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真夏のタイで死をおもう

灼熱の太陽に焼かれるような日差しが毎日降り注ぐタイでこの文章を書くことを三年前の私でさえ想像をしていませんでした。

妹の急死が今回の訪タイの時期にあった一番大きな出来事でした。私の家族は全員そうだったと思います。とてもプライベートなことであり、さらにとても繊細なことなので詳しくは書きませんが、間違いなく私が35歳だった妹の急死から気がついたことは。

私たちは全く想像をできないことが起こり得る未来に生きているということ。

私はほとんどのことがある程度自分の想像の範囲内で起こるのだと自信を持って信じていたようなところがあります。

創業者ということもあり、多少の経済力と経験値を手に入れて随分と驕っていたのかもしれないと思いました。

こうやっていきなり不幸が降りかかって来たとしても、私たちは飯を食って前を向いて歩いていかなくちゃいけないということも、自分の中で何度も反芻してきたことではありますが、改めて痛感した次第です。

私がもし独り身であればそこまで真剣には考えなかったかもしれません。おそらく驕りはもっと大きくなっていたのでしょう。そういう意味では結婚できたことはとても良かったのだと思います。

タイ人は、私に会うたびに暑いね、暑いねと言います。
私は暑いね。と返します。
でも、暑いと感じることができることでさえ死んでしまったできないのです。暑いねと言い合うことさえ出来なくなる。
そう考えるとこのタイの灼熱の太陽にさえ感謝の気持ちが湧いてきます。

私は今までも真剣に生きて来たつもりではありますが、今まで以上に真剣に自分の人生に向き合うきっかけを妹は与えてくれました。妹はきっとそんなつもりはなかったのだろうけれどもね。

妻は死んだ人の魂は別の世界へ行くのだと言ってました。
私が別の世界に行った時に、妹にこの話をして感謝を伝えたいと思います。

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