パニック障害あるある⑦カミングアウトするのがこわい。PTA役員を決める日のこと。
「実はわたしパニック障害なんです」
この一言。
とっても難しいひとこと。
言おうかな。
どうしようかな。
受け入れてもらえるかな。
ひかれるかな。
すごい葛藤がある。
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「パニック障害」という病気。
世の中ではどれくらい認知されているのだろう。
当事者となってこれだけ長いと、客観的な見え方が分からなくなってくる。
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以前は、カミングアウトするのがこわくて。
なかなか言い出せなかった。
きっと、言ってしまったほうがラクになるのだろう。
とは思いつつ。
どこまで理解してもらえるか分からないし。
「なんかヘンな人?」なんて、思われてしまったらイヤだな。
とか。
色々と考えてしまって……。
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学校のPTAの会議でのこと。
その日は「部長」と「副部長」をきめるという日。
「あー。気が重いなぁー。」
「どうかどうか、選ばれませんように」
朝から気が重い。
学校に向かう足どりも重い。
もちろん、頓服はのんだ。
ポケットにも予備の頓服はいれた。
準備OK。
ひとまず、学校に向かう。
そこからすでに「大変」は始まっている。
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教室にはPTA役員に選ばれてしまった保護者がたくさんいた。
わぁ。
すごい人口密度だ。
息苦しいなぁ。
なんだか雰囲気もよろしくない。
みんなピリピリしている。
「絶対に部長やりたくない!」
という負のオーラが満ちあふれる。
そう。
PTAの部長になんて選ばれてしまったらもう。
その1年は最悪な1年となる。
(※個人の感想です)
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各専門部ごとに分かれて、輪になって座る。
みんな黙っている。
重苦しい雰囲気。
司会の人が言った。
「この中で部長免除を希望する人はいますか?」
「理由を発表してください」
「過半数の承認が得られたら、免除OKとなります」
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何名かの人が手をあげた。
順番に、理由を発表していく。
Aさん
「親の介護があり、家を空けることができません」
Bさん
「フルタイムで仕事が忙しく、持病のある子供の通院も忙しく、余裕がありません」
Cさん
「うつ病がひどくて、体調不良で寝込んで動けない日が多く、活動をするのが難しいです」
こんな感じだった。
その時思った。
「あぁ……。私もパニック障害でつらいんだけどな。辞退を希望しますって言いたいな。でも……。」
なんてウジウジ考えている間に、会議はどんどん進行されていく。
司会の人
「他にいませんか?」
「それでは、多数決をとります。
皆さん下を向いて目を閉じてください。
Aさんの免除を承認される方は挙手をお願いします。」
Aさん、きっと大変なんだろうな。
そんな感じで、Bさん、Cさん、と続く。
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みんなきっと大変なんだろな。
そう思って、全ての希望者に承認の手をあげた。
結果、過半数の承認が得られた人と、そうでない人がいた。
わぁ。
厳しい世の中だ。
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そして、免除者をのぞいた人達で、くじを引く。
くじの中には「部長」「副部長」「役職なし」がある。
どうかどうか、あたりませんように。
願いを込めてくじをひいた。
結果……。
私は部長になってしまった。
オーマイガー。
泣きたかった。
部長から挨拶するようにとの指示があり。
「部長になりました〇〇です。これから1年間、みなさまどうぞよろしくお願い致します。」
ザ、無表情。
いや、多分、不機嫌があふれていたかもしれない。
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帰り道、1人で泣いた。
なんでなの。
なんでわたしなの。
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(教訓)
「恥ずかしがってる場合じゃない。時もある。」
「自分を守れるものは、自分しかいないのだ。」
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