能力と技術
「私にはスキルがないので」と転職活動に踏み切れない方の相談について。
なんとなくレベルが高い仕事だと思ったときに感じるのでしょう。
また、「やりたい・ほしい・なりたい」Will軸だけでは現実的に職にありつけないので「できる・得意・向いている」というCan軸を考慮した方が良い
というキャリアの考え方をご存知の方もよくおっしゃいます。
では、そもそも「スキル」って何でしょうか。
スキルにつながる構成要素を(他にも色々ありますが)、大きく下記に分類してみましょう。
・能力
・技術
・知識 / 情報
・経験
今日は、この「能力」と「技術」の違いから。
言語化するのはなかなか難しいと思うので、そこまで深く考えなくても良いんですが、私なりの解釈は下記の通り。
・「能力」は力。全ての土台となるパワーのことで、仕事をする上でべ―スとなる力量。様々な技やツールを使いこなせる腕前。
・「技術」は技。やり方の種類、引き出し、テクニック。少ない力でより大きな影響を生み出す、など様々な打ち手。
例えばエンジニアの思考力、判断力、創造力、、、これは能力。
イメージでいうと、ゲームセンター等にあるパンチ力を測るゲームで、レベル1~5のMAX値を出せたら最高レベルの能力保有者。というような感じで
初めての難題が出ても、瞬間的に勢いでやりきれちゃうパワー。
これは、じっくり個人のトレーニングで着実に鍛え上げていくもの。
逆に、すぐに他人からインストールしてもらえないもの。
一方で、ボクシングの試合で使うとなると、このパンチを出すにも技があって、手首ねじらせず、足や全身を駆使して、(ちょっと私は分からないですが)衝撃を与える複雑な技があるはずです。
そこまで強い力じゃないのに、1発のドスンという重みが違うと言いますよね。重みを出せる、これが技術。
ストレート・ジャブ・ボディなどパンチの種類(引き出しの数)や、ディフェンスにも色々あって、戦い抜くコツが色々ありますよね。これらが技術です。(営業職だと、商談導入時のアイスブレイクや、様々な心理テクニックなど。)
腕力(能力)だけ鍛えても右ストレート(1つの技術)しか使えなければ不利ですし、逆に重みを生みだす技(技術)だけ長けていてもパワーがないと効果が薄い。
この能力UP×技術力UP=相乗効果が、10倍から100倍の威力を発揮するんです。
この技術については、比較的短期間で、見様見真似で習得出来ます。
つまり、人から伝承されやすいもの。
(私もセミナーや講演会・勉強会でこうしたテクニックをたくさん披露しますが、すぐに効果が出て、すぐ使える技術は大変喜ばれますよね)
鉄棒の逆上がりも分かりやすい事例かもしれません。
お父さんの方が腕力は明らかにありますが、小さい子供がいとも簡単に、くるくるくると連続逆上がりを披露されると、この細い腕でどうなっているのかと不思議に思えて仕方ないですよね。
逆上がり技術(テクニック)がお父さんより遙かに高いんでしょう。
さらにその子供が空中回転までしたいなら、体操オリンピックメダリストの内村選手や橋本選手のように、強靭な腕力などパワーをつけないとならないでしょう。(もちろん、圧倒的な技術も同時に磨かないとダメ)
今日習った小手先の技術を豊富に覚えているだけでは、コツコツ鍛えて磨いてきた人には敵わないし、
技術を複数知っていて、且つ出来るとしても、それをいつどう使いこなすべきかの判断力や思考力などがないと、宝の持ち腐れになります。
なのでこの両輪が大事で、現実的な転職や働く環境においては、技術と能力を個別で判断されることは少なく、それらを統合した「技能」として、それらを保有して成果が出せる人物か否かで判断して、評価されます。
実現したい夢があるならば、少しでも必要な技能を磨いていくしかないです。経験がないなら嘆き諦めるだけでなく、何が必要かを建設的に考えて、着実に進めていくのも良いと思います。
職種別の必要技能を探求したい方は、厚労省のJobtagがお勧めです。
知識/情報、経験についてはまた今後解説します.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?