レシート裏の恋。
秋は、恋愛映画の需要が上がるらしい。
そういえば、恋愛映画なんて もう何年も観ていない。
最後に観たといえるのは、四年前に上映された
『 マチネの終わりに 』
たった三度出会った人が
誰よりも深く愛した人だったー
というキャッチコピーで、大人の恋が切なくも美しく描かれていた。
だが、これも私の意思ではなく、当時仲の良かった異性の友人に誘われて観たもので…
異性と二人で恋愛映画なんて、なんか気まずいな。と内心思っていた。
学生の頃は、恋愛映画やドラマ・漫画にドキドキできたが…
歳を重ねるに連れて、' 他人の ' 恋愛というものに興味が薄れていく。
所謂女子会で恋バナに花が咲くのは、あくまで、主役が仲の良い友人だからであって…
恋愛・顔面共に偏差値高め・経験値高めの俳優が演じる恋愛話を目にするのは、どこか、深夜の通販番組を観ている感覚に似ていた。
プレゼンターが、商品を手に取り『 いいですよ 』と熱弁を奮う。
アシスタントは、然も有り気にトスをする。
それに対して、『 良かった 』『 悪かった 』とレビューがつく。
しかし、購入もしていなければ、物欲さえ湧かない私にとっては、まるで余所事でしかなかったのだ。
note を始めた頃は、自分の欲を満たしたいが為、文章を綴ることだけに利用していたが、少し慣れた今、他のクリエイターさんの記事も読むようになった。
自分が恋愛をしているからだろうか、恋愛や結婚観を題材にしたものも 多く目につく。
必ずしも、ハッピーエンドばかりではない。
悩み、迷い、不安や嫉妬や葛藤。
恋愛なんて、クソだ!という想いもある。
ドラマより、ドラマティックだった。
でも、これでは、視聴率は疎かスポンサーさえつかないだろう。
下手な台本だ。
しかし、そこにあるものこそが、リアルなのだと感じた。
舞台は、東京、パリ、ニューヨークといったスケールの話ではない。
主演も、『 世界的なクラシックギタリスト × パリの通信社に勤務するジャーナリスト 』のような華やかさもない。
「 もし洋子さんが死んだなら僕も死ぬ 」等というキラキラした台詞も、『 爆弾テロに遭遇する 』というアクシデントも用意されていない。
だが、一人一人がドラマの主役であり…
どれも、素敵なストーリーだった。
例え、他人から見たら、レシート裏に書くような台本でも…
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