだ。枇杷パフェは2000円だった。いまのワタシなら不安なく払えるし、明日のご飯に困らない。だけれど、20代のワタシだったら、二の足を踏んだだろう。
それならお肉とかご飯ものを……っていう思春期男子発想になってたよなぁw
なんて可愛いかったんだ、若いころのワタシ。
その時の判断が、いまでも行動に影響を与えているんだな。
家庭環境だけじゃなく、若いころの経済力のなさっぷりだったか……

というように、20代に植え付けちゃった自分の中の土台を、すこしづつ壊してるなぁって自覚することが、ときたまある。

20代の半ばまで大学生をやっていたワタシは、遅めに社会に出た。しかも定職にも就かず、親の反対を押し切って、お金もないのに実家を出た。
夢ばっかりあって、いつもお金がなくて、孤独で、だけど全然ミジメじゃなかった。
売れない役者みたいな生き方に憧れていたし、それが自分らしさだって心の底から思っていた。
欲しい本を新刊で買えず、古本屋で探す暮らしが、誇らしかったし、むしろこんなオレってカッコイイと思っていた。
そんなワタシに、フルーツパフェは手を伸ばしちゃいけない世界だったのかもしれない。

大丈夫だよ、ワタシ。
その時の夢はかなってないけど、だからって人生は楽しいし、
食べたいって思った時、一緒に食べてくれるパートナーがいて、
母の日だからって支払ってくれて、
欲しい本を新刊で買える暮らしも、カッコイイよ。

あの頃の呪縛は、アチコチにある。それから解放されたくもあるけれど、ずっとずっと大事にしていたい想いも、たくさんたくさんある。
どちらも、見直しをしているところ。






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